通勤や通学で電車やバスに乗る方はたくさんいるのではないでしょうか?皆さん、車内で何をしていますか?そして他の乗客の人は何をしていますか?是非一度周りを見渡してみてください。寝ている人、物憂げな表情で外を眺めている人、友達とおしゃべりしている人、そして多くはスマホの画面を眺めているのではないでしょうか?
世界的にみても車内の移動時間をスマホの画面を見て過ごす人は増えていますが、日本のスマホ熱中率は非常に高いような気がします。ヨーロッパでは車内を見渡すといまだに結構な確率で本を読んでいる人に遭遇します。しかも文庫本のような軽めのものではなく、結構重厚なハードカバーを持ち歩いているのです。そしてまた、そのブックカバーのデザインがカッコイイこと。おしゃれな街並みを横目におしゃれな本を読んでいる人を見ると思わずうっとりしてしまいます。そこで今回は是非あなたにも持っていて欲しい秀逸なブックカバーデザインを集めてみました。部屋に飾っているだけでも絵になっちゃいますね。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)
本についての本だからこそのブックカバーデザイン
本の表紙デザインを見る (via Pinterest)
イギリス出身の小説家トム・ラックマンの2作目の小説「The Rise & Fall of Great Powers: A Novel」のカバーデザインです。「本と旅行と嘘」について小説ということで、物語は本屋さんから始まります。本が積み上げられていて、実際に本の側面に書いたような文字のタッチが印象的なこの表紙を見れば、「本のことが描かれているのかな」という想像をさせてくれます。日本と海外のブックカバーデザインの趣向には、相当な違いがあるように感じます。大きな違いのひとつが、タイトルのサイズではないでしょうか。全てではありませんが、タイトルを大々的に配置するものが非常に多く、ただサイズが大きいだけではなく、そのフォントや文字の配列など、綿密なデザイン性を感じるものばかりです。このブックカバーデザインも、文字の配置やタッチ、配色が絶妙で、いわゆる「ジャケ買い」をして、インテリアとして飾りたくなるような芸術性を感じてしまいます。
暗闇で初めて存在感が出るブックカバーデザイン
本の表紙デザインを見る (via Pinterest)
投資会社が出版しているレポートブックのカバーデザインです。クロアチア人のデザイナーが担当した、「世界初の暗闇で光る本」ということで、デザイン界でも話題になりました。カバーにあるタイトルとして「Good ideas glow in the dark」とありますが、この写真からもわかるように、暗いところでしか、この文字は浮き上がってきません。通常の明るさでは、真っ白で何のデザインも施されていないサンプル本のように見えます。このレポートを読むまでは、通常の明るさ状態と同じく「真っ白」で知識がない状態でも、読み進めて時間が経ち暗くなれば、「Good ideas」が光り輝いて眼に映るようになるということを表現しているように感じます。このデザインは、「レッド・ドット・デザイン賞」というドイツのデザインセンターが主催する国際的なプロダクトデザインの賞を受賞しています。企業の年次レポートでありながら、デザイン性も評価されている、というのは、企業ブランディングとしても秀逸です。寝室に置いてしまうと、寝るときに少し目障りになってしまいそうですが、この仕掛けを誰かに見せびらかしたくなるようなブックカバーです。
不気味さをスタイリッシュに表現したブックカバーデザイン
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アメリカ人ファンタジー作家ケビン・ブロックマイヤーの「終わりの街の終わり(原題:The Brief History of the Dead)」のブックカバーデザインです。人間の目は錯覚をしやすいもので、パッと見る男性が立っているようですが、トレンチコートを広げている手があるだけで、そこには「人」はいません。アメリカSFファンタジー作家協会主催のSFやファンタジー作品に与えられるネビュラ賞にノミネートされた作品ということで、その物語はファンタジー小説。死者の世界と生者の世界の交わる部分を描いているとのことで、すぐそばにある「見えないもの」としての「死」の存在が、このカバーの色彩とそこにいない人の存在で見事に表現しています。サイズは小さいながら目を引くのが、コートの襟元部分に書かれた「a novel」という言葉。タイトルとカバーデザインだけだと、それを見た人が内容を誤解すると配慮しているのでしょうか。実際、書評には、「表紙の”小説”という文字はいらない」といった意見もあり、過ぎた説明は読者の想像力を削いでしまうのかもしれません。少し怖いような、覗いてみたいような…という微妙なラインをうまく描くブックカバーデザインです。
ビビッドなモダンアートのようなブックカバーデザイン
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アメリカ人作家パトリシア・マークスのコミックノベルのブックカバーのデザインです。ビビッドなオレンジの背景に、意味深なフォント使いが面白いデザインです。本のタイトル「Him Her Him Again The End of Him」は、「彼と彼女と彼とそして最後は彼」というような意味合いになります。そしてその内容は、1人の女性の初めての彼にまつわる恋愛ドタバタコミックというもの。目に留まるのは、最後の「Him」に突き立ったナイフ。影がついていることで立体感が出ていて、「Him」へのトドメ感を感じます。コミックノベル独特のおちゃらけた感じを一切排除した、スタイリッシュでモダンアートにもあるような構図がそのデザイン性を高めています。この本を電車の中で読んでいる女性をみたら、お洒落に見えるかもしれません。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。
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