文字の扱いがグラフィックのキーとなっているポスター作成例

テキストをグラフィカルにアレンジして、さまざまなメッセージの伝え方をしている例を紹介します。文字中心の広告といえば、テキストをメインにして、コピーの力で訴求するパターンもありますが、今回はどちらかといえばグラフィック要素として文字をあつかっているサンプルです。

ミニマルな交通安全啓発キャンペーンポスター制作例

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黒々としたオブジェクトの先に人物が小さく配置されています。左上には通信キャリアのロゴがあり、とてもキャッチにはふさわしくない小さな文字で「必要なのは１文字だけ」と添えられています。そしてその下には「運転中のメールはやめよう」の文字。黒いオブジェクトは大文字の「Ｔ」で、文字通りＴ字路に見立てているのです。小さな人影をよく見るとサッカーボールを追いかける男の子です。つまり、少年までまだ距離があるように見えても、たった１文字打ち込む間に自動車は到達し、悲劇を招いてしまうといっているのです。少年の画像とキャッチがきわめて小さいのも、道路を１つのアルファベットで表しているのも、すべて意味があるのです。すべての要素が重要な役割を果たす、ミニマルデザインならではの構成です。ほかに「Ｈ」「Ａ」「Ｓ」「ｉ」のバージョンもあります。

タイポグラフィの遊びで訴える啓発ポスター作成例

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長めのキャッチに人物のシルエットが組み込まれています。一番上の「Buggy」（ベビーバギー）という単語の「Ｂ」はバギーの幌（ほろ）になっています。右下の男性はつり革のように「Ｅ」に手をかけています。その下のシルエットを見ると車椅子の車輪が「Ｏ」「Ｃ」の代わりに使われいます。シルエットに邪魔されてスムーズに読めないのですが、そのために却ってメッセージをじっくり読むことになります。バスの車椅子用スペースを車椅子の乗客にゆずって欲しい、とバギー利用者に訴えるロンドン交通局のポスターです。

音楽の楽しさが伝わる学生募集ポスターデザイン制作例

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大学音楽科への学生募集ポスターです。セロファンフィルムを切り貼りしたようなカラフルな「Music KU」の文字が画面の半分を占めています。KUは大学名の略称です。背景には大学の象徴的な建物と音符が、非常に細い線で描かれています。音楽の楽しさやダイナミックさ、繊細さ、カリキュラムの多彩さなどが、どちらかといえば素朴なタッチで表現されています。

アルファベットを変形してなにか別のものに見立てる、ほかのオブジェクトとからめる、ほとんどグラフィカルな要素にしてしまう、という３つのパターンのサンプルをピックアップしました。ちなみにアルファベットは構造が単純なため、見つめ続けてもゲシュタルト崩壊しにくいそうです。