段階的な色の変化を楽しむことができるグラデーション。一つの配色でも、その彩度を徐々に変化させることで自然な色あいを表現することができます。例えば空を描くとき、青や水色一色では自然な色合いとはなりません。視界に入る距離が遠くなるにしたがって、段々薄くなっていくのが自然です。このような色の変化を表現するのに最適なのがグラデーションですが、自然の様子だけでなく、文字テキストや背景にも活用することができる万能な技法。使い方によってトレンディーな雰囲気を出すこともでき、活用の幅は広いと言えます。ここではその例を3つほどご紹介します。
文字テキストの背景にグラデーション効果を与えたデザイン
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最も一般的に使用される構図として、文字テキストの背景にグラデーション効果を用いる方法が挙げられます。この方法を用いることで文字テキストが強調されることに加え、色合いや明るさの変化に合わせて見ている人の視線を意図的に誘導する効果があります。こちらのポスターは、タイトルのイメージに合わせて夕暮れ時のような背景がとても印象的です。さらに、暗い部分から明るい部分へと視線が誘導されることで、ポスターが伝えたい情報を見落とさずキャッチできますね。コントラストも美しく、グラデーション効果を上手に生かしたデザインと言えます。
光と影の演出によるグラデーション効果のデザイン
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こちらのポスターでは、切り取った紙の文字によって映し出される影とその背景が見事にグラデーションとなっています。切り文字が印象的なのはもちろんですが、こちらもやはりグラデーションに沿って視線が動かされるので、必要な情報がしっかりと視野に入ります。科学的な発想によってつくられた色のある影は、その淡い色の変化に一つの芸術作品としての仕上がりを感じます。実にシンプルなデザインですが、光と影の演出で見事なグラデーション効果が生み出された、インパクトのある一枚です。
写真と暖色系のグラデーションによって暑い季節をイメージしたデザイン
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このポスターに使用されているビーチの写真と、ピンクから黄色に変化する暖色系のグラデーションが、見る側に暑い季節感を強く感じさせます。写真とグラデーションの組み合わせで多いのが、自然界で実際に見られる色合いを使用しているものですが、こちらは敢えてイメージを先行させているところがポイントです。「暑い季節」「真夏」「太陽」といったイメージから、写真と配色が決められているのです。言い換えれば、写真と配色がそれぞれ独立したものであるということ。この二者が上手く融合することで、伝えたいイメージをより鮮明に思い起こさせることに成功しています。
配色は、ポスター制作者の意図を表現する手段の一つです。しかし多くの場合、単色ではなかなかその意図は伝わりにくいもの。また、複数の色を使う場合、境目がはっきりしているものは視覚的にも分割されやすくなります。グラデーションは見る側にそうした視覚的な分割をさせないことに加え、作成者の意図をイメージさせるのに最適な表現方法です。もしもいまいち伝えたいことが表現しきれない、パンチが弱い、配色が多く視点がバラバラになってしまう…といったデザインへの悩みが生じた場合は、お助けツールとしてグラデーションを活用してみてはいかがでしょうか。ただし、意図するイメージに沿った配色でない場合や不自然な色を組み合わせている場合には、その効力が十分に発揮されません。万能な技法だからこそ、上手に活用していきたいですね。
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