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広告デザイン屋さんとしての考え方について

AMIXで提供しているサービス・デザインは、誤解を恐れずに言えば大手代理店には太刀打ち出来ないと断言出来ます。それはデザインの仕事をしている時や、街中を歩いている時に、周囲をキョロキョロすればすぐに分かる話で、胸を打つキャッチコピーや、いつまでも心に残るビジュアル、そういったものとは縁遠いです。(※お客様誤解無きよう、仕事人としては常にベスト、プロの自負を持って仕事しております)

ましてや広告賞なんて、一生取れないでしょう。

でも、あまり気にしていません。
広告デザインの立ち位置にも色々あって良いと思っています。

 

例えば、何かの記念日に普段は行かないフレンチレストランに足を運ぶと、趣向をこらした美味しい料理が出てきます。思わず目を瞑ってしまう程、美味しい料理…。でもそれだけが料理ではありませんよね。

大衆向けの居酒屋で食べる唐揚げなんて、ビールに合わせると最高です。どちらの料理・料理人が優れているというわけではなく、それぞれニーズに合わせたサービスを展開しているだけです。勿論、どちらが世の中の為になっているかなんて、考えるだけ無駄な事です。デザインの仕事でもそういう感覚があっても良いんじゃないか、と思っています。

 

「やってる?」と暖簾をくぐるような感じで、気軽に頼めるサービス。こう、デザイン事務所という感じではなく、デザイン屋さんというイメージでしょうか。ストレートに言えば、廉価版サービスですよね。その分色々と制約もあります。実際、要望を聞いた段階で「それなら○○という会社の方が良いですよ」と、お客さんにお伝えすることもあります。

「安売りだ!」と言われると、確かにそうなんですよね。ただ、依頼を頂けるお客さんは”初めてデザインを誰かに頼む”という方が多いんです。誰かのパイを奪っているわけじゃなくて、新しい所からやって来ていただいている。

今まで”広告デザインを頼む=すごく高い”という頭があって断念していた方が「お、これなら予算がなんとかなるな」という形で、デザインを発注してくださるという事です。特にスタートアップはお金が無い場合が多いので、ご相談・ご依頼いただく場合が多いです。デザインだけで資金ショートなんて、洒落になりませんからね。

 

何もずっと懇意にしてほしいとは思っていません。(いや、ありがたいですが!) 僕がサポートした方の事業が軌道に乗って、資金に余裕ができたなら、もっと大きな規模のデザイン会社と組んでいただければ良いと思っています。世の中には、カッコイイ事が出来る会社がたくさんあります。せっかく付き合いが出来た会社・お客様を離したく無いという気持ちが無いわけではないですが、そんな一期一会も楽しいものです。

「そういえばチラシを担当したあの会社の新製品、どうなったのかな」と、以前のお客さんのHPを久々に見てみたら、もの凄く立派になってて、「良かった、上手く行ってるんだ!」と陰ながら喜んだりしています。

 

日本で一年間に立ち上がる事業は7〜90,000件あります。それだけ、デザインへのニーズも生まれていると言えるのではないでしょうか。

自分がこういうデザイナーになりたい。というスタンスではなく、どうしたらお客さんのニーズに応えられるだろう、という一点で運営しています。今日も「お店をやろうと思っていて、チラシとロゴが欲しい!」と、門を叩いてくれるお客さんがいることに感謝して。

 



グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。