「JIS2004」と「JIS90」とは?その違いについて
フォントプログラムには、現在「JIS2004」と「JIS90」の規格が存在しています。この2つは大半の情報に差はありません。
大きな違いは、新規格「JIS2004」は168種類の漢字が【正字】に置き換えられている点です。
教科書などは「JIS2004」規格の書体を用いて作成されていますが、「JIS2004」に対応した書体はまだまだ種類が少ないというのが現状です。特にデザイン業務で用いる書体は、現在も旧規格「JIS90」で作られているものが多くを占めています。
様々なデザイン表現を行う上で、書体のバリエーションは非常に重要な要素になります。
その為、当サービスとしましては、書体を用いた豊かなデザイン表現を確保するために「JIS90」「JIS2004」両方の規格書体を利用しています。(ご要望に応じて書体の規格指定にも対応しております。)
「JIS90」は広告において間違いになってしまったのか?
「JIS90」の字形が印刷広告などにおいて、間違いになったわけではありません。現在も公共交通機関のサインや自治体の表記等で、「JIS90」規格の字形が使用されている場合があります。
また、基本的には168種類の漢字については、マイナーチェンジの範囲であり、多くの人はどちらのバージョンの漢字も問題なく読むことができます。(それが共存状態を生んでしまっている原因かもしれません)
例えばこちら写真の「祇園四条」の【祇】の表記は、旧規格「JIS90」が用いられています。
・京阪電鉄 祇園四条駅 / beeboys – stock.adobe.com
その他にも、奈良県葛城市の【葛】はロゴやデザイン上の表現では「JIS90」規格の漢字になっています。
2004年2月20日に「JIS2004」規格が制定されてから、20年近くが経とうとしていますが、恐らくこのような事例は日本中に多く存在していると思われます。
新規格に追いついていないのではなく、選択的にデザインとして「JIS90」規格を採用しているケースも見られ、2種類の文字は実質的には共存しているのではないかと感じるところもあります。
しかしながら、特に地名・固有名詞やブランディング等において「必ずこの形状の書体を使用して欲しい」というケースはあるかと思います。その場合は、利用できる書体の範囲で可能な限り対応させていただきますので、ご安心ください。
今後の書体利用について
これらの書体利用に関する見解はあくまで現時点のものです。
フォントプログラムに「JIS2004」規格が浸透し、書体利用の幅が広がれば軸足を置く規格は変わるかもしれません。
当サービスでは、フォントプログラム・デザイン業界の動向に基づいて、柔軟に対応して参ります。
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