企業ストーリーをイメージさせるトータルブランディング集

店先やショーウィンドウを華やかに飾っていた時代は終わり、多くの人がモノをインターネット上で購入するようになった昨今では、企業をはじめ多くの小売店はこれまでと違った手段で消費者にアピールしなければならなくなってきました。サイトの充実はもとより、その商品にどんな物語が宿っているのか、どんな想いでモノづくりをしているのかなど、売り手の意識やストーリーを消費者にいかに伝えるかが問われる時代になってきたのだと思います。

しかし、各自の想いをタラタラと文字にしても誰も読みません。そこで重要になってくるのはトータルブランディング力です。売りたい商品だけでなく、そこにまつわる全てのものを同じ想いで包むことで共感を生み、より消費者の購買意欲を刺激するのだと思います。今回はロゴやパッケージ、サイトに至るまでトータルでデザインされた企業ブランディングを集めてみました。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)

ロゴデザインの発注はこちら

オーストラリアの優しいケーキ屋さんのブランディング

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

Mad About Cakesはオーストラリアのメルボルンに拠点を置くブティックベーカリーです。日常のデザートよりも結婚式など特別な日のためのカスタムケーキを専門としているようで、食べるのがもったいないほどの凝ったケーキや華やかな色使いのクッキーなどを取り揃えています。そんな洗練されたベーカリーのデザインは抑えたピンクを基調とした女性らしく家庭的で暖かい印象を与えてくれます。ロゴ、名刺、パッケージなどカラフルなパステルカラーで統一し、お菓子作りの際に活躍する調理器具が可愛らしくあしらわれています。特にウェブサイトは写真をふんだんに使うことで全体のイメージを統一しつつ、お菓子作りに対しての愛情と情熱が感じられる柔らかいイメージに仕上がっています。サイトを訪れただけでおもわず食べてみたくなってしまうことうけあいです。

サウジアラビアにあるピンクが印象的な高級ネイルサロン&スパのブランディングデザイン

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

このデザインやブランディングをするにあたって、長く愛されるために一番力を入れたのは広告として役立つためのピンクのバッグ。これをもって女性が歩く広告となって宣伝してくれることを想定しているそうです。ビジュアルイメージとしては全体をピンクでまとめ、ロゴに箔押し加工を使用して高級感をプラスしています。ロゴはシンプルではありますが丸みがあって優しく、すべて大文字で目に入りやすい印象です。

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

また、生花と組み合わせた写真のスタイリングもみずみずしく美しいですね。影が強めの透明感のあるライティングを組んでいます。花は美しさの象徴として女性を奮い立たせてくれますし、ネイルサロン、スパともにイメージに合っていて効果的だと感じました。

黒を基調にした恐竜の化石をイメージさせるブランディング

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

ニュージーランドのクライストチャーチに位置するワイナリー、Bone lineは1989年から植え付けを始め、60エーカーの広大な土地で丹念にブドウの栽培をしているワイナリーです。60エーカーとはおおよそ東京ドームの５倍ちょっと。想像してもらえればその広さが伝わるのではないでしょうか。このbone lineという名前はその土地の歴史に由来しており、恐竜が絶滅した原因となった地質学的証拠の上に広がっているからということらしいのですが、見ていただいて分かる通りロゴや名刺、ワインのボトル、パンフレットまで恐竜の骨をイメージしてデザインされています。全て黒で統一されたデザインは地中深く数千年前の太古から眠っている恐竜の神秘的な輝きを引き立たせると同時に、どこか高貴な品を感じさせてくれます。荒々しい化石もデザインという魔法をかけることでこんなにもスタリッシュにワインとマッチするんですね。

自己主張の強い色を合わせてポップで遊び心を出したブランディング

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

Killa productionはオーストラリアのメルボルンにある映像や音楽などのメディア全般のブッキングなどを専門とするエージェントです。名前にKillが入っておりなんとも物騒な感じがしますが、デザインにも釘が打ち込まれたバットやアイアンナックル、拳銃や弾丸、注射器などが散りばめられており非常に刺激的です。しかし、見てもらう通りそれらのアイテムが決して攻撃的には感じません。むしろ真っ赤なKillaのロゴを引き立てるいいアクセントになっています。

通常、赤と青だけを同じ面に合わせることは、デザイナーであればあまりやらないのではないでしょうか。どちらも自己主張が強く喧嘩してしまうので、配置に非常に気を使います。しかしこのデザインでは全くその気配はありません。むしろお互いが合わさってポップで楽しいイメージを作り出しています。コーヒーカップやトートバックなんかは売ってたら普通に買ってしまいそうなほど可愛いです。メディア業界のエージェントらしい毒の効いたハイセンスなブランディングです。

メキシコのホテルのユニークなブランディングデザイン

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

Singularは、メキシコにあるコンドミニアムとホテルのコンセプトを融合したプロジェクトです。所有者はビーチに住む機会があり、自然と触れあってもよし、ホテルとして使用してもよし、所有者の思い通りに過ごせる施設となっています。所有者が望む限り、「カリブ海があなたのものになる」という空間をコンセプトとしているようです。

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

ブランディング事例を見る (via Pinterest)

海を表した深いモスグリーンに艶のあるゴールド、濃いピンクと三色で構成されています。グッと深みのある色の組み合わせで高級感が出ていますね。厚みのある紙を重ね、一番下にはエメラルドグリーンの海が見えているのでしょうか、写真ではなくこのような見せ方をするところが面白いですね。また、カードのデザインは、シンプルなゴシックのホテル名に、他の情報は小さく記載。周りをゴールドで囲っていてすっきりと仕上がっています。

歯をストライプパターンに配置した歯科医院のロゴデザイン

ロゴ作成例を見る (via Pinterest)

歯のモチーフを、波のようなストライプ模様に配置したスタイリッシュなロゴです。予約カードやレターにあしらうのも素敵ですね。予防のためにも通いたいデンタルクリニック。おしゃれなロゴデザインなら、より通いやすくなるかもしれません。