Gediminas Medžiaušis 氏は、リトアニアの首都ヴェリニュスを拠点とするグラフィックデザイナーです。 9年以上のデザイン経験をもとに、ロゴタイプやブランディング、パッケージデザインや装丁デザインなど様々な分野で活躍しています。 そんな彼のロゴデザインの特長は、ミニマルなイラストの使用。 ロゴデザインは要素を絞り込まなくてはならないため、イラストはあまり用いないというデザイナーもいます。
しかしGediminas Medžiaušis氏のロゴデザインでは、ミニマルなイラストとタイポグラフィーの程よいバランスが保たれており、しかも一目見て印象に残るようなロゴデザインになっています。 今回はそんな Gediminas Medžiaušis 氏のロゴデザインを詳しくご紹介します。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。(Thank you, Gediminas ! )
キッチン家具メーカーの企業ロゴ作成例
10/20 KICHENS はキッチン家具のカスタムオーダーができる企業です。 ロゴデザインでは、シンプルな長方形の上段に「10/20」、下段に「KICHENS」を配置し、ロゴ全体にリズムを付け、読みやすい形にしています。 また長方形の上部には鍋のイラストを配置してキッチン家具のイメージを加えるとともに、ロゴ全体がキッチンのような図像になっています。 鍋の湯気はアニメーションで動くようになっており、印刷物からWebでの使用まで考えた、シンプルながらに強いイメージの残るロゴデザインとなっています。
続いて印刷物についてみていきましょう。 ショップカードやレターセット、マスキングテープなどのデザインを見てみると、ロゴデザインに用いられたシンプルな黒の四角形を統一して用いていることがわかります。
例えばショップカードを見ると、四角形の中に波線や小さな四角形に直線、バツ印などを配置しており、それぞれが家具の設計図のような印象を持たせています。 マスキングテープのデザインでは、よりそのイメージが詳細になっており、アイランドキッチンのようなイラストが加わることで、よりキッチン家具のイメージを強くしています。
色は白と黒、タイポグラフィーも絞り込んでいますが、それだけに形の多様性が際立つロゴデザインとなっています。
Webデザインでは、印刷物とは違い、画像を多用し、Webサイトにアクセスしたユーザーが具体的なイメージが湧くような構成になっています。 反対に印刷物と共通するのは、それぞれが設計図のような印象を持たせるデザインになっていることです。
印刷物は四角形を基調としていましたが、Webでは曲線、特に黄金律を示す曲線を多用しており、精密な印象を持たせるデザインになっています。
ビジネスコミュニティのロゴデザイン作成例
InBound Evenings はインバウンドマーケティングについて学ぶ人たちのコミュニティです。 様々な知識を共有し、新たな顧客を紹介することを主な事業としています。
ロゴデザインを見てみると、何よりも目に付くのは赤とオレンジのグラデーションカラーで形作られた吹き出しのようなイラストです。 ロゴの背景にコミュニティの多数のメンバーの写真があることからも、活発な議論が行われており、 その様子をうまく表現しているデザインになっています。
印刷物やスマートフォン向けのロゴデザインに目を向けてみると、特にオレンジと赤のグラデーションカラーが際立ち、引き付けることに気が付かされます。 またレターセットのデザインでは、特にイラストを大きくしており、文章の内容に活発なイメージを添えています。
アイコンのデザインでもまたオレンジと赤のグラデーションがうまく用いられています。 左側のアイコンでは夕焼けと磁石のイメージでより活発で強固な印象のアイコンに、右側のアイコンでは「いいね」とIEを組み合わせることで、他では見られないような「いいね」アイコンになっています。
おしゃれなレインコートを展開する企業ロゴデザイン
Ducktail Raincoatsは、高品質で機能性を備えたモダンなスタイルの手作りレインコートを販売している企業です。 2016年リトアニアのビリニュスに設立され、「おしゃれに雨から保護する」ことをミッションとしています。
ロゴデザインでは企業名である「Duck Tail」からアヒルの一部分としっぽを簡略化した図像が用いられています。 荒波の中でもアヒルが泳ぎ進んでいくようなイメージで、レインコートの機能性や品質の良さをシンプルに、それでいてユーモラスに表現しています。
ロゴ全体に採用されている色は、パッケージに用いられている材質になじみ、またレインコートの色にもなじむように、少し青みがかった黒が採用されています。
お店の看板では逆に背景を黒、ロゴデザインを白にしており、遠目からでも目に付く色構成になっています。
カフェのロゴとビジュアルアイデンティティ構築例
Café Montmartre のロゴでは、モンマルトルという地名から連想される猫のイラストを採用しています。 パリの看板によくあるような手書き風のタイポグラフィーに、シックでそれでいて味のある猫のイラストが組み合わさることでコケティッシュな印象を持たせるデザインになっています。
ショップカードやメニューにも黒猫のイラストが採用されており、またクロワッサンや瓶といったイラストもクロッキーのようなイラストを採用することで、芸術家の町モンマルトルを彷彿とさせるようなデザインとなっています。
ユニークなのがお店の看板のデザイン。 黒猫が看板の上の木の枝に乗ってこちらを見ているような構成になっています。 モンマルトルの雰囲気を表現するだけでなく、その場の動きも表現するかのような印象的なデザインです。
まとめ
Gediminas Medžiauši氏のロゴデザインで印象的なのは、イラストをバランスよく活用し、かつ動きを感じさせるようなデザインになっている点です。 ロゴデザインというとどうしても二次元の感覚でデザインしがちですが、こうした三次元の要素も取り入れると、より印象深いロゴデザインになるのですね。
design : Gediminas Medžiaušis ( Lithuania )
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