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わかりにくいのに目を引くポスターのデザインについて

奇抜?大胆?わかりにくいのに目を引くポスターのデザイン例


わかりにくいのに目を引くポスターのデザインについて

大胆な色使いや、奇抜なデザインを目にすると、そこに新鮮さやクリエイティビティを感じるものです。一方で、たった一色を使うことで、独特な世界観を生み出すこともあります。

特に広告的要素が強いポスターデザインでは、メッセージを伝えるという目的を達成することも重要になり、デザイン性と機能性のバランス感覚が求められます。今回は、「わかりやすさ」をあえて排除することでメッセージ発信力を高めているポスターデザインを集めてみました。隠された意図を感じ取ってみてください。(※紹介するポスターデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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デザインのトップに与えられる賞ならではのユニークなポスターデザイン

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ギリシャで毎年開催されているグラフィックデザインとイラストレーションのコンテスト「Greek Graphic Design and Illustration Awards」の2017年度版ポスターデザインです。優れたデザインを賞するプラットフォームのポスターだけあり、その芸術性は一目瞭然です。

その一方で、ポスター下部に小さく書かれた賞の名称以外で情報らしい情報は発信されていません。「どのような賞なのか」ということを文字情報や説明的なビジュアルを使うのではなく、構成・リズム・バランス・コントラスト・強調が技巧的に駆使することで、研ぎ澄まされたデザインを実現しています。この賞は、ギリシャ人デザイナーに限られたもので、ギリシャから世界へ秀逸なデザインを発信しようという目的があります。

主催しているOnassis Foundationは、ギリシャ・アテネを拠点に、現代文化と美意識・科学を融合させる場を提供する団体として活動しています。古代遺跡が現代も街の中心で共存できているアテネを首都とするギリシャだからこそ、古典的な空気の中に斬新さを持ち合わせられるのかもしれません。ギリシャのデザインは光り輝いている、というメッセージを白と黒の美しいコントラストで見事に表現した美しいポスターです。

 

泡の向こうに見え隠れするジャズの祭典のポスターデザイン

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オランダのロッテルダムで毎年開催されているジャズフェスティバル「the Festival North Sea Jazz」の2016年度版のポスターです。泡のようなビジュアルが印象的で、黒が基調となったスタイリッシュな構成になっています。フェスティバルに関する基本情報の一部が泡のビジュアルで隠れてしまうなど、決して「わかりやすさ」を優先したデザインとはいえません。

この「見えそうで見えない」「わかりそうでわからない」という揺らぎに似た感覚そのものが、ジャズらしさをクリアに表現できているともいえます。ポスターの重要な目的のひとつに「メッセージを明確に発信する」ということが挙げられます。このジャズフェスティバルの空気感を明確に伝えるという点においては、このビジュアル以上にわかりやすいものはないのかもしれません。

ロッテルダム最大のイベントスペース「Rotterdam Ahoy」で2006年以降開催されており、1万6500人を収容するアリーナに国内外のジャズ愛好家が集まるイベント。音楽で彩られるフェスティバルをあえて、白と黒のシンプルなコントラストで見せることで、逆に躍動感を期待させるデザイン力の高いポスターです。

 

チラ見せ効果が見事に発揮されているポップフェスティバル参加バンドのポスターデザイン

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イギリス中部にあるダービーシャーで毎年7月に開催されている音楽フェスティバル「Indietracks」に参加したインディバンド「The Hidden Cameras」のポスターです。ポップバンドということで、キャッチーさとポップさをイラストのタッチと色使いで表現しています。そして、公演情報がチラッと見えるだけ、というような構図は大胆で遊び心に溢れています。

このフェスティバル自体も非常にユニークで、ポップミュージックと蒸気機関車を組み合わせた夏フェスティバルです。実際に蒸気機関車に乗ることもでき、屋内外を合わせて50近い会場でポップバンドなど多くのミュージシャンのライブが開催されます。そういう場所だからこそ、バンドの名前にもある「Hidden(隠された)」存在感を効果的にアピールすることが、ポスターとしての存在感を増すことにつながります。手書き風のフォントを含め、デザイン全体のまとまりは秀逸で、ポップアート作品のようです。

「何のポスターだろう?」と思わず立ち止まらせる発言力をもつ、ポップながらもパワフルなデザインです。

 

「見える」を追求しているフィルムフェスティバルのポスターデザイン

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イタリアで毎年開催されている映画脚本の最高峰を選出するフィルムフェスティバル「Premio Sergio Amidei」の2016年度版のポスターです。黒地に白い丸という至ってシンプルな構成ですが、シャープの度合いを変えて段階的に並べることで、その裏に潜む意味を読み取ろうとさせる効果が見込めます。

ぼやけた白い丸を背景にして、同系統の白字でフェスティバルの情報を載せるというのは、一見すると「読みにくさ」につながるものですが、実際はこのポスターデザインに統一感を与えています。映画という映像作品においても、全てを「見せる」ことが観客にメッセージを届けることとイコールにはなりません。

フィルムフェスティバルのポスターだからこそ、「見え方」をシンプルにダイレクトにテーマにしたデザインを生み出したのかもしれません。シンプルになればなるほど、見るものに考える余白を与え、想像力を駆り立てるということを証明している美しいポスターデザインです。

 

よく見ると情報が詰まっているポスターデザイン

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「n」と「e」だけを配置し、男性の顔をバックの黒に溶け込ませただけの、情報量が非常に少ないポスターです。あまりに黒く塗りつぶされているため、謎の暗号のようにも。その意味を知りたくて近づくと、なんと背景にはビッシリと敷き詰められた文字が!黒く見えていた背景をうっすらと透けさせて、背景の文字が少しだけ読み取れるようにしています。チラシやパンフレットでは読み取りにくく、文字は潰されてしまうことも。大きな印刷物であるポスターの特性を活かした、実験的なデザインです。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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