昨今、日本でも様々な芸術祭や芸術的取り組みが行われる様になってきました。それと同時に「芸術とは何か」と言う議論も活発になってきたと思います。それ自体は非常に素晴らしいことだと思うのですが、こう言った取り組みや対話が一時的なものでなく日常レベルにまでやってくることを切に願います。
芸術といっても、映画やダンス、写真、絵画、演劇、音楽など様々ですよね。フランス第2の都市「リヨン」では町の至る所に巨大な壁画や落書きが描かれていますが、これらを芸術として街でも大体的に宣伝しています。きっと日本で同じ様なことをしたとしても中々受け入れられない光景です。芸術とは地域や時代、個人的な感覚によって大きく左右される様な気がします。ですから、常に私たちは議論と対話をし続けなければならないのではないでしょうか。
と言うことで今回はアートに関連した映像作品を集めてみました。芸術を作る人たちを映像に収めることでアートの違った側面が垣間見えるのではないでしょうか。(※紹介する動画は当サイトの制作事例ではありません)
デジタルの先にある未来を予見するフェスティバルタイトル映像制作例
OFFF Barcerola 2011 Title
スペイン・バルセロナで2001年以降毎年開催されているポスト・デジタルクリエイション文化のフェスティバル「OFFF」の2011年版タイトル映像です。グラフィックデザインをはじめとした、あらゆるクリエイターによりトークイベントやワークショップなどが開催されるフェスティバルです。
「ポストデジタル」つまり「デジタルの先」にあるデザインに関する最先端の情報が集結するだけあり、そのタイトル映像のクオリティも圧倒的です。「文明の先にあるのは破壊だけではないのか」という危険性を、最もダークに描きたかったというクリエイターの意匠は、これ以上はないほどの完成度で表現できています。全体としてSF映画を観ているような感覚になりますが、フェスティバルのタイトル映像としての機能もしっかり果たしており、途中途中にイベントやワークショップに登壇するアーティストのラインナップが登場しているというところに驚いてしまいます。暗黒の破壊されてしまった廃墟のような未来に向かう道だとしても、その過程をリアルにビビッドに「表現」しようというアートのエネルギーが沸々と湧き上がっているような映像です。
変わらない芸術の裏にある世界を体感できる映像作品制作例
The Art of Making Art
https://vimeo.com/161648310
アメリカ・オレゴン州ポートランドを拠点とする「Oregon Ballet Theatre(オレゴン・バレエ・シアター)」が制作した映像作品「The Art of Making Art」です。観客が客席につき、幕が上がる前までの「アートの創造過程」そのものをアートとして描いています。劇場に明かりがつき、演者が劇場入りし、徐々に準備が進んでいく過程は、普段一般人の目に触れることがない部分であり、瞬間芸術と称される舞台作品ならではの徹底した準備の積み重ねを目の当たりにすることができます。
3時間程度の本番公演のために、欠かすことなく行われるルーティンとして基礎となる体作りやウォームアップこそが、古典芸能のひとつであるバレエが今も変わらずそのスタイルを伝承できている理由そのものではないでしょうか。トゥシューズを履くだけでこんな手間がかかっていることを実際にみるだけでも、バレエそのものの印象を変えるかもしれません。やり直しがきかない、ライブアートと呼ばれる舞台芸術の独特の芸術性と華やかな世界の裏にある鍛錬を、臨場感あふれる映像で見事に伝えています。ラストで舞台上の演者越しの観客席が映るシーンは普段見られる光景ではありません。私たちが見ることが出来ない光景を届けられるのもの動画の魅力の1つですね。
クリエイターの存在を感じるフィルムフェスティバルのコマーシャル動画制作例
Regard Short Film Festival 2013 – TVC
カナダ最大のショートフィルムフェスティバル「REGARD Short Film Festival」の2013年度版テレビコマーシャルです。クリエイターの存在を黒塗りに、ショートフィルム に出演する役者をカラーにすることで、フィルムメイカーの存在を称える場としてのフェスティバルであることを、ショートフィルムフェスティバルらしく短い時間で見事に伝えています。
映画製作には、多くの人が関わっており、スクリーンには映らない「存在」なしには完成できないものだということが、まるでポップなイラストを観ているような世界観のなかで表現されています。ストップモーションやクレイアニメを思わせるような2次元感が、どこかレトロな色味を加えており、30秒とは思えない濃さになっています。
できないことなど存在しないと証明するアーティストの映像作品制作例
I AM
イギリスの子供や若年層の障害者支援機関「Orpheus Centre(オルフェウスセンター)」が製作した「I AM」というキャンペーン映像です。ダンサー・シンガー・ラジオDJ・アクターそれぞれが映し出され、そしてそのそれぞれが障害者であることが紹介されます。そして最後に「I AM ABLE」とあり、これは英語で障害者を「DISABLED」つまり「できない」という言葉で表現しているところからきています。「できない(Disable)」ではなく「できる(Able)」という言葉を体現するアーティストたちの誇らしげな表情に心打たれます。
実際、「Disabled」という表現が否定的で制限的であるということから、「Gifted(才能がある)」という表現を使う機関や団体も増えつつあります。生まれながらであれ、後天的な要因で何か困難なことやできないことがある人にも、当然ながらあらゆる可能性があり、アートの世界で突出した才能を発揮する人もいます。その人のひとつの個性として受け入れられ、何の制限もなく未知の可能性に挑戦する機会が与えられるべきだということが、映像と音楽、そして文字全ての要素の完璧な融合の中で表現されている作品です。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。
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