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大胆な文字の配置で目を引くブックカバーデザインについて

大胆な文字の配置で目を引くブックカバーデザイン作成例


大胆な文字の配置で目を引くブックカバーデザインについて

街の本屋さんが消えていく、なんてニュースを目にするようになって十数年。確かに昔、学校帰りに道草した地元の小さな本屋さんは姿を変えてしまったかもしれません。多くの読み物が紙からデジタルに変わった現代では、隙間時間に訪れた本屋さんで表紙に惹かれて思わず本を買ってしまったなんてことも減ってしまいました。しかし、やはり多くの人は紙の手触りや本屋さんの独特の雰囲気に愛着と親しみを持っていることは間違いありません。ヨーロッパの本屋さんにいくと本当に様々なデザインの本が並んでいて表紙を眺めているだけでも楽しくなるんです。そこで今回は海外のハイセンスなブックカバーデザインを集めてみました。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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文学の歴史を通して今を考えるブックカバーデザイン

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文学に興味のある方ならTSエリオットやウォルターベンジャミンの名前はご存知方も多いと思います。「Impossible Modernism」はボストン大学の助教授、Robert S. Lehmanによって彼らの残した書籍や文献と共に文学や詩学などの歴史的な面を掘り下げた書籍です。その表紙デザインですが、全面に配置されたModernismの文字を大胆に切り抜き、その文字を背面にバラけるようにデザインしてます。浮いたような灰色の面が「現代」だとすると、その背後に覗くのがこれまで先人が歩んできた「歴史」のようにも見えます。彼らが残してきた様々な知と彼らの歩みこそが現代を考える礎となっていることをうまく表現しているのではないでしょうか。

 

業界のカリスマが提唱する未来への提言を書いたブックカバーデザイン

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「Trust Me、PR is Dead」は世界最大のPR会社「Edelman」のCEOだったRobert Phillipsによって書かれた、これまで彼が携わって来たPR業界の実情と今後の公共的リーダシップの新しい形を提唱した本です。非常にキャッチーなタイトルです。その業界にいたカリスマ的リーダーが「この業界は終わりだ」と言ってるようなものですから。しかし、その刺激的なタイトルを真っ赤なペンキで塗りつぶしています。これにはどう言った意味があるのでしょうか。取り消し線のように文章を否定しているのか、重要な箇所を蛍光ペンでなぞるように、目立たせようとしているのか。当然ですが、ブックデザインで重要なことは本の内容を示唆しながらも答えを明かしてはいけないことです。非常に大胆でシンプルなデザインながら、内容が非常に気になるデザインに仕上がっています。

 

現代の中国を辛辣に描いた本のブックカバー制作例

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「The Dog」はJack Livingsによってか書かれた現代の中国の文化や社会、共産主義などに対して書かれた小説です。もし本屋さんでこの表紙を見かけたらデザイン関係の本か可愛い犬のイラスト集なのではないかと思ってしまうほどポップで可愛らしいブックデザインです。全面に大きく引き伸ばされたDOGの文字。背表紙にも大胆な青を配色し飾っているだけでも絵になりそうなデザインです。しかしその内容はというとどうやら何も考えずに気楽に読めるようなものではなさそうです。内容と相反するデザインで読者を裏切るというのもブックデザインの魅力の一つではないでしょうか。左下にスタンプのように押された「狗」の文字がなんとも可愛いです。

 

世界的に有名な短編集を現代的にデザインしたブックカバーデザイン

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「TALES OF THE JAZZ AGE」はF.Scott Fitzgeraldによって書かれた11編の短編小説のコレクションです。短編好きの方なら彼の名前を聞けばすぐにタイトルを思い出すではないでしょうか。もしこのタイトルを知らなくても「ベンジャミンバトンの奇妙な事件」と言われればご存知の方もいるかもしれません。ブラットピット主演で映画にもなりましたよね。真っ白な表紙にタイトルと著者名だけが書かれた非常にシンプルなデザインです。

しかしそのフォントが独特で、一瞬ノッキングを起こしてしまう人もいるかもしれません。しかしそれこそがこのデザインのポイントだと思います。すでに出版され知名度のある本のリデザインなどでは著者やタイトルのイメージが強いので新たに過剰なデザインは必要ありません。慣れ親しんだアニメの声優さんが変わると一瞬戸惑いますもんね。この本ではタイトルと著者名に絞りながらも複雑に紡がれた短編集と言ったイメージをフォントで見事に表現していると思います。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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