大胆な余白を生かしたハイセンスな雑誌の表紙デザイン作成例

スマホの普及もあって、昔ほど雑誌を手に取る機会が少なくなってきたと思いませんか？買ったとしても雑誌についている豪華な付録の方ばかり目がいってしまい、肝心の中身が注目されることは少なくなってしまっている様な気がします。しかし、海外ではまだまだ雑誌の人気は高く、電車や街中でも様々な雑誌を手にした人を目にします。そこでやはり目が行くのは表紙です。センスのいい表紙を見ると思わず自分も読みたくなってしまうものです。そこで今回は海外やWEB上で見かける様々な雑誌の表紙を取り上げてみたいと思います。雑誌に限らずポスターやチラシのデザインや構成などにも役立つと思いますので、自分の好きな雑誌デザインを集めるのもいいかもしれません。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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全世界で読まれるWEBマガジンのハイセンスな表紙デザイン作成例

本の表紙デザインを見る (via Pinterest)

「CAPITAL」はissuu.comで発行されているニュージーランドのデジタルwebマガジンです。Issuu.comは日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパや英語圏では最もメジャーなデジタルマガジンプラットフォームで、ありとあらゆるジャンルの高品質なデザインの雑誌を読むことができます。

このCAPITALもニュージーランドのカルチャーやファッション、フードなど内容は多岐にわたるのですが、表紙のデザインが毎号とても素晴らしい雑誌の一つです。大きく書かれたタイトルの下に規則正しく並べられ見やすく配置されたクレジット。これだけですでに高いセンスを感じます。そして下にインパクトのある写真を配置しています。タイトル部分の余白を大きく取っている分、写真の被写体では毎号アクセントになる色味の強い写真を使うことで読者の興味を引くことに成功しています。文字をただ並べるのではなく、枠を作り配置する。これはすぐに使いたい技ですね。

余白を窓枠に見立てた建築を扱った雑誌のデザイン作成例

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「CUBE」は建築とライフスタイルに特化したマガジンです。Cubeとは立方体とか体積を表す英語ですが、その名の通り写真を縦長に配置しまるで表紙の中に建つ建築物の様に見せています。下部に大きく配置されたCUBEのタイトルが写真のしっかりとした土台にもなっていると思います。また四方に大きく取られた余白が額縁の様でもあり、窓から外を眺めた様な効果が生まれているのです。まるで自分の家の向かいにお洒落な建物が建ったかの様です。その額縁には文字の角度を変えてクレジットと雑誌の中身の説明が添えられる形になっており、写真と全体のビジュアルを邪魔せずに文字情報をうまく配置していると思います。

エンボス加工と写真と合わせた技ありの表紙デザイン

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「HERE」は一言で言うと旅行雑誌です。ですが、観光地を紹介したり、旅先で食べた美味しいお店を紹介する様なものではありません。「AWAY」と言うスーツケースをご存知でしょうか？いまアメリカを中心に全世界で爆発的にヒットしているスーツケースのメーカーです。2015年に創業したこの会社は瞬く間に業界に名を広めました。それだけでなく旅というものをこれまでと全く違った視点で捉え、旅行に関する問題を解決する総合商社を目指しています。そんなAWAYが出版しているのがこの旅の雑誌「HERE」です。

彼らが実際に旅をし、生の言葉と写真で発信する旅行ストーリーテリングは、プロダクト販促メディアの枠を超え、多くの読者の心を掴んでいます。それもそのはず、表紙のデザインだけで一目瞭然です。なんてことのない海辺の写真ではありますが、その上から大胆にエンボス加工を施しています。また、黄色いタイトルと写真のバスが最高にマッチしてますね。クリエイターのセンスと共に、この雑誌に対しての姿勢が表紙に現れています。

大胆な写真の使い方と余白のバランスが絶妙な雑誌デザイン

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イタリアを拠点とするデザインスタジオStudio Mutが設計した建築やデザインについて書かれた雑誌「Turris Babel」のブックデザインです。Turris Babelとはバベルの塔のことで旧約聖書、創世記に登場する巨大な塔の名前です。毎号センスの良い写真とフォントレイアウトで建築関係者だけでなく、アート感覚に優れた読者をも唸らせる素晴らしい雑誌です。ガムを膨らませている女性の大胆なカットを使用した表紙写真が、まるでモダン建築の鳥瞰図の様にも見えます。上部のタイトル部分の余白に対してフォントの配置がうまいです。他の号ではレイアウトは崩さずにこの余白を大胆にアレンジしているものもあります。雑誌の表紙は単発のデザインではなく毎号変化をもたせながらも、一目で同じ雑誌だということをわからせなくてはいけません。デザイナーにとっても難しい作業ですが、同時に腕の見せ所でもあるのです。