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交流

フリーランスや個人事業主として働いていると、「商工会議所」という言葉を耳にする機会があるかもしれません。正直、どんなイメージを持っていますか?

「なんだか堅苦しそう」「よく知らないけど、地元の名士が集まる場所?」「自分にはあまり関係ないかな…」

僕も数年前までは、そう思っていました。デザイナーという仕事柄、地域の経営者団体よりは、クリエイターのコミュニティやSNSでの繋がりの方が身近でしたから。

ですが、あるきっかけで大阪商工会議所に入会してみて、その印象は大きく変わりました。結論から言うと、「もっと早く入っておけばよかった」と感じています。

今回は、フリーランスのデザイナーである僕が、なぜ商工会議所に入会し、年会費1万円台(個人事業主の場合)でどのような価値を感じているのか、リアルな体験をお話ししようと思います。

 

なぜデザイナーが商工会議所に?「同業者」以外の人に触れてみたかった

僕が商工会議所への入会を考え始めたきっかけは、人との繋がりに関するちょっとした悩みでした。

デザイナーの仕事は、ありがたいことにオンラインで完結することも多く、同業者との繋がりはSNSやイベントを通じて自然に増えていきます。それはとても刺激的で、情報交換の場として貴重です。

ただ、ふと気づいたのです。「自分の住んでいる地域や、まったく違う業界の人と話す機会って、すごく少ないんじゃないか?」と。

デザインの仕事は、社会の課題や、さまざまなビジネスの課題を解決することです。それなのに、自分の周りが同業者ばかりになると、どうしても視点が内向きになりがちです。

「地域の別業種の経営者が、今どんなことに困っているのか」 「世の中は、デザイン以外でどんなふうに動いているのか」

そうしたリアルな感覚が掴みにくくなっていることに、少し危機感を覚えました。そんな時、「地域の事業者が集まる場所」として商工会議所が思い浮かんだのです。

 

「ギターが弾ける経営者限定」…? 商工会議所の意外な素顔

交流会

入会前は「とは言っても、堅苦しい名刺交換会や、難しいセミナーばかりなんだろうな〜」と、少し身構えていました。もちろん、そうした真面目な勉強会やビジネスマッチングの場もたくさん用意されています。

でも、僕が特に面白いと感じたのは、もっと「ゆるい」繋がりの場でした。

これは僕が入っている大阪商工会議所がユニークなのかもしれませんが、「ギターが弾ける経営者限定の集い」といった、趣味を軸にした交流会が開催されていたりします。

最初は「仕事と関係ないやん」と笑ってしまいそうになりました。でも、よく考えると、これこそが「繋がり」の本質かもしれません。

仕事の肩書(デザイナー、社長、店長…)を一旦横に置いて、趣味という共通項で話してみる。そうすると、利害関係のないフラットな関係が築きやすい。また、「(一代目・二代目・三代目の)若手経営者の会」といった、同じ境遇の人たちが集まる場もありました。

実際にそういった場に顔を出してみると、大きな発見がありました。それは、「他業種の経営者も、僕と同じように新しい繋がりを求めている」という事実です。

「デザイナーさん? うちの会社のパンフレット、今度見てよ」といった直接的な仕事の話になることもあれば、まったく関係のない世間話から、自分のビジネスのヒントをもらうこともあります。

こうした「仕事半分、趣味半分」のような多様な接点を持てるのは、同業者のコミュニティだけでは得難い、商工会議所の大きな魅力だと感じています。

 

「面倒」の先にある「お墨付き」。融資サポートの本当の価値

打合せをする若いビジネスマン

さて、人脈の話ばかりしましたが、フリーランスや個人事業主にとって、何より重要になるのが「お金」の話、特に「融資」です。商工会議所は、融資のサポートも非常に頼りになります。

特に有名なのが「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」という制度です。これは、商工会議所の推薦(経営指導)を受けることで、日本政策金融公庫から無担保・無保証人で融資を受けられる可能性があるというもの。

ただ、ここで一つ注意点があります。この融資、申し込んで「はい、どうぞ」とすぐに借りられるわけではありません。融資を受ける前に、商工会議所の担当者による「経営指導」を一定期間受ける必要があります。

「え、面倒くさい…」

そう感じる気持ちは、よくわかります。僕も最初は少しそう思いました。ですが、この「一見面倒なプロセス」にこそ、商工会議所を活用する最大の価値があると実感しています。

1. 事業計画書をブラッシュアップできる

融資を申し込むには、事業計画書の作成が必要です。「自分の事業が今後どうなるか」「この資金をどう使って、どうリターンを生むか」を論理的に説明しなくてはなりません。

僕たちデザイナーは、ビジュアルを作るのは得意ですが、こうした数字や計画書に苦手意識がある人も少なくないかもしれません。

商工会議所の担当者は、まさにその道のプロです。「この計画だと、ちょっと甘いですね」「こういうリスクも想定した方がいいですよ」と、客観的で厳しい、しかし的確なアドバイスをもらえます。

これは、融資のためだけでなく、自分自身の事業を客観的に見つめ直し、足元を固める絶好の機会になります。

2. 「商工会議所のお墨付き」という信用

そして、経営指導を受け、事業計画をしっかり練り上げた末に推薦がもらえると、それは金融機関に対して「この事業者は、商工会議所がちゃんと見ていますよ」という、強力な「お墨付き」になります。

フリーランスは、その身軽さが魅力である一方、社会的な信用が(企業に比べて)低いと見られがちです。その信用を、「地域の公的な団体」が補強してくれる。

結果として、融資の審査自体がスムーズに進むことが多いようです。ただお金を借りるだけでなく、事業の「信用」と「健康診断」も同時に手に入れられる。これが商工会議所の融資サポートの本質です。

 

年会費の元は確実に取れる?デザイナーも「地域の一員」として

ここまで、僕が実際に感じているメリットをお話ししてきました。

「でも、結局、年会費がかかるんでしょう?」

はい、かかります。僕の場合(大阪商工会議所・個人会員)は、年会費15,000円です。(※会費は地域や規模によって異なります)

月額にすれば1,250円。これを高いと見るか、安いと見るか。

僕は「確実に元が取れる」と感じています。

仮に融資がスムーズに通れば、その価値は年会費どころではありません。年に数回、何らかのイベントに参加して、他業種の経営者と有意義な話ができたなら、それだけでも十分価値があります。

それに、僕自身はまだ利用したことがありませんが、調べてみると、

  • 一部のビジネスホテルやラグジュアリーホテルを優待価格で利用できる
  • 健康診断や人間ドックを会員優待価格で受けられる

といった、地味に嬉しい福利厚生的なサービスも充実しています。こうした「いざという時に使える選択肢」が手に入るだけでも、安心感が違います。(もっと賢くサービスや優待を利用している人もいるんだろうな…)

 

まとめ

フリーランスのデザイナーは、良くも悪くも「個人」で完結できてしまう仕事です。だからこそ、意識的に外の世界と繋がらなければ、視野は狭くなる一方です。

商工会議所は、僕にとって「地域社会への窓口」のような場所です。そこには、デザインとはまったく違う論理で動き、違う課題に日々奮闘している「地域」の仲間たちがいます。

もし、あなたがフリーランスや個人事業主として活動していて、「同業者以外の、リアルな繋がりが欲しい」 「事業の足腰を強くしたい、信用を補強したい」 と感じているなら、地元の商工会議所のドアを叩いてみるのは、とても良い選択肢だと思います。

最初は少し勇気がいるかもしれませんが、うまく活用すれば年会費以上の「価値」が見つかるはずです。

 

商工会議所、個人なら年会費1万円台くらいで入れるし、会員のメリットも悪くないと感じています。年に1〜2回くらいは面白そうだな…と感じるイベントがありますし、融資面でのサポートも頼もしい。銀行や条件にもよりますが、利息が下がったりします。

X (Twitter) – Nov 11, 2023

この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。

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トミナガハルキ

グラフィックデザイナー/AMIX 代表。独学でデザインを学び、パッケージメーカー→美容系ベンチャー→家庭用品メーカーでのデザイン・広報運営を経て独立。現在は小さな事務所を拠点にASOBOAD等のサービスを運営し、ロゴ・パッケージ・広告物を中心に制作しています。著書『#ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン』は各カテゴリでベストセラーを獲得。2020年Adobe Creative Residency選出。ブログでは、10年以上の実務から学んだことや働き方のヒントを等身大の視点で発信しています。