
「下手」から始めよう!最初の一歩が、未来の「うまい」を創り出す
新しいことを始めようとするとき、誰だって「最初からうまくやりたい」と思いますよね。僕もそうです。でも、その気持ちが強すぎると、なんだか足がすくんでしまって、結局何も始められない…なんてこと、ありませんか?
周りを見渡せば、いとも簡単に、そして華麗に物事をこなしているように見える人がいます。SNSを開けば、キラキラした成功談や、素晴らしい作品が溢れている。そんなとき、ふと自分の「これから」と比べてしまって、「自分には無理かも…」なんて、自信をなくしてしまうこともあります。
でも、ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか?
「うまくやらなきゃ」が、動き出せない一番の理由
新しいスキルを身につけたい。ずっと興味があった分野に挑戦してみたい。そんなポジティブな気持ちがあるのに、なぜか一歩が踏み出せない。その原因の一つは、きっと「最初からうまくやらなければいけない」というプレッシャーです。
- 他人との比較:どうしても、自分より先に進んでいる人や、才能に溢れているように見える人と比べてしまいます。そして、「あの人みたいにはなれない」と、やる前から諦めモードに入ってしまう。
- 失敗への恐れ:「下手なものを見せたら笑われるんじゃないか」「失敗したら恥ずかしい」という気持ちが、行動にブレーキをかけてしまいます。
- 完璧主義の罠:最初に思い描いた完璧なイメージ通りにできないと、途端にやる気がなくなってしまう。最初から100点満点を目指そうとして、0点のまま何も生み出せない…なんてことも。
僕も昔は、まさにこの状態でした。頭の中で理想ばかりが膨らんで、でも実際には何も手が動かない。そんなもどかしい時期が長くありました。
大切なのは「下手でもいいから、まずやってみる」こと
じゃあ、どうすればその状況から抜け出せるのでしょう? 答えは意外とシンプルかもしれません。それは、「下手でもいいから、とにかくやってみる」ことです。
「え、そんな簡単なことで?」と思うかもしれません。でも、これが本当に大切なんです。
- 行動することでしか得られない「経験値」:どれだけ本を読んでも、どれだけ動画を見ても、実際に自分でやってみないことには、本当の意味での理解やスキルは身につきません。最初はぎこちなくても、失敗してもいい。その一つ一つの経験が、確実に自分の力になっていきます。
- 「やり遂げた」という小さな成功体験:完成度はさておき、何かを最後まで「やり遂げた」という経験は、想像以上に大きな自信に繋がります。「自分にもできた!」という感覚は、次のステップへ進むためのガソリンになってくれます。
- 「楽しむ」ことが継続の鍵:「うまくやらなきゃ」と肩肘張っているうちは、なかなか楽しめません。でも、下手でもいいからと開き直って、試行錯誤するプロセスそのものを楽しんでみる。そうすると、自然と続けることができるし、結果的に上達も早くなることが多いです。
- フィードバックが成長を加速させる:実際に何かを作ったり、行動したりすることで、他人からのフィードバックを得る機会が生まれます。たとえ厳しい意見だったとしても、それは自分を客観的に見つめ直し、改善していくための貴重なヒントになります。
考えてみてください。自転車に初めて乗ったとき、最初からスイスイ乗りこなせた人なんて、ほとんどいないはずです。何度も転んで、膝を擦りむいて、それでも諦めずに練習したからこそ、乗れるようになったのではないでしょうか。
僕も「下手」から始まった
僕自身も、今でこそデザインの仕事に関わっていますが、最初から全てがうまくいったわけでは全くありません。
例えば、初めてデザインソフトに触った日のこと。何が何だかさっぱり分からず、ただ線一本を引くだけでも一苦労でした。お手本になるような素敵なデザインを見ては、「自分にはこんなの絶対に作れない…」と落ち込むこともしょっちゅう。正直、自分のセンスのなさに嫌気がさして、何度も諦めそうになりました。
でも、そのときに僕を支えてくれたのは、「下手でもいいから、とにかく何か形にしてみよう」という気持ちでした。機能を一つ一つ試しながら、見よう見まねで簡単なものを作ってみる。出来上がったものは、今見返すと笑ってしまうくらい拙いものですが、それでも「自分で何かを作れた!」という喜びは大きかったです。
そして、少しずつでも「できること」が増えていくのが、純粋に楽しかった。その「楽しい」という気持ちが、僕を前に進ませてくれたんだと思います。あのとき、「うまくやらなきゃ」という気持ちに縛られていたら、きっと今の僕はなかったでしょう。
「やる」ための、ほんの小さなコツ
「そうは言っても、やっぱり最初の一歩が重いんだよなぁ…」と感じる人もいるかもしれません。そんなときは、こんなことを試してみてはいかがでしょうか。
- 目標は、うんと小さく:「いきなり傑作を作る!」ではなく、「今日はとりあえずソフトを立ち上げて、10分だけ触ってみる」くらいでOK。ハードルを下げて、とにかく「始める」ことを優先しましょう。
- 完璧を目指さない勇気:最初から100点を目指す必要はありません。60点でも、いや、30点でもいい。まずは完成させることを目標にしてみましょう。
- 他人と比べるのは、昨日の自分だけ:他の誰かと比べるのではなく、「昨日の自分より少しでも前に進めたか?」を基準にしましょう。自分のペースで成長していくことが大切です。
- プロセスそのものを味わう: 結果だけでなく、取り組んでいる過程そのものを楽しむ意識を持つと、気持ちが楽になります。新しい発見や、試行錯誤する面白さを見つけてみましょう。
すべては「下手」な一歩から
どんなに素晴らしいスキルを持っている人も、どんなに大きな成功を収めている人も、必ず「最初の一歩」がありました。そして、その多くは、決して最初から完璧だったわけではないはずです。
「うまくやらなきゃ」という気持ちは、向上心がある証拠でもあります。でも、それが行動を妨げる壁になってしまうのは、とてももったいない。
だから、もし今、何か新しいことを始めたいけれど躊躇しているなら、ぜひ「下手でもいいから、まずやってみる」という言葉を思い出してください。そして、小さな一歩を踏み出してみてください。
楽しめたら、それはもう最高です。
いきなり他人と比較して「うまくやろう」とすると、下手さに嫌気がさしたり、二の足を踏んでやらなくなる。下手でもいいから「やる」。楽しめたら更に良い。うまくなるにはそれしかない。僕はここから始まりました。
X (Twitter) – Jan 4, 2021