ペットといえば犬と猫が主流でしたが、最近ではフクロウやカワウソといった動物園でしか見かけないような動物を家族の一員として生活する人も少なくありません。その中でも、綺麗好きとして有名なブタも密かな人気を博しているとか。ブタが与えるポジティブな印象は、当然ながらデザイン界でも活用されています。今回は、アルコールラベルで存在感を発揮するブタさんたちを集めてみました。リアルなタッチから、ファニーなタッチまで、多彩な表情を堪能してください。(※紹介するパッケージデザインは当サイトの制作事例ではありません)
火がついたブタさんの恩恵から生まれるバーボンのボトルデザイン
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カナダで製造・販売されていたバーボン「PIG ON FIRE」のボトルデザインです。その名の通り、ボトルに描かれているのは、背中に火がついたブタ。このバーボンが、りんごの木で燻製されたベーコンのエキスが入っているということを視覚化したといえばそれまでですが、ストレートすぎるところを、このライトなタッチのイラストがクスッと笑うトーンにまとめているところが巧妙です。
ちなみに、バーボンは、フランスの「ブルボン朝」に由来していて、アメリカ独立戦争の際にフランスがアメリカ側に味方したことから、のちの大統領トーマス・ジェファーソンがケンタッキー州にあるひとつの郡を「バーボン郡」と名付け、その地で生産されるウィスキーを「バーボン・ウィスキー」と呼ぶようになったという歴史があります。トウモロコシや麦からできるバーボンにベーコン風味というのは、イメージがつきにくい味ですが、香ばしさが豊かになるのかもしれません。ブタには少し気の毒になりますが、だからこそ美味しくいただきたいそんなバーボンのボトルデザインです。
アブダクションされるブタさんが妙にリアルなビールのラベルデザイン
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ポーランドにある醸造所で製造・販売されているビール。その名も「ROSWELL」のラベルデザインです。ブタがUFOにアブダクションされそうになっている様子がアメコミタッチのイラストで描かれています。他のシリーズも、宇宙や近未来と動物が描かれていますが、これはラベルのデザイナーの「人間と自然が存在しない世界」をテーマにしたいという意匠からくるものです。長い歴史をもつ伝統的な醸造方法を守ってきた醸造所が、初めてクラフトビールに参入するということで、採用されたブランディングがこの近未来的デザイン。
かなりの飛躍を感じますが、現代のクラフトビールの波は、伝統ある醸造所からすると宇宙人のなせる技なのかもしれません。「新しさ」の表現方法として、ビールの醸造に不可欠な人間と自然を排除するという発想は斬新で、どんなビールなんだろうという関心を持たせます。アニメっぽくないリアルなブタの表情に何か隠されたメッセージがあるのかもしれない…と考え込んでしまいます。引きつけるパワーがUFO並みの斬新なラベルデザインです。
「良いブタ」という名のウィスキーのラベルデザイン
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オーストラリアで製造・販売されているウィスキー「FINE SWINE」のラベルデザインです。銘柄にもなっている「Fine swine」は日本語にすると、「良いブタ」。ウィスキーなのに、名前はブタというユニークな銘柄です。その由来は、蒸留所のオーナーがもともと家業が養豚で、その手伝いをずっとしていたことにあるそうです。また、養豚で求められる細やかなケアは、ウィスキーの蒸留にも通ずるということも、この銘柄が誕生する根源にあるとオーナーが語っています。それこそ、養豚場のロゴにそのまま使えそうなリアルで写実的なタッチで描かれたブタは、どこかスタイリッシュにもみえます。
このデザインを担当したのは南アフリカを拠点とするデザイン事務所ということで、アメリカの製法を守ってオーストラリアで蒸留されたウィスキーのラベルデザインを南アフリカで完成させるという地球規模のプロジェクトです。手作業のこだわりがデザインにもしっかり徹底されている、高級感の漂うラベルデザインです。
ファニーなブタさんが主役のこだわりの地ビールのラベルデザイン制作例
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アメリカのアラバマ州にあるビール醸造所「Black Forty Beer」のビール「NAKED PIG」のラベルデザインです。すでに人気製品だった「NAKED PIG」の新しいパッケージデザインとして採用されたのがこのラベル。リノカット技法のスタイルで書かれたブタは、不思議な可愛らしさのあるキャラクターに仕上がっています。あえてイラストではなく文字として「NAKED PIG」を視覚的に際立たせて、そのアクセントとして独特のタッチのイラストをおくというところに、時間をかけてラベルデザインをした形跡を感じてしまいます。
またラベルの下部に「アラバマのガズデンでプライドを持って醸造した」と土地についてあえて触れているのは、この醸造所が農作物を育てるのが最も難しいと言われていた「Back 40 Acres(後ろの40エーカー)」と呼ばれる土地にあるという歴史的背景、そしてこの地でビール醸造を続けてきたという誇りを表現しているのかもしれません。ポップなネーミングのビールがアラバマという土地を支えているというプライドを投影しているラベルデザインです。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。
ラベル・パッケージデザイン料金と作例
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