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モノトーンが洗練された世界観のパッケージデザインについて

モノトーンが洗練された世界観をイメージ付けている飲食品のパッケージデザイン作成例


モノトーンが洗練された世界観のパッケージデザインについて

私たちの行動は色の影響を受けやすい、ということで、色彩心理学の知識はあらゆるもののデザインに組み込まれています。飲食店に赤が多用されているのも、赤という色彩が食欲を刺激するからだとか。ブランディングの観点でも、どのような色をポイントにおくかは、デザイナーの手腕の見せ所ともいえます。ヨーロッパでは独特な色使いが街全体を彩っており、そういった文化が日本ではあまり見かけない配色のパッケージデザインを生み出しているのかもしれません。

そんな中、今回は色彩を巧みに活用する海外のプロダクトデザイン界で、あえて色味を消すことで果敢に攻めるデザインにチャレンジし、見事に成功している飲食品のパッケージデザインを集めてみました。あなたも、モノトーンが創り出す鮮やかさに気付くはずです。(※紹介するパッケージデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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高級感すら感じるビール醸造所から生まれたエナジードリンクのデザイン

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北欧フィンランドの首都ヘルシンキのビール醸造とソフトドリンク製造販売を行う企業が販売しているエナジードリンクの限定版デザインです。「Sinebrychoff(シネブリチョフ)」は、フィンランドそして北欧全体で、現存する最古のビール醸造所としても、その名は広く知られています。新しいフレーバーを宣伝するためにデザインされた、この限定版パッケージは、黒と白というモノトーンの基本となる組み合わせが、モダンかつスタイリッシュさを最大限に引き出していますね。

プルタブにも、メインモチーフの十字が使われており、ミニマムな文字情報にミニマムなデザイン、そしてミニマムな色使い、統一されたミニマムさはここまで高級感を演出できるというのは驚きです。北欧のそっくりな国旗の中でも、フィンランドの国旗の白地にブルーというシンプルさは目を引きますが、お国柄としてミニマリスト的な発想が得意なのかもしれませんね。

 

これぞモノトーンなウォッカのボトルデザイン

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ウォッカの国ロシアの首都モスクワで製造・販売されたウォッカブランド「NORD」のボトルデザインです。ちなみに、「NORD」はヨーロッパ圏の言語で「北」を意味しています。このまさにロシアをイメージさせるブランド名の下に「Vodka 1.0L」と中身と容量だけが書かれており、色使いだけではなく、デザイン全体としてシンプルの極みともいえる仕上がりです。

デザイナーの意匠として、「このブランドに装飾は必要ない」という強気とも取れる考えがあり、飾り気を極限まで無くすことで、逆にインパクトを生み出すという手法を効果的に使用しています。ウサギとクマのように見えるこのモチーフも、まさかの「宇宙」を表現していると…このウォッカを飲めば、人類の最大の夢である「宇宙の制覇」を実現できる!ということで、何だか飲むのが怖くなってしまいそうな売り文句ですが、何ともロシアらしい、というのか、ウォッカらしいというのか。何にも染まらない黒をベースにおくことで、強さが表現できており、ブランドコンセプトを見事に伝えきっているデザインです。

 

アフリカの野生動物が睨みをきかせるモノトーンのワインラッピングデザイン

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南アフリカとボツワナの国境に位置するカラハリ・トランスフロンティア公園がある地域で製造・販売されたワインラッピングのデザインです。カラハリ地区は、現地のツワナ語では「Kgalagadi(カラガディ)」と表記されており、実際このワインのブランド名も「Kgalagadi Wines」です。野生動物で有名な地域性が、モノトーンの写真をベースにしたラッピングデザインによって、強烈なインパクトで伝わってきます。それぞれの動物の表情は、このラッピングを剥がしてワインに興じる人間を冷たく見下しているようにも感じられます。

この広大な自然に暮らす野生動物たちからしてみると、ワインを作り、それを飾り、楽しむということは、何の色味もない、味気ないことなのかもしれませんね。モノトーンという色味のなさは、洗練されたトーンを出す一方で、どこか冷たい無機質さを演出します。動物という「生」や「動」をイメージさせるものに、モノトーンの無機質さを加えることで、その対極「死」や「静」をどこかしら漂わせることができる、というのはデザインの妙といえるでしょう。

 

まるでモダンアートなハンバーガーラップデザイン

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ポルトガルの首都リスボンにあるレストラン「QURA」で使用されているハンバーガーラップのデザインです。ボルトガル名物のタコが大胆かつ、妙に写実的に描かれていますが、包まれているハンバーガーは牛肉ハンバーガーで、決してタコ入りバーガーというわけではないようです。アートワークのような繊細なタッチとモノトーンが、独特な高級感を演出しています。これは、リスボンにあるデザイン事務所によるものですが、この事務所の作品は、シンプルで繊細な線使いが印象的なものが多く、肉肉しいアメリカの代表選手的なハンバーガーに、あえてヨーロッパ、その中でもポルトガルらしい洗練された衣装を着せるのもお手の物だったようですね。

ちなみに、このレストラン名「QURA」は、ポルトガル語で数字の「4」を意味しています。そこからきているのか、よく見ると、バーガーラップに描かれているのは、「タコ・魚・牛・ニンニク」の「4」種類!すぐにぐしゃぐしゃになってしまうバーガーラップに、いろいろな意味が込められているようで、デザイナーの遊び心を感じざるを得ません。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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