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チョコのパッケージについて

アートを身にまとう食品パッケージデザイン


チョコのパッケージについて

アートとして楽しめるプロダクトパッケージを目にすることが増えています。商品さえ手に入ればラッピングや箱はゴミ箱行き…とならないようにデザインに工夫を凝らすブランドが増えています。

ネット販売で競合との差別化を図ったり、実店頭でPOPとしての役割だけではなく、ブランディングの視点から取り組む流れが大きくなっているようです。(※紹介するパッケージデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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ラッピングをアーティストのキャンバスにしたチョコレート

パッケージの専門サイト『Dieline』で英国スコットランドの高級チョコレートブランド「Coco Chocolatier(ココ・ショコラティエ)」が紹介されました。

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パッケージデザイン作例を見る (via Pinterest)

2004年に首都エディンバラで手作りチョコを提供する店として創業したCocoは少人数のブティックです。南米産のココアにこだわり、オリジナルブレンドの無添加チョコレートには環境に配慮してパームオイルを使っていません。

カカオをコロンビアでクーベルチュール・チョコレートに加工したのちにエディンバラでチョコラティエが製品にするという、ほかに見られない工程を特徴としています。ショコラティエの職人技でさまざまなフレーバーの板チョコを生み出して人気ブランドとなりました。

しかし、いまチョコレート好きの間ではCocoといえばアーティスティックなパッケージデザインでも有名です。もっと正確にはラッピング自体がアート作品なのです。

2013年にCocoのビジネスを引き継いだCalum Haggerty氏はブランド強化が必要だと感じていました。それまでのCocoのブランディングはどちらかといえばフェミニンな感じでした。アートにも関心を持っていたHaggerty氏は「美しいものが大好きでデザインが大好きなひとたち」に向けてブランディングし直すことにしました。

そこで考えついたのがアーティストとのコラボレーションでした。アーティストに作品発表の場としてチョコレートのラッピングを提供し、Cocoとしては他にないユニークで質の高いデザインが得られるというWIN-WINの関係です。

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パッケージデザイン作例を見る (via Pinterest)

2018年にはパッケージのラベルをミニマルなデザインにリニューアルし、美術館の展示作品につけられるキャプションボードのようにアーティスト名・タイトル・制作年を記載することにしました。現代アートの美術館のホワイトキューブ的空間にチョコレートを置くと、まさにアート作品のように見えるというわけです。

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パッケージデザイン作例を見る (via Pinterest)

たとえば板チョコでは「スカイ島の海塩とライム」「ローズ&ブラックペッパー」「ジントニック」「アールグレイ」など18種類のさまざまなアイテムがありますが、それぞれが国内外のアーティストのオリジナル作品にラッピングされています。

Coco Chocolatierのチョコレートはショコラティエの技(art)とアーティストの芸術作品(art)が出会う場となっているのです。

 

パッケージのアートを味わいながら楽しめる缶ビール

世界中のパッケージデザインを紹介しているサイト『Packaging of the World』が中国のビールブランド「Löwen Beer(黑獅啤酒)」の缶パッケージデザインを取りあげています。

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パッケージデザイン作例を見る (via Pinterest)

ベルギービールのフレーバーを持つモルト100%のホワイトビールの缶のデザインはとてもユニークです。向き合う二組のライオンと女性の顔が白地にインディゴブルーで描かれてます。まるで景徳鎮の磁器を思わせる印象的なパッケージです。

緻密に描かれたイラストをよく見ると左右対称になっていないことに気がつきます。向かって右側のライオンが威嚇するように口を開き、女性も高圧的な表情を見せています。一方、左のライオンは落ち着いて受け止め、女性は困惑しているようです。

このパッケージにはさまざまなレベルで対比を見つけることができます。緻密で有機的なイラストとフラットで図形的な黑獅ロゴ、白地とインディゴブルー、ライオンと女性。力と美、古典と現代、理性と感性、穏やかさと先鋭。

パッケージデザインを手がけたのは、広東省深圳市(しんせん)のTigerPan Packaging Design Lab.(パッケージデザインラボ)です。TigerPan Lab.はTiger Pan(潘 虎)氏が率いるデザインスタジオで、アルコール飲料やソフトドリンク、食品、化粧品などのパッケージデザインを提供しています。伝統的なアートや技術をモダンなスタイルで活かす潘氏のプロジェクトから中国のデザインの最先端を知ることができます。

黑獅の缶を飾っている緻密なイラストはノルウェー出身の版画家Martin Mörck氏の作品です。Mörck氏の彫版画は欧州各国の切手や紙幣に採用されています。北京切手印刷局のアドバイザーとして招かれ、清華大学美術大学の客員教授でもあります。

「黑獅啤酒」は世界シェア第3位のビールメーカー華潤雪花(China Resources Snow Breweries)のブランドです。華潤雪花は「雪花啤酒」というビールも製造販売していますが、「雪花」は中国以外ではほとんど知られていないのですが、中国国内の圧倒的なシェアによって、有名な「青島ビール」を抜いて全世界でもっとも飲まれているビールブランドとなっています。

黒獅パッケージのリニューアル自体は2019年におこなわれました。ブランドのストーリーが伝わり、長く手元に置きたくなるようなデザインはパッケージにおいてひとつの確かな流れとなっているようです。

 

【参考】
Coco’s Packaging Design Brings ‘The Art of Chocolate’ To Life | Dieline – https://thedieline.com/blog/2020/3/10/cocos-packaging-design-brings-the-art-of-chocolate-to-life
Lowen Beer on Packaging of the World – Creative Package Design Gallery – https://www.packagingoftheworld.com/2020/03/lowen-beer.html

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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