繰り返しの効果を活かしたグラフィックデザイン作成例

テキスタイルを作成する際、あるパターン化した図柄を繰り返すという技法が用いられることが多いです。このデザインの特徴は、特定のパターンを決めればそれに従って際限なく柄を続けることができるという点です。この特徴をポスターやチラシのデザインにも活用し、繰り返しの効果を活かしているものがあります。シンプルな図柄を繰り返すことで作品全体に意味を持たせていたり、繰り返しの規則を一部破ることで意味を持たせていたりと、取り入れ方にもアイディアを感じられる作品をご紹介します。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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規則性のあるリズミカルな繰り返しのデザイン

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一見、規則性なく並べられているように見える縦・横・斜めの短い直線。しかし、縦の列を見ても、横の列を見ても、直線の向きに重なりはありません。また、斜めの列に視点を変えてみれば、直線の並びはある法則に従っているということに気が付きます。“Rhythm”という文字があるように、単調な形もリズミカルに繰り返すことで、全体として規則性をもった統一感のある図柄となるのです。繰り返しによるデザインを、とてもシンプルにわかりやすく表現しているポスターです。

動きを感じるように繰り返すグラフィックデザイン

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こちらも使用しているのはコンマ（，）だけですが、繰り返し並べることで、全体的に動きのある構図になっています。まるでポスターの中央にコンマの流れができているかのように見えますよね。このデザインで特徴的なのは、コンマが徐々に向きを変えながら配置されている点です。縦の列や横の列で見てみると、単純にコンマを繰り返し並べているだけではないことがわかります。非常にシンプルでありながら、ダイナミックな動きを感じさせるデザインです。

繰り返しが特徴的な、あのゲームを連想させます

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どこかで見覚えがある構図かもしれません。昔、コンピューターゲームが出始めたころに流行った「スペースインベーダー」の画面によく似ていませんか。このゲームの特徴である、並んで迫ってくる宇宙人（インベーダー）も同じデザインの繰り返しによって描かれていますが、それを模するようにこちらのポスターにはクジラが描かれています。どうやら、ゲームのようにプレイヤー（人間）の玉にあたると消えてしまうようなのですが、これはまさに人間が自然界にしていることの例えなのです。単調な図形の繰り返しによってゲームを連想させ、現実で起こっていることとリンクさせている…考えさせられる1枚ですね。

くり返されるZの意味は… – ネスカフェのポスターデザイン

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こちらのポスターを見て、目に入ってくるのはZの羅列ですね。一面に並べられているZですが、最後の列で何やら変化が。Zが少しずつ傾き始め、最終的に起きあがってNになってしまうんです。これはコーヒーで有名なネスカフェのポスターですが、最後に「ネスカフェのようにあなたを目覚めさせるものはない」との一文があり、Zが起きあがるというデザインとリンクしていることがわかります。なんてことのない一文字の繰り返しですが、最後にはオチが用意されていて、きちんと意図のある繰り返しだったのですね。

繰り返し…一見とても単調に見えますが、これもアイディア次第でポスターやチラシのメインデザインとして活かすことができます。今回はモノトーンの図柄がメインでしたが、もちろんカラフルな図柄でも繰り返すことでよりオシャレで統一感のあるデザインに仕上げることができます。また、繰り返しの規則を一部変えてみる、繰り返しの最後にオチを用意しておく…そんなちょっとしたスパイスを効かせることで、繰り返しに意味をもたせることもできます。ご紹介した作品が新たなインスピレーションに繋がれば嬉しいです。