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ターニングポイントについて

デザイナーを目指したターニングポイントについて

ふと、飲んでいる時に、人生のターニングポイントってあった?みたいな話になり、ある人の言葉が思い浮かびました。

 

僕は関西外国語大学を卒業して新卒でデザイナーになりました。そもそも美大生・芸大生にしか門戸が開かれていない募集要項も多く、特に大手広告代理店や有名デザイン事務所は門前払いでした。

しかし、時々意図してなのか、うっかりなのか、募集要項に「全学部」と書いてある企業があったんです。関西全体でリサーチしたら、全部で40社くらいあったんですね。(この時に僕の検索スキルは大幅にアップしました)

これを全部受けて、駄目なら諦めよう。そう思いました。

 

京都のとある広告代理店の選考がずば抜けて早くて、3年生の10月くらいにありました。これは受けるしかないなと。

そしたらなんと書類選考と作品選考に通って、5名くらいまで絞られたんです。(はっきり言って、ポートフォリオは全然駄目だったと思うので、僕の取り組み姿勢を評価していただいたのか、社長の酔狂かどちらかです)

その僕を含めた5名に課せられたのは、この広告代理店の入社案内を作ること。しかもスケジュールを確認すると、お正月は休んでいる場合じゃないと思わせるタイトさ。これはやる気を試されている…!!

スタッフの方にインタビューをして、写真を撮影し、素材を得たところで、編集にうつりました。エディトリアルなんて初めてだったので、macに詳しい友人の家に半分泊まり込むような形で、年始にデザイン&編集。休業中の印刷屋さんに無理をお願いして、印刷と製本をしてもらいました。

 

が、あえなく選考落ち。

 

でも、わざわざ会社に呼んでいただき、社長はこう言いました。

 

「うちとは合わないかなーと思ったから、こういう結果になってしまったけど…君はいいデザイナーになれると思うよ」

 

今思うと、肩を落とした僕を最大限フォローしてくれたのだと思いますが、僕はこれを真に受けたんです(笑)デザイナーへの熱意はさらに勢いを増し、結果新卒デザイナーとして拾ってもらえる会社に出会えました。

あそこで社長に「諦めたほうがいいよ。センスないから。」なんて言われていたら、デザイナーになることを本当に諦めていたかもしれません。

その代理店の社長は、知的でありつつも豪快・フレンドリーな方で、数年前にあるきっかけで会社を訪れた時も、「今から会社で鍋するから、食べて帰れよ」と、社員の方と鍋を囲ませていただきました。

 

デザイン事務所を立ち上げることは自分で選んだし、あまり人の言葉にガツンと影響を受けて行動するということは少ないのですが、あの時の社長の言葉は、すーっと僕の心の中に入って来たんです。直接何かしてもらったとか、具体的な指導があったわけではないのですが、今も勝手に恩義を感じていて、ふとお元気かな〜と気にしてしまいます。

 

なので、それがターニングポイントだったのかなと。言葉って、タイミングによってはもの凄い力がありますよね。

 

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グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。