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平成レトロ

もはや平成も昔!?平成レトロなデザインとは


平成レトロ

「平成」という言葉を口にしたとき、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。平成元年(1989年)から平成31年(2019年)までの約30年の間には、日本社会がデジタル化へ大きくシフトし、ファッションやサブカルチャーも激しく変化してきました。平成という時代は、バブル経済の終焉やインターネット普及のはじまり、携帯電話の一般化など、まさに「アナログからデジタルへ」という転換点が詰まっていた時期とも言えます。

近年、「昭和レトロ」に続き、「平成レトロ」という言葉が注目されるようになりました。平成というと、ついこの間まで使われていた年号のイメージが強いかもしれませんが、令和の時代が進むにつれ、平成も徐々に遠い過去に感じられるようになっています。そんな“もはや昔”と呼ばれつつある平成ですが、当時のデザインやカルチャーには、今だからこそ感じる面白さや魅力が存在しています。本記事では、平成レトロなデザインの特徴や、当時のカルチャーをどのように現代のデザインに生かせるのかを探ってみましょう。

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平成レトロブームの背景

平成レトロなデザイン

昭和レトロの次にくる「平成レトロ」

昭和時代を思わせる懐かしいアイテムや雰囲気は、ここ数年「昭和レトロ」という言葉で人気を博してきました。大正ロマンや昭和モダンなど、「ひと昔前の日本」を味わうブームは常に一定の需要があります。そして今、令和に入ってから少し経ち、平成も歴史のひとコマとして捉えられるようになりました。その流れで、平成という時代特有のデザインやカルチャーも再評価されているのです。

ノスタルジーと新鮮さの両立

平成をリアルタイムで過ごした30~40代の方にとっては、「あの頃の記憶がよみがえる」というノスタルジーが最大の魅力です。一方で、10~20代の若い世代にとっては、平成初期から中期にかけてのカルチャーは自分たちが体験していない未知の世界。ガラケーやポケベル、MDやテレホーダイなど、今となっては少し不便だけれどユニークなアイテムやサービスに「かえって新鮮さ」を感じるのです。

 

平成初期の社会背景をおさらい

バブル崩壊

バブル終焉とファッションの多様化

平成元年前後は、バブル経済がまだ残り香を漂わせていた時期です。しかし、90年代に突入すると景気は一気に冷え込み、これまでの“イケイケ”な雰囲気が少しずつ影を潜めていきました。そんな中でも、ファッションはむしろ多様性を増し、ギャル文化やルーズソックス、厚底ブーツなど個性的なスタイルが若者を中心に大流行。コギャルやアムラーと呼ばれるトレンドが生まれ、カリスマ店員や原宿系などの文化も一斉に花開いたのが平成初期~中期だったのです。

インターネットの普及とコミュニケーションの変化

Windows 95の登場や、電話回線を使ったテレホーダイ(深夜~早朝の時間帯だけ定額でネットし放題)のサービスが話題を呼んだのも平成初期の特徴です。インターネットが一般家庭にも普及し始め、ホームページ作成やチャット、電子メールなどが少しずつ身近になっていきました。まだSNSは存在しませんでしたが、個人ホームページや掲示板、当時の大手プロバイダが提供していたコミュニティサイトなど、今に通じるネット文化の原型が次々と生まれた時代でもあります。

 

平成レトロなデザインの特徴

平成レトロなデザイン

ビビッド&ポップな配色

平成初期といえば、ピンクやライトグリーン、イエローなど派手めな原色を大胆に掛け合わせたファッションが目立ちました。広告や雑誌のレイアウトにも、ビビッドカラーを多用したデザインが数多く見られます。デジタル技術が現在ほど洗練されていなかった分、「どうせなら派手にしてしまえ!」という勢いが感じられますよね。

ドット絵やWordArt風の装飾

まだ高性能なグラフィックソフトが普及していなかった時代、パソコンで作るイラストといえば、ドット絵が代表的でした。また、Microsoft Officeに付属していた「WordArt」の虹色グラデーションを使った文字装飾などは、当時のパソコンユーザーなら一度は遊んだ経験があるのではないでしょうか。こういった少しチープで無骨なビジュアル要素は、今見ると逆に可愛らしく映ります。

ギャル文化やキャラものがもたらす派手さ

平成の象徴とも言えるギャル文化は、濃いメイクやルーズソックス、ガングロにパラパラといった強烈なビジュアルイメージが特徴的です。デザイン面でも、ギャル文字のように装飾が多くて読みづらいけれどインパクト抜群のフォントが話題になりました。また、当時の子ども向け雑誌やキャラクターグッズには、キラキラした背景やアニメ調の可愛いイラストが満載。プリクラやシール帳など、派手でキュートな要素も「平成レトロ」には欠かせない魅力です。

 

平成カルチャーから生まれたアイテムたち

ポケベル・ガラケー・iモード

ポケベルの数字や簡単な符号でメッセージを伝える仕組みは、今から考えると非常にアナログ。それでも当時は「相手がどこにいても連絡を取れる」こと自体が画期的でした。やがて携帯電話が一般化し、ガラケーと呼ばれる折りたたみ式端末が主流に。さらにiモードなどのサービスが登場し、着メロや壁紙を自由にダウンロードできる時代へと移り変わりました。これらの端末デザインや画面レイアウトは、シンプルながらもどこか温かみがあり、「平成レトロ感」を象徴するアイコンといえるでしょう。

CD・MD・カセットテープ

平成初期に音楽を楽しむ手段といえば、まだまだCDが主流でした。さらに、MD(ミニディスク)が「CDよりコンパクトで録音もできる!」と話題を呼び、一部の音楽ファンに大ヒット。カセットテープは、すでに昭和のアイコンにもなりつつありましたが、車のオーディオやウォークマンなどで現役だった人も多かったはずです。これらのメディアや機器は、どれも角ばったフォルムやボタン操作など、レトロチックな可愛らしさがあります。

プリクラ・ルーズソックス・ファッション誌

プリクラ機が登場したのも平成の象徴的な出来事です。友達同士で顔を寄せ合い、落書きシールを交換する文化は、学校帰りの定番でした。また、女子高生の定番ファッションだったルーズソックスも、いま見ると不思議なまでのボリューム感が印象的。当時のギャル系ファッション誌やタウン誌を見返すと、ページを埋め尽くす文字やカラフルな背景デザインなど、いまの洗練された誌面とは対極にあるエネルギッシュさを感じます。

 

平成レトロを現代のデザインに生かすポイント

当時のカルチャーとリンクさせる

平成レトロを取り入れるなら、単にドット絵や派手な色を使うだけでなく、当時を代表するキーワードをうまく活かしましょう。たとえば、ポケベルやガラケー、CD、プリクラなどのビジュアルアイコンをデザインに織り交ぜると、一気に「あの頃感」が高まります。

情報量を整理しながら遊び心をプラス

平成のチラシや雑誌を見ると、フォントや装飾がごちゃごちゃしている印象を受けるかもしれません。現代のデザインは、情報をシンプルかつ見やすくまとめるのが基本ですが、あえて平成っぽい“やりすぎ感”を少し加えることで、レトロテイストが際立ちます。ただし、あまり詰め込みすぎると読みにくいので、配色やフォント選びはこだわりつつ、全体のバランスには注意が必要です。

最新技術との融合で進化させる

平成レトロと現代のテクノロジーを組み合わせると、ユニークなデザインが生まれます。たとえば、SNS向けの投稿画像にドット絵風のフィルターやWordArt風の文字を重ねてみる、ウェブサイトのUIに昔のOSウィンドウのようなフレームをデザインしてみるなど、「懐かしさ×斬新さ」が掛け合わさると、多くの人の目を引くコンテンツに仕上がります。

 

平成レトロデザインを取り入れた事例

プリクラを撮る男女

アパレルブランドの復刻コレクション

当時流行したキャラクターとのコラボや、90年代のロゴパターンを大胆にあしらったTシャツ・パーカーが若い世代に大人気。カラフルで懐かしいのに新しいと、SNSでも話題を呼んでいます。

店舗やカフェの内装

一昔前のゲーム機やプリクラ機を実際に置き、懐かしい雰囲気を演出する店舗も増えました。写真を撮ってSNSにアップするお客様が多く、集客にも効果抜群。テーブルメニューや看板をドット絵風にして、徹底的に平成レトロを追求している例もあります。

ウェブサイトのUI・広告ビジュアル

バナー広告の背景にグラデーションやにぎやかなパターンを使ったり、ドット絵風アイコンをあしらったりして、あえてレトロ感を強調。視覚的に「懐かしい」と思わせる演出が話題性を高め、クリック率の向上につながる場合もあります。

 

まとめ

東京

平成が終わって数年。まだまだ新しい気がしていた平成も、令和の時代を迎えることで徐々に「昔のこと」と感じられるようになってきました。バブル経済の終焉とともに生まれた独特のファッション、インターネット黎明期ならではのチープだけど温かみのあるデジタル表現、プリクラやルーズソックス、ガラケーといった豊富なカルチャー。そのすべてが、令和の今となっては懐かしくもあり、新鮮でもある「平成レトロ」の世界を彩っています。

当時を懐かしむ世代にとっては青春の思い出、体験していない世代にとっては未知なるカルチャーショックと、世代を超えた魅力が詰まっているのが平成レトロの面白さです。デザインの観点から見ても、ノイズや荒さが逆に個性となり、人々を惹きつける大きな要素になっています。もしも新しいプロジェクトやクリエイティブに「ちょっとした味わい」を足したいと考えたときは、平成初期~中期の雑誌、ゲーム、音楽、ファッションを探ってみると、思わぬヒントが見つかるかもしれません。今だからこそ楽しめる「平成レトロ」の世界を、ぜひ味わってみてください。

 

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