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短い納期をお断りする理由〜デザイナーが大切にしたい“余白”の話


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一番多いお断り理由は「納期が足りない」

デザインサービスを運営する中で、日々さまざまなお問い合わせやご依頼をいただきます。その中でも、どうしてもお受けできないケースの第一位が「制作にかける十分な納期がない」という理由です。もちろん、短いスパンで対応している会社があるのは承知していますし、そうしたスピード重視のサービス自体を否定するわけではありません。ただ、私自身は“無理を重ねる働き方”に疑問を抱いています。

無理を重ねれば、いつかほころびが出る

短納期の仕事は、クライアントに喜ばれることが多いです。制作期間をぎゅっと詰め込んで、深夜や休日に作業を重ねれば、確かに「早い納品」が叶うかもしれません。でも、そこで頑張るのは誰なのかと考えると、やはり自分やスタッフに大きな負担がかかるわけです。徹夜や休日返上が当たり前になってしまえば、いつか体や心に限界が来てしまう。結局、長く続けていくうちに、サービスの質を下げる要因になってしまうと思うのです。

スタッフの生活が揺らいだら、いい仕事は続かない

ひとりでデザインをしていた頃は、「少しくらい無茶しても自分ひとりががんばればいい」と割り切っていた時期もありました。でも、今はスタッフを抱える立場です。もし私が無茶をして短期納品を連発すれば、当然スタッフも休日返上や深夜作業を強いられることになります。家族やプライベートがありますし、何よりも創造的な仕事だからこそ、体や心の健康がそのままクオリティに跳ね返ります。誰かの犠牲のもとで回している仕事に、未来はあるのか。私はそう考えるようになりました。

 

デザインの余白と、デザイナーの余白

時間との戦い

デザインをする上で「余白」が大切なのは、どんなデザイナーも知っています。余白をうまく使うことで、情報が整理されて伝わりやすくなり、見た目にも洗練された印象が生まれます。これって私たちの働き方にも言えることではないでしょうか。

ずっと作業に追われていると、頭が疲れてしまい、アイデアも枯渇してきます。けれど、適度に“余白”をとって休息をとることで、新しい発想がふっと湧いてくることがあるんです。デザインそのものに余白が必要なように、デザイナー自身も余裕を持ったスケジュールの中でこそ、いいものをつくれるのだと思います。

これからも、心と時間の余裕を大切に

短納期に対応できる仕組みが整ったデザイン会社は本当にすごいと思います。働き方やシステムに優れた工夫があって、そこに合うスタッフがいるのでしょう。ただ、私たちの事務所では「質を維持するための余白」を最優先に考えています。残業を減らし、休日にしっかり休んでもらうことで、長く創造的に働ける環境をつくりたいからです。

もちろん、クライアントによっては「すぐに対応してほしい」というニーズがあるでしょう。そうしたお客様の期待に応えられない歯がゆさはあります。でも、だからといって無理をして急ぎの案件を詰め込み、結果的に質を落としてしまっては、本末転倒だと思うのです。

これからも、どうしても納期が足りないときは心苦しくてもお断りし、ちゃんと時間と心に余白をとった上で、誠実にデザインを仕上げていきたい。それが自分自身・スタッフやクライアントにとって、長い目で見たときの一番のメリットになると信じています。デザインに余白が必要なように、デザイナー自身にも余白が必要です。

 

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