見積書に面積を書きたいのに ㎡ が出てこない、海外の価格を € で表記したい、社名を ㈱ で略したい。書類づくりの途中で記号探しに寄り道するのは、地味に時間を食う作業です。デザイン事務所AMIXは、単位・通貨・ビジネス記号をクリックひとつでコピーできる無料Webツール「単位・通貨記号ライブラリ」を公開しました。温度から面積、物理単位、組文字・元号、世界各国の通貨、事務記号まで、80種類以上を実用の観点で選んで並べています。アプリのインストールやアカウント登録は不要で、ブラウザを開けばすぐに使い始められます。

どんなツールか

単位・通貨記号ライブラリは、書類や価格表で使う記号を一覧から選んでコピーするツールです。記号をクリックするとクリップボードに入り、Ctrl+V(MacならCmd+V)でExcelのセルやWordの本文にそのまま貼り付けられます。数値のあとに続ける記号なので、コピーと貼り付けが早いことがそのまま作業速度に直結します。

この分野の記号は、日本語入力で出せるものと出せないものが入り混じっているのが厄介なところです。「へいべい」で ㎡ に変換できる環境もありますが、₩ や ₺、㋿ になると変換候補には期待できません。㈲ と ㈳ のように見た目が近い括弧付き記号は、目で見て選べたほうが確実です。一覧に並んでいれば、どちらの事情でも同じ手順で済みます。

収録記号はUnicodeの標準文字で、画像ではありません。テキストなので検索・置換や並べ替えの対象になり、表計算ソフトのセルにも収まります。処理はお使いのブラウザ内で行われ、検索した語やコピーした記号が当方のサーバーへ送信・保存されることはありません。

㎡ や ㌔ は「1文字に詰め込んだ」合成文字

このライブラリの中心にあるのが、㎜ ㎝ ㎞ ㎡ ㎥ ㎏ ㎐ ㏈ ㍱ といった単位記号です。これらは複数の欧文字を1文字ぶんの幅にまとめた文字で、日本語の組版で使われてきた慣習に沿っています。表やグラフの中で横幅を取らないので、狭いセルにも収まりやすいのが利点です。

一方で、この便利さには前提があります。㎡ や ㌔、㈱ のような文字は日本語フォントを想定した文字のため、海外の環境や一部の欧文フォントでは表示されない場合があります。カタカナを詰め込んだ組文字(㌔ ㌢ ㍉ ㍍ ㌘ ㌧ ㌫ など13種類)はその傾向が特に強く、社外に出す英語資料には向きません。元号の ㍻ ㍼ ㍽ ㍾ に加えて ㋿(令和)も収録していますが、㋿ は比較的新しく追加された文字なので、古いOSでは表示されないことがあります。通貨の ₿(ビットコイン)も同様です。

社内資料や国内向けの書類なら問題になりにくく、逆に不特定多数に配るファイルや海外とやり取りする書類では「m2」「kg」のように分けて書くほうが安全、というのが実務上の線引きになります。

通貨記号は位置と統一が肝心

通貨のカテゴリには16種類を収録しています。¥ と全角の $、¢、€、£ のほか、₩(韓国)、₹(インド)、₽(ロシア)、₺(トルコ)、₫(ベトナム)、฿(タイ)、₱(フィリピン)、₪(イスラエル)、₴(ウクライナ)、そして ₿ と、通貨を特定しない汎用記号の ¤ が並びます。

気をつけたいのは記号を置く位置です。日本円では「1,000円」のような表記があり、英語の価格表では「€100」のように通貨記号を前に置く書き方が使われます。位置や空白の入れ方は言語・地域によるため、対象に合わせて確認してください。ひとつの価格表の中で前置と後置が混ざると、読み手は表を二度見ることになります。もうひとつ、通貨記号だけでは国が特定できない場合があります。¥ は日本円と人民元の両方に使われるため、複数の通貨が並ぶ資料では「JPY」「CNY」のような通貨コードを併記しておくと誤解を防げます。

主な機能・特徴

書類作成の途中で使うことを前提に、動作は最小限にまとめています。

  • 温度・角度、長さ・面積・体積、量・物理単位、組文字・元号、通貨、ビジネス・記号の6カテゴリに、80種類以上を収録しています。「すべて」タブでは全記号を通しで確認できます。
  • 記号をクリックすると自動でクリップボードにコピーされ、画面下部に「コピーしました!」と表示されます。
  • 検索は記号名・記号そのもの・読みや別名を横断します。「へいべい」「平米」「ユーロ」「かぶしきがいしゃ」のように、日常の言葉から引けます。
  • 面積の ㎟ ㎠ ㎡ ㎢ と体積の ㎣ ㎤ ㎥ ㎦ を揃えているため、寸法表記の単位を統一しやすくなっています。
  • ビジネス・記号のカテゴリには、№ ℡ 〒 〆 ㈱ ㈲ ㈳ ㈶ ㈻ ㍿ のほか、© ® ™ ℠ ℗、条文の §、段落の ¶、気付を表す ℅ など18種類が入っています。
  • クリップボードへの書き込みが失敗した場合は、代替のコピー方法を試みます。ただし、ブラウザによっては自動コピーや失敗の通知ができないこともあるため、貼り付け結果を確認し、必要に応じて手動でコピーしてください。

温度・角度のカテゴリには ℃ ℉ ° と、緯度経度で使う ′ ″ も入っています。角度の分・秒を表記する場面では、通常のアポストロフィと取り違えないよう、こちらから拾うのが確実です。

使い方

上部のタブでカテゴリを選ぶか、検索欄に読みを打ち込むと一覧が絞り込まれます。使いたい記号をクリックすればコピー完了です。スマートフォンではタップで同じ動作になります。

Excelで使う場合、数値と単位を同じセルに入れると計算対象から外れてしまうため、単位は隣のセルに置くか、書式設定の表示形式で付けるのが定石です。見出し行に「面積(㎡)」と書いてしまえば、各セルは数値だけで済みます。Wordや請求書テンプレートへ貼り付ける場合も、字形や出力結果を確認してください。

活用シーン

  • 見積書や請求書で、金額に通貨記号を添えて表記したいとき
  • 不動産や設計の資料で、㎡ や ㎥ を使って面積・体積を簡潔に書きたいとき
  • 社名を ㈱ で略したり、住所に 〒 を付けて体裁を整えたいとき
  • 海外向けの価格表で、€ や £ を使って多通貨表記を作りたいとき
  • レシピや栄養表示で、㎖ や ㎉、℃ を使って分量と温度を示したいとき
  • 天気や気象の情報で ㍱ を使い、気圧を正しく表記したいとき
  • 著作権表記やクレジットに © ® ™ を入れたいとき
  • 書類の番号管理に № を使い、通し番号の書式を統一したいとき

数値だけでは伝わらない情報が、記号ひとつで意味を持ちます。「100」と「100㎡」「€100」では、読み手が受け取る情報がまるで違うものになります。

よくある質問

Q. 利用は無料ですか?

A. はい。収録しているすべての記号を無料で使えます。事前の申請やクレジット表記も必要ありません。

Q. どんな記号が収録されていますか?

A. 温度・角度、長さ・面積・体積、量・物理単位、組文字・元号、通貨、ビジネス・記号の6カテゴリで80種類以上を収録しています。

Q. ㎡ や ㈱ が表示されない環境があると聞きました。

A. これらの字形を収録していないフォントでは、表示されない場合があります。㋿ や ₿ など比較的新しい文字は、古いOSで表示されないことがあります。社外配布や海外向けの書類では、分けて書く表記もご検討ください。

Q. Excelのセルに貼り付けても大丈夫ですか?

A. テキストとして貼り付けられます。ただし数値と同じセルに入れると計算対象から外れるため、単位は別のセルか書式設定で扱うのがおすすめです。

Q. 商用の書類に使ってもよいですか?

A. 記号自体の利用に許可申請やクレジット表記は不要です。ただし、記号データを含む当サイトのコンテンツの無断転載・複製・再配布や、販売を目的とした利用はご遠慮ください。

ご利用にあたって

本ツールおよび本ページは現状有姿(as-is)で提供されるため、ご利用は利用者ご自身の責任においておこなってください。記号はUnicode標準文字セットに含まれるものを中心に採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによっては表示が異なる、または正しく表示されない場合があります。㎡・㌔・㈱ などの単位・組文字はフォントの収録状況に左右され、㋿ や ₿ のような新しい文字も環境によって表示されないことがあるため、社外に配布する書類では表記方法をあらかじめご検討ください。本ツールの利用、または利用できなかったことにより生じたいかなる損害についても、AMIXは責任を負いかねます。本ツールの仕様・内容は、予告なく変更または提供を終了する場合があります。

書類の細部が整うと、内容そのものが伝わりやすくなります。日々の業務や見積・請求の作業に、単位・通貨記号ライブラリをお役立てください。