チャットで「2乗」を伝えたいのに小さい数字が入らない、SNSのプロフィールで化学式が崩れる、脚注番号を本文に埋め込みたい。書式設定が使えない場所ほど、添字は困りごとになります。デザイン事務所AMIXは、上付き・下付き文字と分数をクリックひとつでコピーできる無料Webツール「上付き・下付き文字ライブラリ」を公開しました。上付き・下付きの数字と記号、上付きアルファベット、下付きアルファベット、そして ½ から ⅒ までの分数を、110種類以上収録しています。アプリのインストールやアカウント登録は不要で、ブラウザを開けばすぐに使い始められます。
どんなツールか
上付き・下付き文字ライブラリは、小さく持ち上がった文字・下がった文字そのものを一覧から選んでコピーするツールです。使いたい文字をクリックするとクリップボードに入り、Ctrl+V(MacならCmd+V)で貼り付けられます。x のあとに ² を貼れば x²、H のあとに ₂ を貼って O を続ければ H₂O が完成します。
ワープロソフトなら「上付き文字」の書式設定で同じ見た目が作れますが、その書式はソフトの機能なので、コピーして別の場所へ持っていくと外れてしまいます。プレーンテキストのメール、チャット、SNSの入力欄、プログラムのコメント、ファイル名。こうした書式を持てない場所では、小さい文字自体が存在しないと表現できません。このライブラリが扱っているのは、まさにその「文字としての添字」です。
収録文字はUnicodeの標準文字です。処理はお使いのブラウザ内で行われ、検索した語やコピーした文字が当方のサーバーへ送信・保存されることはありません。パソコンでもスマートフォンでも同じ手順で使えます。
上付き・下付きは「書式」ではなく「文字」
この違いは実際に使うと効いてきます。書式で作った上付きは、文字サイズと連動して自動的に整うぶん、貼り付け先を移ると失われます。文字としての上付きは、対応するフォントなら小さい形で表示できますが、そのかわりフォントによって高さ・太さ・大きさが微妙に変わります。
つまり、体裁を最優先する印刷物やレポートでは書式設定のほうが有利で、どこでも同じテキストとして通したい場面ではこのライブラリの文字が向いている、という住み分けになります。SNSのプロフィールや商品名、チャットでのやり取りは後者です。テキストとしてコピーできる利点もあります。ただし「CO₂」と「CO2」を同じものとして検索できるかどうかは、利用するソフトによって異なります。
このライブラリに収録していない文字があります
このライブラリは、Unicodeに実際に存在する上付き・下付き文字のみを収録しています。ここは重要な制約で、すべての英字が揃っているわけではありません。
上付き小文字は27種類を収録していますが、q はこのライブラリには入っていません。上付き大文字は19種類で、C・F・Q・S・X・Y・Z はこのライブラリには収録していません。下付きアルファベットはさらに限られ、a e h i j k l m n o p r s t u v x の17文字だけです。b や c、d の下付きは収録していないため、それらを含む添字は、この一覧だけでは組み立てられません。
数字については、上付き・下付きの両方で 0 から 9 が揃っています。それぞれに + − = と括弧が付き、上付きは ⁺ ⁻ ⁼ ⁽ ⁾、下付きは ₊ ₋ ₌ ₍ ₎ の15種類ずつ。イオンの価数を表す Ca²⁺ のような表記が、数字と符号の組み合わせでつくれます。
分数記号の限界
分数のカテゴリは20種類です。½ ⅓ ⅔ ¼ ¾ ⅕ ⅖ ⅗ ⅘ ⅙ ⅚ ⅐ ⅛ ⅜ ⅝ ⅞ ⅑ ⅒ と、↉(3分の0)、それに分子の1を表す ⅟ を収録しています。
ここでも制約があります。これらは「½ という1文字」として定義されているものなので、任意の分数はつくれません。7分の3や11分の4のような組み合わせは文字として存在しないため、⅟ を使う方法もありますが、多くの環境では思ったように組み合わさりません。分母や分子が自由な分数を書きたい場合は、上付き数字と下付き数字を分数スラッシュで挟む書き方(³⁄₄ のような形)にするか、素直に「3/4」と書くほうが確実です。分数記号が便利なのは、½ カップ、¼ 個、⅓ OFF のように、ごく一般的な分数を短く見せたいときです。
主な機能・特徴
用途がはっきりした文字群なので、探し方の入り口を多く用意しています。
- 上付き数字、下付き数字、上付き小文字、上付き大文字、下付き小文字、分数の6カテゴリに、110種類以上を収録しています。「すべて」タブでは全文字を通しで確認できます。
- 文字をクリックすると自動でクリップボードにコピーされ、画面下部に「コピーしました!」と表示されます。
- 検索は文字名・文字そのもの・用途のキーワードを横断します。「2乗」「にじょう」「化学式」「半分」「べき乗」といった言葉から引けます。
- 上付き数字には ⁺ ⁻ ⁼ ⁽ ⁾、下付き数字には ₊ ₋ ₌ ₍ ₎ が付属し、イオン式や指数の符号まで表記できます。
- 上付きアルファベットには、スペイン語・ポルトガル語の序数標識 ª と º も含まれています。
- クリップボードへの書き込みが失敗した場合は、代替のコピー方法を試みます。ただし、ブラウザによっては自動コピーや失敗の通知ができないこともあるため、貼り付け結果を確認し、必要に応じて手動でコピーしてください。
分数以外の文字は、貼り付ける順番が意味を持ちます。ベースになる文字を先に入力してから添字を貼る流れにすると、並び替えの手間がありません。
使い方
上部のタブでカテゴリを選ぶか、検索欄に用途を入力すると一覧が絞り込まれます。使いたい文字をクリックすればコピー完了です。スマートフォンではタップで同じ動作になり、そのままメモやチャットに貼り付けられます。
化学式のように添字が何度も出てくる表記は、必要な文字を一度メモに集めておくと作業が速くなります。CO₂ や H₂SO₄ のような定番の式は、完成させたものを辞書登録やスニペットに登録してしまうのも手です。ひとつの式の中では、同じカテゴリの文字でも高さや太さはフォントによって変わるため、式全体の見た目を確認してください。
活用シーン
- チャットやSNSで、書式設定が使えないまま x² や 10³ のようなべき乗を書きたいとき
- 化学式やイオン式を、H₂O・CO₂・Ca²⁺ のようにテキストのまま表記したいとき
- 面積や体積の単位を、km² や m³ と手で組み立てたいとき
- 本文中に脚注番号 ¹ ² を埋め込み、注釈への参照を控えめに示したいとき
- レシピや分量表記で、½カップ・¼個のようにコンパクトに書きたいとき
- セールの告知で ⅓ OFF のように、分数を短く見せたいとき
- 数列や添字付き変数を aₙ・xᵢ の形でテキストに残したいとき
- プログラムのコメントやドキュメントに、画像を使わず数式を書きたいとき
書式設定に頼らない表記は、文字列としてコピーできますが、表示や検索時の扱いは利用環境によって異なります。テキストで管理する資料が多い方には、特に相性がよい方法です。
よくある質問
Q. 利用は無料ですか?
A. はい。収録しているすべての文字を無料で使えます。事前の申請やクレジット表記も必要ありません。
Q. アルファベットは全部揃っていますか?
A. いいえ。このライブラリの収録範囲では、上付き小文字の q や、上付き大文字の C・F・Q・S・X・Y・Z などは含まれません。下付きアルファベットは17文字のみです。
Q. 好きな分数(7分の3など)はつくれますか?
A. 単独の文字としては存在しません。上付き数字と下付き数字を分数スラッシュで組み合わせる方法もありますが、環境によって見え方が変わるため、通常の「3/7」表記のほうが確実な場合もあります。
Q. 文字の高さや大きさがサイトの表示と違います。
A. 文字はUnicode標準文字セットに含まれるものを採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによって高さ・太さ・大きさが異なる場合があります。ひとつの式の中では同じカテゴリの文字を使うと揃いやすくなります。
Q. 商用利用はできますか?
A. 文字自体の利用に許可申請やクレジット表記は不要です。ただし、文字データを含む当サイトのコンテンツの無断転載・複製・再配布や、販売を目的とした利用はご遠慮ください。
ご利用にあたって
本ツールおよび本ページは現状有姿(as-is)で提供されるため、ご利用は利用者ご自身の責任においておこなってください。文字はUnicode標準文字セットに含まれるものを採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによっては、高さ・太さ・大きさなどの表示が異なる、または正しく表示されない場合があります。このライブラリに収録していない英字があることもあらかじめご了承ください。小さな文字は印刷時に潰れることがあるため、数値の正確さが求められる用途では出力結果をご確認ください。本ツールの利用、または利用できなかったことにより生じたいかなる損害についても、AMIXは責任を負いかねます。本ツールの仕様・内容は、予告なく変更または提供を終了する場合があります。
書式が使えない場所でも、伝えたい表記をそのまま届けられるように。数式や化学式、注釈まわりの作業に、上付き・下付き文字ライブラリをお役立てください。



