レポートに不等号を入れたい、資料に「±5%」と書きたい、ブログで積分の記号を使いたい。けれど、その記号がキーボードのどこにも見つからない。デザイン事務所AMIXは、数式や理系文書で使う記号をクリックひとつでコピーできる無料Webツール「数学・演算記号ライブラリ」を公開しました。四則演算から集合、論理、微積分、幾何まで、100種類以上の記号をカテゴリごとに並べています。アプリのインストールやアカウント登録は不要で、ブラウザを開けばすぐに使い始められます。
どんなツールか
数学・演算記号ライブラリは、記号の一覧から目当てのものをクリックすると、その文字がクリップボードにコピーされるツールです。あとは貼り付けたい場所でCtrl+V(MacならCmd+V)を押すだけ。数式エディタを立ち上げたり、文字コード表をたどったりする必要がありません。
数学記号の入力が面倒なのは、キーボードに刻印がないうえ、日本語入力の変換候補にも出てこないものが多いからです。「そうわ」と打って Σ が出るとは限らず、∈ や ⊥ に至っては読み方すら怪しい。結果として、その都度検索して他のページからコピーする、という遠回りをしがちです。このライブラリは記号を意味のグループに分けて並べているので、「比較の記号だから比較・等号タブ」という当たりのつけ方で目的地に着けます。
収録している記号はUnicodeの標準文字で、画像ではありません。文字として貼り付くので、フォントサイズや色は本文と同じように扱え、検索や置換の対象にもなります。動作はブラウザ内で完結し、入力したキーワードやコピーした記号が当方のサーバーへ送信・保存されることはありません。
記号は「読み方」からも探せます
このライブラリの検索は、記号の名称だけでなく、記号そのものと、内部に持たせた読み・別名のキーワードも対象にしています。たとえば √ は「ルート」「へいほうこん」「根号」「sqrt」のいずれからでも見つかり、∴ は「ゆえに」「したがって」「therefore」で引っかかります。Σ を探すときに「そうわ」「合計」「sum」「sigma」のどれで打っても構いません。
読み方が分からない記号は、逆にカテゴリから見つけるのが早いです。∀(すべての)や ∃(存在する)は「論理」、⌈ ⌉(天井関数)や ‖(ノルム)は「その他」に入っています。一覧には記号の下に日本語名が添えられているので、見比べながら選べます。
主な機能・特徴
記号を「探す」「選ぶ」「貼る」の三手で終わらせることを目的に、機能はあえて絞っています。
- 四則演算/比較・等号/集合/論理/微積分・解析/幾何/その他の7カテゴリに、100種類以上の記号を収録しています。「すべて」タブでは全記号を通しで眺められます。
- 記号をクリックすると自動でクリップボードへコピーされ、画面下部に「コピーしました!」と表示されます。コピーボタンを別に押す手順はありません。
- キーワード検索は記号名・記号そのもの・読みや英語名のキーワードを横断します。ひらがなでも英字でも当たるため、うろ覚えの記号にたどり着けます。
- 集合を表す ℕ ℤ ℚ ℝ ℂ や、証明終了の ∎、ディラック定数の ℏ など、専門的な文書で必要になる記号も揃えています。
- クリップボードへの書き込みが失敗した場合は、代替のコピー方法を試みます。ただし、ブラウザによっては自動コピーや失敗の通知ができないこともあるため、貼り付け結果を確認し、必要に応じて手動でコピーしてください。
カテゴリを切り替えても検索語は残るため、「√」で絞り込んだまま別ジャンルを覗く、といった探し方もできます。
使い方
画面上部のタブでジャンルを選ぶか、検索欄にキーワードを打ち込むと、下の一覧が絞り込まれます。使いたい記号をクリックすればコピー完了です。スマートフォンではタップで同じ動作になり、そのままメモアプリやチャットに貼り付けられます。
対応する記号を入力できる場所へ貼り付けられます。Word・Excel・PowerPointの本文はもちろん、ブログの入稿画面、メール、チャット、ソースコードのコメントまで、それぞれの入力制限やフォントの対応状況を確認して使ってください。複数の記号を並べたいときは、コピーと貼り付けを繰り返すよりも、いったんメモに必要な記号を集めてから組み立てたほうが手数が減ります。
似ている記号の使い分け
このライブラリには、見た目がよく似た記号がわざと並んで入っています。代表は近似の ≒ と ≈ です。日本の教科書や実務文書では ≒ が主流ですが、英語圏の論文では ≈ が一般的で、どちらを選ぶかは読み手次第になります。同じことが不等号にも当てはまり、日本で見慣れた二本線の ≦ ≧ と、国際的に使われる一本線の ≤ ≥ の両方を収録しています。
似ている記号でも意味が違うものもあります。∼ は分布や相似に使われるチルダ演算子、∽ は相似の表記に用いられます。∥ は平行、‖ はノルムを表す二重縦線で、字形は近いのに役割が別。⊕ は文脈によって直和にも排他的論理和にもなります。分野ごとの慣行があるため、学術的な文書では投稿先の表記ルールを確認しておくと安全です。
活用シーン
- レポートや論文で、定義や条件を数式として書き起こしたいとき
- 証明の流れを ∴(ゆえに)や ∵(なぜならば)で簡潔に示したいとき
- ビジネス資料で「売上 ≧ 目標」のような達成条件を一行で表したいとき
- 見積や実測値に ± を添えて、誤差の幅を明示したいとき
- 仕様書やアルゴリズムの解説で、集合や論理の条件を厳密に書きたいとき
- 教材やノートをテキストだけで作り、あとから検索できる形で残したいとき
- 割合を ‰(千分率)や ‱(万分率)で細かく表したいとき
数式エディタで組んだ画像は、あとから数値を直すだけでも作り直しが必要になります。テキストの記号なら、その一文字を書き換えるだけで済むうえ、検索にも引っかかります。頻繁に更新する資料ほど、文字で書いておく利点が大きくなります。
よくある質問
Q. 利用は無料ですか?
A. はい。収録しているすべての記号を無料で使えます。事前の申請やクレジット表記も必要ありません。
Q. どのくらいの数の記号が入っていますか?
A. 四則演算/比較・等号/集合/論理/微積分・解析/幾何/その他の7カテゴリに、100種類以上を収録しています。
Q. コピーした記号が四角い枠や別の文字になって表示されます。
A. 記号はUnicode標準文字セットに含まれるものを中心に採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによっては表示が異なったり、正しく表示されないことがあります。数学記号を含むフォントに変更すると解決する場合があります。
Q. スマートフォンでも使えますか?
A. 使えます。記号をタップするとコピーされ、メモやチャットなどにそのまま貼り付けられます。
Q. 商用の資料に使ってもよいですか?
A. 記号自体の利用に許可申請やクレジット表記は不要です。ただし、記号データを含む当サイトのコンテンツの無断転載・複製・再配布や、販売を目的とした利用はご遠慮ください。
ご利用にあたって
本ツールおよび本ページは現状有姿(as-is)で提供されるため、ご利用は利用者ご自身の責任においておこなってください。記号はUnicode標準文字セットに含まれるものを中心に採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによって表示が異なる、または正しく表示されない場合があります。また、記号の意味や用法は数学の分野・文脈によって異なることがあるため、学術文書でお使いになる際はその分野の表記慣行をご確認ください。本ツールの利用、または利用できなかったことにより生じたいかなる損害についても、AMIXは責任を負いかねます。本ツールの仕様・内容は、予告なく変更または提供を終了する場合があります。
記号を探す時間を、内容を練る時間に回せるように。数式まわりの作業に、数学・演算記号ライブラリをお使いください。



