抵抗値のΩ、角度のθ、統計のσ。海外の人名に含まれる é や ü、ドイツ語の ß。どれも読めるのに、いざ書こうとすると入力方法が思い出せない。デザイン事務所AMIXは、ギリシャ文字とアクセント付き・特殊ラテン文字をクリックひとつでコピーできる無料Webツール「ギリシャ文字・特殊ラテン文字ライブラリ」を公開しました。ギリシャ文字の大文字・小文字に加え、ヨーロッパ各国語で使われる文字まで、120種類以上を一覧に並べています。アプリのインストールやアカウント登録は不要で、ブラウザを開けばすぐに使い始められます。

どんなツールか

ギリシャ文字・特殊ラテン文字ライブラリは、文字の一覧から使いたいものをクリックすると、その文字がクリップボードにコピーされるツールです。あとは貼り付けたい場所でCtrl+V(MacならCmd+V)を押すだけで、文書やチャット、Webページに入ります。

これらの文字は、日本語キーボードからの入力が特にやりにくい部類です。ギリシャ文字は日本語入力の変換でいくつか出てくるものの、大文字と小文字が混ざって並ぶため取り違えやすい。アクセント付きラテン文字はそもそも変換候補に出ず、OSの文字ビューアや外国語キーボードを追加して入力する、という段取りが必要になります。目当ての文字を目で見て選べるだけで、この段取りがまるごと省けます。

収録しているのはUnicodeの標準文字で、画像ではありません。文字として貼り付くため、検索や並べ替えの対象になります。表示はフォントによって異なり、対応する字形がない場合もあります。処理はお使いのブラウザ内で行われ、検索した語やコピーした文字が当方のサーバーへ送信・保存されることはありません。

ギリシャ文字は「読み」で引ける

ギリシャ文字の難しさは、字形と読みが結びつきにくいところにあります。Ξ を見て「クシー」と即答できる人は多くありません。そこでこのライブラリでは、24字の大文字と25字の小文字それぞれに日本語の読みと英語綴りを持たせ、どちらからでも検索できるようにしています。「シータ」でも「theta」でも θ が出てきます。

小文字の一覧には、語末に置かれるときに形が変わる ς(シグマの語末形)も入れています。ギリシャ語の単語を正しく綴る場面では、通常の σ と使い分ける必要がある文字です。カテゴリは「ギリシャ大文字」「ギリシャ小文字」に分かれているので、Α(大文字アルファ)とラテン文字のAを取り違えるような事故も起きにくくなっています。

アクセント記号の名前を知っておくと早い

ラテン文字に付く小さな記号には、それぞれ名前があります。à の記号はグレイヴ、á の記号はアキュート、â は山形のサーカムフレックス、ã は波形のチルダ、ä は点二つのウムラウト、å は丸のリング、ç は下に垂れるセディーユです。このライブラリでは、これらの名称に加えて、フランス語式の呼び方(アクサングラーブ、アクサンテギュ、アクサンシルコンフレックス、トレマ、セディラ)でも検索できるようにしています。

アクセント付きの文字は小文字27字・大文字26字を収録しています。人名や地名では大文字から始まることが多いため、É や Ü のような大文字を別カテゴリで揃えているのは実務的な意味があります。なお、コピーされるのはアクセントと文字がひとつに結合した「合成済み文字」です。ここでコピーするアクセント付き文字は1コードポイントですが、貼り付け先の正規化処理で内部表現が変わる場合があります。

主な機能・特徴

一覧を眺めて選び、クリックして貼るという流れに絞った構成です。

  • ギリシャ大文字・ギリシャ小文字・アクセント小文字・アクセント大文字・特殊ラテンの5カテゴリに、120種類以上の文字を収録しています。「すべて」タブでは全文字を通しで確認できます。
  • 文字をクリックすると自動でクリップボードにコピーされ、画面下部に「コピーしました!」と表示されます。
  • 検索は文字名・文字そのもの・読みや言語名のキーワードを横断します。「アルファ」「alpha」「ウムラウト」「トルコ語」といった入り口から絞り込めます。
  • 特殊ラテンのカテゴリには、ドイツ語の ß、フランス語の œ、デンマーク語・ノルウェー語の ø、アイスランド語の þ と ð、ポーランド語の ł、チェコ語の š ž č、トルコ語の ğ ş ı İ などを収録しています。
  • 合字の æ Æ œ Œ も揃えているため、古典的な綴りやロゴのタイポグラフィにも対応できます。
  • クリップボードへの書き込みが失敗した場合は、代替のコピー方法を試みます。ただし、ブラウザによっては自動コピーや失敗の通知ができないこともあるため、貼り付け結果を確認し、必要に応じて手動でコピーしてください。

言語名でも検索できるため、「クロアチア語」のように登録された言語名から候補を探せます。文章全体ではなく、短いキーワードを入力してください。

使い方

上部のタブでカテゴリを選ぶか、検索欄に読みや言語名を入力すると、下の一覧が絞り込まれます。使いたい文字をクリックすればコピー完了です。スマートフォンではタップで同じ動作になります。

対応する文字を入力できる場所へ貼り付けられます。Word・Excel・PowerPointの本文、メールの宛名、Webサイトの原稿、SNSのプロフィール、ソースコードの変数名やコメントまで、入力欄や利用する言語の文字制限に合わせて使ってください。ギリシャ文字を数式に使うときは、数学記号側の Σ や Δ と字形の系統が揃うかを一度確認しておくと、仕上がりが整います。

活用シーン

  • 論文やレポートで、π・θ・Ω・Δ・σ などの学術表記を正確に書きたいとき
  • 統計や物理の説明で、μ(平均)や σ(標準偏差)をテキストのまま記述したいとき
  • 海外の人名・企業名・地名を、アクセント記号まで含めて正しく表記したいとき
  • 語学の教材や単語帳を作り、原語の綴りをそのまま残したいとき
  • ロゴや商品名、SNSのアカウント名に欧文らしいアクセントを効かせたいとき
  • 翻訳原稿で、原文の固有名詞を崩さずに引き写したいとき
  • プログラムやCADの変数名・記号名にギリシャ文字を使いたいとき

これらの文字は画像ではなくテキストなので、あとから検索や置換ができます。長い翻訳原稿で綴りの統一を確認したいときにも、テキストであることが効いてきます。

よくある質問

Q. 利用は無料ですか?

A. はい。収録しているすべての文字を無料で使えます。事前の申請やクレジット表記も必要ありません。

Q. どんな文字が収録されていますか?

A. ギリシャ文字の大文字・小文字、アクセント付きラテン文字の小文字・大文字、そして ß・ø・æ・þ などの特殊ラテン文字を、5カテゴリに分けて120種類以上収録しています。

Q. アクセント付きの文字は、あとで分解されてしまいませんか?

A. コピーされるのは1文字として扱われる合成済み文字です。ただし貼り付け先のソフトの正規化処理によっては、内部表現が変わる場合があります。

Q. 文字の形がサイトの見た目と違って表示されます。

A. 文字はUnicode標準文字セットに含まれるものを採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによって字形やデザインが異なる場合があります。

Q. 商用の制作物に使ってもよいですか?

A. 文字自体の利用に許可申請やクレジット表記は不要です。ただし、文字データを含む当サイトのコンテンツの無断転載・複製・再配布や、販売を目的とした利用はご遠慮ください。

ご利用にあたって

本ツールおよび本ページは現状有姿(as-is)で提供されるため、ご利用は利用者ご自身の責任においておこなってください。文字はUnicode標準文字セットに含まれるものを採用していますが、お使いのOS・ブラウザ・フォントによっては、字形やデザインが異なる、または正しく表示されない場合があります。外国語の正式な表記・用法については、各言語の辞書や表記ルールをあわせてご確認ください。本ツールの利用、または利用できなかったことにより生じたいかなる損害についても、AMIXは責任を負いかねます。本ツールの仕様・内容は、予告なく変更または提供を終了する場合があります。

学習や研究、翻訳、デザインの現場で、必要な一文字にすぐ手が届くように。ギリシャ文字・特殊ラテン文字ライブラリをお役立てください。