PRINT DESIGN — PAMPHLET
パンフレット制作事例 – 高齢者を対象とした研究調査結果のパンフレットデザイン







活動的なシニアをイメージした高齢者に関するパンフレットデザイン。
都会の中の公園を舞台に、アクティブに活動するシニア世代の様子を描いたイラスト素材を全面に使い表紙・裏表紙をデザインしました。自然溢れる公園の爽やかなグリーンと遠目にそびえるビル群の背景が、穏やかなシニアの暮らしと社会とのつながりを示唆しています。
視覚的な工夫と読みやすさ
中面は白を背景にグリーンで枠を描き、調査の概要とその結果について読みやすくまとめました。結果を4つのグループに分けて色分けしたり、年齢区分ごとにイメージイラストを入れるなどし、カテゴリーが一目でわかるように工夫されています。
効果的なデザインとエイジレスな印象
また、調査を通じて得た結果をチェックマークや赤字を使って端的にまとめ、調査の結論へとスムーズにつなげています。全体に爽やかで快活な印象でデザインし、若々しくエイジレスなイメージを表現しました。



色数を増やしてもスッキリと見えるカラフルデザインのポイント
作例はシニア層をターゲットにした研究報告パンフレットデザインです。シニア向け広告にありがちな『落ち着いた色味』ではなく、あえて『健康的で元気な印象になるような色』を選んでいます。研究報告のパンフレットは商品やサービスをPRする広告媒体ではありません。研究結果をポジティブに伝えて、その内容を理解してもらうための『啓蒙的な媒体』になります。
表紙デザイン – メリハリとエネルギッシュな印象
色味を健康に関するポジティブなものにすることで、思わずパンフレットを読みたくなるようなデザインが必要と考えました。表紙と中面は色のトーンを変えています。表紙のイラストは落ち着いたトーンで統一し、タイトルの色のトーンを明るくしました。メリハリをつけることで、タイトルフォントが際立って見えるようにしています。
表紙のタイトルには、グリーンをメインタイトルに、サブタイトルをオレンジの白抜き仕様にしています。オレンジをアクセントカラーにすることで、はつらつとした印象を狙いました。グリーンとオレンジは一見コントラストが大きいですが、組み合わせるとエネルギッシュな爽やかさを表現できます。
配色の工夫 – トーン調整とバランスのとり方
ただ、両者とも原色で使用するには主張の強い色なので、表紙のタイトルはグリーンのトーンを上げバランスをとりました。トーンを変えて色の印象や圧力を調整することで、主張の強い色であっても効果的な配色が叶います。
中面デザイン – 余白の確保と統一感の出し方
中面は文字情報が多いですが、白で余白をしっかりと確保することでスッキリと見せています。イラストを随所に入れながら、余白のバランスをとりました。
中面では、メインカラーのグリーンをふんだんに使いながら、トーンを合わせて色を足していきました。調査結果が直感的にわかるようにアクセントカラーの赤で目立たせています。色とイラストを多用していますが、トーンを合わせることで全体的にまとまりを出しました。
制作パンフレットデザイン に対する感想
VOICE ※第三者による感想です絵本のような佇まいが優しいパンフレットデザイン
思い思いのシニアライフが描かれる
表紙は見開きでイラストがつながっていて、ジョギングを楽しむ人、サイクリングに勤しむ人、ベンチでのんびり過ごす人など、さまざまなシニア世代の姿が描かれています。遠景のビル群が都会であることを感じさせますが、多様な種類の木々が立ち並ぶ緑地はのどかな雰囲気ですね。シンプルな線で構成されたイラストですが、人物は白髪やグレイヘアをアイコンとして用いて高齢者を表すなど、伝えたい事柄はしっかりと伝わってきます。
くっきり読みやすい文字と見出しデザインが○
中面は、丸みのあるくっきりしたフォントが大きめのサイズでレイアウトされていて、読みやすく感じます。見出しの色も濃い色が用いられていて、パッと全体の内容がつかみやすいように見えます。テキストのボリュームは多めですが、優しいタッチのイラストがあしらわれていて、かたい雰囲気になっていないのが良いですね。緑色の囲み枠の中の色も、落ち着いたグリーンがおしゃれです。
学術的な「調査結果」を、行動を促す「ヒント」に変えるデザイン

※画像はイメージです
このパンフレットが取り組んでいるのは、単なる商品紹介やサービス案内とは異なる、非常に専門的な課題です。それは、「学術的な調査研究の成果(データ)」を、調査対象である「一般の高齢者(やその家族)」にいかに分かりやすく還元し、未来の行動につなげてもらうか、という「翻訳」の作業です。
デザインは、この「翻訳」のプロセスで中核的な役割を担っています。
表紙の「色々な活動のススメ」というタイトルは、このパンフレットが「研究報告書」という堅苦しいものではなく、読者の「これからの生活」への「提案」であることを明確に示しています。
デザインの役割は、研究の信頼性を担保しつつ、その内容を読者の「自分ごと」として読み解ける、ポジティブな「ヒント集」へと昇華させることにあります。
「信頼性」と「可読性」の両立
中面(画像2枚目)は、この「信頼性」と「可読性」のバランスを巧みに設計しています。
- 信頼性の担保: まず、「調査の概要」として、「研究協力者」「質問項目」「手続き」が明記されています。研究機関の名称や、300名という具体的な調査対象者数(N数)が示されることで、この情報が感覚論ではなく、客観的なデータに基づいているという「信頼性(=専門性・権威性)」を確立しています。
- 可読性の追求(右ページ): その上で、「わかったこと」のセクションでは、専門的なデータを一気に「読みやすく」翻訳しています。
- 情報のグルーピング: 調査結果を年齢層で区切り、それぞれにアイコンを添えることで、読者は自分の年齢や関心に近い部分から読み進められます。
- 視覚的な強弱: 最も重要な結論は、緑の枠内でさらにチェックマーク(✔)や赤字を用いて強調されています。これにより、多忙な読者でも要点だけを素早くつかむことができます。
ポジティブな「行動変容」を促すイラストの力
上記でも既に触れられている通り、このパンフレットは「シニア向け」の固定観念にとらわれない、明るく「エイジレス」なトーンを採用しています。このトーンは、表紙のイラストで決定づけられています。
描かれているのは、サイクリング、ジョギング、ベンチでの休憩といったシーンです。重要なのは、これらの活動が「リハビリ」や「介護」といった文脈ではなく、純粋に「日常の楽しみ」として描かれている点です。
背景に描かれた都会的なビル群は、「社会とのつながり」を象徴し、「孤立」の対極にある「社会参加」のイメージを伝えます。こうしたビジュアルは、「年を取る=できなくなることが増える」という消極的なイメージを払拭し、「『これから』も、生き生きと活動できる」という積極的な未来像を提示します。
研究結果という「事実」に、ポジティブな「感情」を乗せることで、読者の「私も何か始めてみよう」という小さな行動変容を後押ししているのです。
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