環境問題、戦争、気候変動など世界の考えさせられるコマーシャル動画作成例

日本ではよくCM（コマーシャルメッセージ）と略して使いますが、海外ではCMでは通じません。そのままcommercialです。そしてコマーシャルは「商業的」という意味ですが、何も商品や企業のイメージアップだけをするのがコマーシャル動画ではありません。様々な活動や想いを訴えたり、支援を依頼したりとコマーシャル動画の種類は様々です。

ということで、今回はそんな海外の想いの詰まったコマーシャル動画を集めてみました。中には衝撃的な映像や、観終わった後に胸がグッと締め付けられることもあるかもしれません。もちろん映像自体は作り物ですが、しかし世界で起こっている現実に触れ、考えることもクリエティブな思考には大切なことだと思います。(※紹介する動画は当サイトの制作事例ではありません)

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シロクマが降ってくる世界でいいのか？決して他の世界のことではないと考えさせられるコマーシャル動画

Polar Bear

ロンドンに拠点を置く映像制作会社が製作した、飛行機の短距離フライトが自然界に与える影響を訴えるコマーシャル動画です。徐々に大きくなる飛行機の騒音と共にコンクリートに囲まれたビル群に次々と落ちてくるリアルなシロクマの数々。もちろん現実の映像ではありませんが衝撃の映像です。海外のコマーシャルでは、こういった直接衝撃的な映像を観せることにより注意喚起を促す手法もよく使われます。タバコのパッケージなども同じ手法ですね。決して気分のいいものではありませんが、こうすることで緊急性を高め、よりダイレクトに訴えることも必要なのかもしれません。

シリアを始め、世界中で子供達を救うために活動する団体のコマーシャル動画作成例

Most Shocking Second a Day Video

可愛らしい女の子のなんでもない日常。そして家族や友達に囲まれた幸せな誕生日。しかしその日以来彼女を取り巻く環境に徐々に変化が現れて…。1年後、再び誕生日を迎えた彼女はロウソクの火を消せないでいる。2014年に公開されたこの動画は世界で5千万回以上再生され、過去2年間で最も視聴された動画の一つになりました。この動画を観て何を考え、どう受け止めるかは自由です。しかし、現実の肌触りを受け流しがちな平和な日本でこういった活動を知ることができるのも映像をつくる大事な役割なのだと思います。そして、この動画の続編で、実話を元に構成された「Still the Most Shocking Second a Day（スティル・ザ・モスト・ショッキング・セカンド・ア・デイ）」も公開されていますので、是非そちらもご覧ください。

岩肌むき出しの斜面を果敢に攻める。気候変動を訴えるコマーシャル動画制作例

Skiing the California Drought: No Snow, No Water

アメリカ、カリフォルニアの岩山を登るスキーヤーとスノーボーダー。しかしやっと到達した山頂から見渡してもどこにも雪はない。それでも果敢に滑りだすのだが…。カリフォルニアの街に住む人々の水の30%は貯水ではなく、山々に降る雪が支えているのだそうで、その雪が降らなければ当然人々に水を供給出来なくなるわけです。気候変動によってその雪が毎年減っているというのをコマーシャル動画で訴えています。その訴えももちろん重要ですが、単純にこのスキーヤーやボーダーの体を張った滑りに感心します。撮影後は全身アザだらけではなかったのかと心配してしまいます。

みんな大好きケンタッキーが国を超えて笑顔をつくるコマーシャル動画

KFC — Share the Taste of Home TVC

最後は誰もが一度は食べたことがあるケンタッキーのコマーシャル動画です。南アフリカからタイのバンコクに転向してきた女の子。言葉も文化も食べ物も違う国にやってきて周りと馴染めない日々。しかし世界共通のケンタッキーで笑顔を取り戻すといった定番の商業的なコマーシャルではありますが、ここには私たち日本人が今後向き合わなければならないことが描かれていると思います。

コマーシャル動画だけではありませんが、海外では人種や宗教、政治などを無視してクリエイティブな作品は生み出せません。今後日本でもこういったテーマを何気ない日常の出来事として扱えると作品の幅が広がるような気がします。