
毎月、あるいは隔月でやってくる締切日。経営陣からのメッセージや定例の報告事項は埋まっても、社員に読ませるための「企画ページ」が白紙のまま……という経験がある方も多いのではないでしょうか。
「ネタがない」 「企画がマンネリ化している」 「いつも同じような紙面になってしまう」
そんな社内報担当者の皆様の、行き詰まった脳みそを強制的に「揺さぶる」ための無料ツール『社内報アイデアメーカー』を公開しました。
これは非常にシンプルな「ガチャ」のようなシステムです。しかし、だからこそ、人間の論理的な思考では辿り着けない「斜め上の企画」に出会えるかもしれません。
なぜ、今このツールを作ったのか

社内報は「読む」ものから「感じる」ものへ
私たちがこのツールを作った背景には、社内報という媒体に対する役割の変化があります。かつて社内報は「経営情報を伝達するための回覧板」でした。しかし、チャットツールやグループウェアが普及した現代において、単なる情報伝達であれば社内報である必要はありません。
今、社内報に求められているのは「組織の体温」を伝えることです。
リモートワークやハイブリッドワークが当たり前になり、オフィスですれ違うことや、給湯室での雑談等も減りました。「隣の席の人が、今どんな気持ちで仕事をしているのか」「新しく入った中途社員がどんなキャラクターなのか」、そういった「空気感」の共有が難しくなっています。
業務効率化が進む一方で、組織への帰属意識や心理的安全性は意図的にメンテナンスをしなければ希薄になる一方です。そんな時代だからこそ、社内報には「焚き火」のような役割が必要だと私たちは考えています。
人々が自然と集まり、暖を取り、なんとなく話が弾む場所。「あの人、意外と面白いね」「うちの会社、こういう所あるよね」と、社員同士の心の距離を縮めるための”手触りのある情報”。それを作るためには、従来の堅苦しい企画会議の枠を少しだけはみ出す必要があります。
脳は「論理」で詰まる
企画会議で行き詰まる原因の多くは、「真面目に考えすぎること」にあります。「社長のインタビューの次は、部長のインタビューで…」「季節柄、次は新入社員紹介で…」と、論理的に正解を導き出そうとすると、どうしても過去の踏襲になりがちです。
この『社内報アイデアメーカー』は、そんな予定調和を壊すために作られました。
「組織の体温を伝える」という社内報の役割は、デザインの観点からも非常に重要なテーマです。
社内報のデザインを手がける際、「堅い情報」と「柔らかいコンテンツ」のバランスをどう取るかはいつも悩みどころです。経営メッセージや業績報告だけが続くと読まれなくなりますし、雑談だけでは存在意義が薄れてしまいます。
デザイン上の工夫としては、「情報の温度差」をビジュアルで表現する方法があります。堅い情報はモノトーン基調のシンプルなレイアウトで、社員紹介やイベントレポートは写真を大きく使った賑やかな紙面にする――このメリハリが、ページをめくる手を止めさせない秘訣です。
5,000通り以上の「偶然」を提供する仕組み

このツールの仕組みは単純です。「主語(Subject)」×「切り口(Context)」 この2つの要素をランダムに掛け合わせるだけです。しかし、そのデータベースには「社内報あるある」や「実はウケるニッチなネタ」を大量に詰め込みました。
1. 「主語」の多様性
単に「社員」とするのではなく、以下のような細かい属性を用意しています。
- 人: 「新卒1年目」「勤続10年選手」「情シス担当」「愛猫家社員」「サウナ好き」「自転車通勤勢」
- 場所: 「第一会議室」「給湯室」「オフィスの屋上」「非常階段」「サーバールーム」
- モノ: 「社用車」「謎のオブジェ」「防災グッズ」「高級コーヒーマシン」「経費精算システム」
2. 「切り口」の意外性
これらに掛け合わせる切り口も、定番から変化球まで幅広く用意しました。
- 「のカバンの中身」
- 「のスマホホーム画面」
- 「の黒歴史」
- 「のトリセツ」
- 「の擬人化」
- 「の知られざる機能」
これらがランダムに組み合わさることで、人間の発想では出てこない企画案が生成されます。
例えば…
- 「社長」×「のカバンの中身」(これは定番ですが、鉄板の企画です)
- 「オフィスの観葉植物」×「のつぶやき」(植物視点でオフィスの日常を描く、エッセイ風の企画が見えてきます)
- 「経理部」×「の推し活事情」(お堅いイメージの経理部の意外な素顔に迫る、ギャップ萌え企画です)
- 「第一会議室」×「の怪談話」(「あの会議室、実は空調が効きすぎて寒いよね」というあるあるネタや、過去の失敗プレゼンの歴史を振り返る企画になるかもしれません)
過度な期待はしないでください(このツールの限界)

リリースにあたり、正直にお伝えしておきたいことがあります。このツールは、「完璧な企画書」を出力するものではありません。
ランダム生成という性質上、時には「意味不明な組み合わせ」が出てくることもあります。例えば「非常階段の入社動機」とか「高級コーヒーマシンの退職エントリ」といった、哲学的な(あるいは支離滅裂な)ワードが表示されることもあるでしょう。
しかし、すぐに「使えない」と切り捨てないでいただきたいのです。
「非常階段の入社動機…? 建物としての入社…つまり『竣工当時の写真』を紹介する企画はどうだろう?」「コーヒーマシンの退職…? ああ、そういえばリース切れで来月入れ替えだ。今までありがとう企画ができるかも」
このように、一見ナンセンスな言葉を「連想ゲームのトリガー(引き金)」として使っていただきたいのです。
整然とした会議室で腕を組んでいても出てこないアイデアが、突飛な単語を見た瞬間に降りてくることがあります。このツールは、企画を完成させるためではなく、固まった脳をストレッチさせるための準備運動として設計されています。
社内報の企画づくりにおいて、ランダム生成ツールという切り口はユニークですが、実はデザインの世界でも似たようなアプローチが存在します。「強制連想法」と呼ばれる手法で、無関係な単語同士を組み合わせることで既存の発想パターンから抜け出すテクニックです。
社内報に限らず、チラシやポスターのキャッチコピーに行き詰まったとき、まったく関係のないキーワードを投げ込んでみることで思わぬ着想を得られることがあります。「ロジックで行き詰まったら、偶然に頼る」――これは、デザインの現場で地味に活躍する方法論の一つです。
デザインへのこだわり
ツール自体の機能はシンプルですが、使うこと自体が少しでも楽しくなるよう、UIデザインにはこだわりました。
- 没入感を高めるダークモード: 業務ツール然とした白背景ではなく、クリエイティブな気分を高めるためのダークトーンを採用しました。
- ライムカラーのアクセント: 刺激的なライムグリーンをキーカラーにし、脳への刺激を視覚的にも表現しています。
- スロットマシンのような演出: 「アイデアを生成」ボタンを押した時の文字がシャッフルされる演出。これは単なる飾りではなく、「偶然性」を楽しむための儀式です。
PCはもちろん、スマートフォンでも快適に動作します。通勤電車の中や、ランチタイムの手持ち無沙汰な時間、あるいはトイレの中など…ふとした瞬間にポチポチと押してみてください。100回に1回くらい、社内を爆笑させる神企画の種が見つかるかもしれません。
最後に:社内報制作担当者様へ

社内報の制作は、孤独で地道な作業の連続です。ネタ集め、アポ取り、原稿の催促、写真撮影、校正確認……。ルーチンワークに忙殺され、本来一番楽しいはずの「企画」が苦痛になってしまっては本末転倒です。
私たちは、社内報づくりをもっとクリエイティブで、遊び心のあるものにしたいと考えています。
この『社内報アイデアメーカー』が、皆様の企画づくりの小さなヒントになれば幸いです。無料ですので、何度でも回して、遊んでみてください。
もし、このツールで「いい企画」が思いついたけれど、それをどうやって誌面に落とし込めばいいか分からない、デザインするリソースが足りない、という場合は、私たちASOBOADにご相談ください。「読みたくなる」「捨てられない」社内報のデザイン制作を、プロのクオリティでサポートいたします。
▶︎ 社内報デザイン制作事例を見る / ▶︎ 社内報デザインのブログ記事一覧 / ▶︎ 特集:読まれる社内報の作り方・デザインのポイント