タイポグラフィーを文字として機能させるか、画面を埋める道具として使用するかは、デザイナー次第です。
降ってくるタイポグラフィーのリズムに耳を傾けて
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傘をさした男が、雨の中を歩いています。白黒の風景で、雨が黒色で表現されていることで、見た目に違和感を感じます。そこがデザイナーの意図したところであり、遊び心の部分です。黒い雨をよく見ると、すべてタイポグラフィーでできていることがわかります。長体をかけた細い長い文字を重ね、垂直に降っています。ところどころベタ塗りにして、画面全体の濃淡を考え雨の方向を意識しています。透明であるはずの雨が、遠目に柳のように見えるのは、文字の扱い方のためです。雨に近寄ると、文字が垂直に降ってきていることがわかります。「降ってくるタイポグラフィーのリズムに耳を傾けて」と、お洒落なコピーをつけたポスターです。
ニューヨーク美術大学のポスターデザイン
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ニューヨークの街には多くの美術学校があります。デュシャンとジョンケージのチェスプレーを録音した、久保田茂子が教鞭についていた学校が、ポスターを制作したスクールオブビジュアルアートです。マンハッタン23丁目にある美術大学のポスターは、入学シーズンが来るといつも地下鉄車両内広告のなかでも異彩を放ちます。視覚的にもインパクトのあるデザインで、メッセージ性もあり、何と言っても乗客を楽しませることを忘れません。この赤い色面に “ ART IS ” 「アートは⋯」と、文字が透明で抜けています。抜けた部分から背面の抽象的なポートレイトが覗きます。アートはこれですよ、この学校こそアートなのですよと言っているようです。
暗闇 “ blackout ” – 闇に溶け込むポスター
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英語で停電、暗闇を表す語が “ blackout ” です。ニューヨーク大停電も、一語のグラックアウトになります。ポスターのほとんどが囲いで外界と遮断されています。黒いタイポグラフィーで遮蔽部分は埋められ、白を背景に、 “ blackout ” の文字が上部にやっと視認できるぐらい溶け込んでいます。素材は人目で材木のように見えますが、注視しなければわかりません。暗闇で文字を読む面白みをポスターにしたものです。
デザインは表現の視覚言語化、ピクトグラム化、シンボル化など、表現のメッセージ化です。言語はコミュニケーションツールとして機能しますが、メッセージのピクトグラム化は、人の想像性、既成概念情報に左右します。人の思い込み、決まりごとへの裏切りこそ、デザインの遊び心の視覚化と言えるのです。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。ポスターのデザイン料金と作例
■ポスターデザインの制作について
各種パネル・ポスターの作成を行なっています。デザインの作成から印刷・納品までまとめて依頼いただけます。飲食店やアパレルなどの店頭ポスターや、展示会パネル、電車内の交通広告、イベント告知ポスターなど、多様なジャンルのデザイン作成に対応しています。ポスター作成の代行・委託・外注については気軽にお問い合わせください。
■ポスターデザインの作成例はこちら
過去のパネル・ポスター作成例をご覧いただけます。展示会やイベント向けの大きく目立つものから、学会・カンファレンスなどを対象としたやや小さめのポスターまで、サイズはもちろん、イベントやビジネスのイメージに合わせたデザイン作成を行なっています。