網版が発明される以前、印刷媒体は白黒表現が一般的でした。網版が誕生しハーフトーン表現が可能になったことで、視覚的にもリアリティーある表現が可能になりました。
「沸点」“ BOILING POINT ” と記されたポスターデザイン
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白黒階調でマルを埋めると、方向によって出っ張って見えたり、凹んで見えたりします。カラー二色だけで使った階調だと、平面にしか見えません。モノクローム階調を含んでいると、色があっても立体を表現できます。自然界にはモノクロトーンが溢れています。「沸点」 “ BOILING POINT ” のポスターでは、黒に近い幅狭い階調でできていることから、沸点を過ぎて泡が沸くように見えます。この膨らんだレリーフのリアリティーを後押しするのが、周りに描かれた小さな点です。この点があることで、ポスターの怪しく飛びだす半球体にリアリティーを与えています。
ドットで立体感を表現したポスター作成例
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ポスターの左上部と右下部にある二つの言葉は、ドイツ語で Lust「熱意・愛欲」、 Leid「悲しみ・苦痛」を意味します。ポスターの手は、何かをつかもうとしているようです。手のポーズは、二つのどちらをつかもうとしているかわかりません。この中庸の姿だからこそ、このキャッチにピッタリなのです。モノトーンであることも見逃せません。色彩は、感情、情緒、植物の完熟、時間、四季、様々なことを伝えます。物理的立体感はモノトーンが必要です。手がモノトーンで立体的に見えるのは、ドットでできた網版のおかげです。ドットひとつひとつは、点にしか過ぎません。この点が小さくなればグレーに見え、大きくなれば陰影になります。大きさが序列を持って変化すれば、階調表現することができます。つまり、二階調でも写真のような立体感を表現できるようになりました。
“ G ” をモチーフにしたグラフィックデザインインスピレーション
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ポスターには、アルファベットの “ G ” の文字があるだけです。でもどうでしょう。 “ G ” を読めますが 厳密に言えば存在しません。 “ G ” に見えるのは、強調された点で形が見えるだけです。心理学的に言えば、ゲシュタルト現象です。小さな点があっても、人は全体でものを認識する習性を持ちます。このポスターでは心理特性を生かして、点で流れるようなアルファベットの “ G ” を表現しています。
マルの表現でも、階調を使いリアルに表現するもの。網版を使い写真に見せるもの、平面性を生かすものなど様々です。印刷技術の網版で、面白いデザインができます。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。ポスターのデザイン料金と作例
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