
ビジネスのおけるブランドイメージの重要な基盤となるロゴマーク。分かりやすくシンプルなもの、インパクトのあるワンポイントが入っているもの、また非常にユニークで複雑なものなど、世界中には多種多様なロゴマークが存在しています。
ロゴマークはいわば企業とユーザーの最初のコンタクト。ユーザーへの認知を促し、企業の歴史・経営理念・想いを表現する最小のプレゼンテーションアイテムです。企業のイメージやメッセージを上手に取り入れたロゴは、ブランドの構築を確実に促進させビジネスの成功にも繋がります。今回は、視覚効果に富んだクリエイティブなロゴデザインを様々な手法で行なっているBrandology Studioの企業ロゴ制作例をご紹介します。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。(Thank you, Brandology Studio ! )
Brandology Studioはサウジアラビア王国の首都リヤドを拠点に、ブランディングを主とするグラフィックデザインを手がけるオンラインスタジオです。念密な調査と絶え間なく繰り返されるデザインスタディにより完璧なブランディングデザインを生み出し、そのクオリティーの高さには定評があります。中でも注目すべき点はブランディングの基となるロゴのデザイン。シンプルなロゴながらも、ワンポイントのマークを上手く取り入れたり、テキストを図柄的に構成したりと、ビジュアル効果を高める数々の手法を使い、誰が見ても理解しやすく記憶に残りやすいテイストでデザインされています。
各々のロゴを系統立てて見てみましょう。
「メッセージを上手に取り入れた」ロゴの特徴は「説明不要でメッセージが伝わる」こと
この事例集のロゴが「メッセージを上手に取り入れている」と評されるのは、ロゴを見た瞬間に、言葉での説明なしに「このブランドが何を大切にしているか」が伝わるからです。
「上手に取り入れた」と「露骨に入れた」の違いは、メッセージの込め方の「さりげなさ」にあります。環境配慮のメッセージを伝えるために緑色の葉っぱを大きく描くのは「露骨」、ロゴの線の流れに自然物の有機的な曲線を忍ばせるのは「さりげない」。後者の方が、気づいた人に対する印象の深さが大きくなります。
1)幾何学形態で制作されたシンボルを使った企業ロゴ









円の一部や直線を組み合わせ、企業や商品のイメージを象徴し図案化されています。一目見て鮮明で覚えやすく、モダンでスタイリッシュな様相です。


幾何学形態で構成されるロゴは、そのシンプル性から多様に展開が可能という利点があります。その一例が『Hakaya』ロゴの二つのバージョン。基本となる『Hakaya』の一部をアレンジし、ピンク色の円をプラスさせることで女性が対象であることを表現し、『Hakaya for girls』ロゴが出来上がっていますね。


この二つは円形をベースに構成されているシンボルです。一般的に円は親近感を与えやすい形状で、ロゴに用いられやすい図形です。どちらのロゴも円形の連続性を巧みにデザインに取り入れ、クラシカルで洗練された雰囲気を漂わせています。
2)インパクトのある有機的なワンポイントマーク






こちらは、流れや動き、光や影を感じさせられる有機的な図柄で構成されているロゴです。どのデザインもアシンメトリーで作られているマークですね。見る人に安定感や誠実さを促す左右対称のシンメトリーに対し、左右非対称のアシンメトリーのグラフィックは、躍動感・自由・広がりを想像させます。スピード・伸張・進展などのメッセージを彷彿させる、完成度の高いロゴマーク群です。
企業ロゴに込める「メッセージ」は「現在の事業内容」ではなく「将来のビジョン」を優先する
この事例集のロゴが長期的に機能しているのは、「今やっていること」ではなく「将来こうありたい姿」をメッセージとしてロゴに込めているからです。
「今、飲食業をやっている」を直接的にロゴに入れると、将来事業を拡大したときにロゴが合わなくなります。一方、「人々に喜びを届ける」というビジョンをロゴに込めれば、事業内容が飲食から小売に拡大しても、ロゴのメッセージは有効です。ロゴに込めるメッセージは「現在の事業」よりも「不変のビジョン」を選ぶ方が、ロゴの寿命が長くなります。
3)アラビック・カリグラフィーの利用









サウジアラビアのBrandology Studioがロゴのデザインに頻繁に取り入れているのは、イスラム圏のグラフィックに欠かせないモダン・アラビック・カリグラフィーです。「数学的な完璧な美しさを表現する幾何学模様」と「神秘的な世界を暗示する文字文様」の二つの要素から厳格なルールに従って制作される伝統的なアラビック・カリグラフィーをベースに、現代的な自由な風合いをプラスし、優雅で洗練されたモダン・アラビック・カリグラフィーを使った ロゴマークを各種デザインしています。
4)表情をつけた英字アルファベットフォントの制作








単純な文字情報だけで構成されたデザインは、「堅い・難しい」といったイメージを与えがちです。不確定多数のユーザーに認識してもらい記憶の中に留めてもらうことを目的とする企業ロゴでは、テキストだけのロゴもビジュアル的に価値を持たせる必要があります。Brandology Studioの作成するこれらの企業ロゴデザインは、ファッション性・品質・ユニーク性などをオリジナルのタイポグラフィーの中に込め、企業の事業内容や雰囲気を思い描きやすいロゴに出来上がっています。各ロゴのカラーリングの仕方も興味深いです。
5)内容が一目でイメージできるイラストロゴ
各種サービスのロゴデザイン









最後は、シンボルマークにイラストレーションを上手く取り入れてデザインされた企業ロゴです。一見して、それぞれの図柄から企業やサービスの特徴や主張を連想できるのがこの作品群の特徴ですね。
飲食店・カフェのロゴデザイン






カフェやレストラン・食材やスイーツなどをテーマとしたロゴのデザインには、サービスするアイテムをわかりやすい図柄で表示するのが定石です。年齢層を問わず誰が見ても認識できるイラストレーションに的確なカラーリングを施し、テキストとのレイアウトバランスを考慮しながら各ロゴデザインが仕上がっています。
まとめ
ロゴマークは、形態・タイポグラフィー・カラーリング・質感・レイアウトなど、様々な構成要素から成り立っています。企業が求めるターゲット層に反応・認識してもらい、人の心に残る企業ロゴのデザインは、構成要素を上手に組み合わせ、いかに視覚的効果をあげる見せ方ができるかどうかにかかっています。Brandology Studioの数々の手法がロゴ制作やアイデアの参考になれば幸いです。
design : Brandology Studio ( Saudi Arabia )
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