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はじめに ― 「色が動く」サイトという体験

通常のWebサイトは静止した背景の上にコンテンツが載っています。スクロールしてもページの色は変わりません。でも、『LIQUID(リキッド)』のページを開いた瞬間、あなたの画面にはネイビー、クリムゾン、イエロー、ターコイズが混じり合いながらゆっくりと流れる、生きた背景が広がります。

無料HTMLテンプレート『LIQUID』は、画面全体をグラスモードで覆うリキッドグラデーション(流体グラデーション)を背景に敷いたポートフォリオテンプレートです。15秒の周期で4色以上が滑らかに位置を入れ替え、同じ色の組み合わせは二度と再現されない。ページを開くたびに異なる表情を見せてくれる、一期一会のデザインです。

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デザインの特徴とこだわり

リキッドグラデーション ― 止まらない色彩の呼吸

画面全体に固定された背景レイヤーには、紺、緋色、山吹、翡翠の4色が斜め45度に配置されたグラデーションが敷かれています。これが15秒周期で左上から右下へ、右下から左上へとゆらゆらと流れ続ける。しかも背景サイズは画面面積の4倍に設定されているため、色の移動範囲が極めて広く、同じパターンの繰り返しに見えにくいのです。

さらにこの背景には、フィルムノイズのテクスチャがうっすると重ねられています。デジタルグラデーション特有の「ヌルッとした滑らかさ」を適度に打ち消し、アナログな温度感を加える仕掛けです。

オーバーレイブレンドが生むアートな白文字

ヘッダーの名前や肩書きには「オーバーレイ」というブレンドモードが適用されています。これは背景色と文字色を合成する手法で、グラデーションの色味によって文字の見え方が微妙に変化します。背景が暗い位置では文字が透明感を帯び、明るい位置ではくっきりと浮かび上がる。文字が「景色の中に溶け込んでいる」ような独特の視覚体験です。

ギャラリー画像の「ガラス越し」感覚

ギャラリーの画像は初期状態で30%のグレースケールフィルターがかかり、透明度も80%に抑えられています。マウスを乗せるとカラーが100%に戻り、微かにズームする。この演出により、すべての画像がグラデーション背景とトーンの調和を保ちつつ、ホバーした1枚だけが「色を取り戻して」前面に出てくるような効果が生まれます。

同じ模様が二度と出ない。”一期一会”の背景の作り方

LIQUIDの一番の特徴は、画面いっぱいに流れ続けるカラフルな背景です。紺・緋色・山吹・翡翠といった色が、ゆっくりと位置を入れ替えながら混じり合っていきます。この「色が動く」感覚が、サイト全体に生きているような没入感を与えます。

面白いのは、この背景が”繰り返しに見えにくい”よう工夫されている点です。色のグラデーションを、画面の4倍もの大きさに引き伸ばしたうえで、その広い範囲をゆっくり動かしています。動く幅がとても大きいので、同じ色の組み合わせがなかなか巡ってこず、ページを開くたびに少しずつ違った表情に見えます。「完成形が固定されていない」、一期一会のデザインです。

さらに背景には、うっすらとフィルムノイズ(ザラつき)が重ねられています。デジタルのグラデーション特有のツルッとした人工的な滑らかさを少しだけ打ち消し、絵の具やインクのようなアナログの温度感を添えるための、細かなひと工夫です。

 

こんな方・こんな用途におすすめ

DJのプロモーション

デジタルアーティスト・モーションデザイナー

色彩と動きをテーマにした作品を扱うアーティストにとって、サイトの背景そのものがアート作品として機能する『LIQUID』は理想的な展示空間です。静止画のポートフォリオでありながら「動き」を感じさせる稀有なテンプレートです。

音楽アーティスト・DJのプロモーションサイト

流れる色彩はビジュアライザー(音楽の視覚表現)を連想させます。アルバムアートやライブ写真を並べれば、そのまま音楽活動の雰囲気が伝わるプロモーションページになります。

アロマ・化粧品・スパなどの感覚系ブランド

液体(リキッド)が溶け合うようなグラデーションは、アロマオイルやカラーコスメの世界観と自然に共鳴します。五感に訴えるブランドのイメージサイトとしても活用できます。

“動き続ける”のが魅力。でも、じっくり読ませる用途には不向き

LIQUIDの魅力は、何といっても背景が動き続けることそのものです。その一方で、ずっと色が流れている画面は、長い文章をじっくり読ませたり、細かい情報を整理して伝えたりする用途には向きません。動きは人の視線を引きつける力が強いので、読んでほしいテキストが多いサイトでは、かえって集中を妨げてしまうことがあります。じっと読ませるより、雰囲気を浴びてもらう相手に使うのが正解です。

ぴったりなのは、色彩や動きを作品にするデジタルアーティストやモーションデザイナー、ビジュアライザーを思わせる音楽アーティストやDJ、そしてアロマ・化粧品・スパのような五感に訴える”感覚系”のブランドです。

もし「色の美しさは欲しいけれど、動かずに静かなほうがいい」なら、淡い色がふわっと漂う GLASS が落ち着いて使えます。「没入感のある背景は好きだけど、もっと静謐で落ち着いた世界がいい」なら、宇宙の静けさを湛えた ORBITAL が近い方向性です。”色に浸りたいけれど、どのくらい動いてほしいか”で選んでみてください。

 

カスタマイズのヒント

グラデーションの配色を変更

デフォルトの4色は設定エリアで自由に変更可能です。ピンク×パープル×ブルーで「サイバーパンク風」に、アイボリー×ピーチ×モスグリーンで「ナチュラル風」に。配色だけでサイトのジャンルが完全に変わるのがこのテンプレートの面白さです。色の数そのものも増減可能で、2色にすればより落ち着いた波のような動きに、5色以上にすれば万華鏡のような華やかさになります。

ノイズテクスチャの強度調整

フィルムノイズの透明度を調整すると、サイトの質感が変化します。低くすればよりクリーンでモダンに、高くすれば古い35mmフィルムのような粗い温かさが加わります。

ギャラリーの段違い配置

ギャラリーは2カラムで構成されており、偶数列の作品が少し下にずれて配置される段違いレイアウトです。この配置が訪問者の視線を自然にジグザグに誘導し、すべての作品をまんべんなく見てもらう流れを作っています。ホバー時にはグレースケールが解除されてカラーに変わる演出も、作品への注目を集める工夫です。

配色を変えるだけで”ジャンルごと”変わる

LIQUIDのカスタマイズは、とにかく背景の配色を変えるのが一番効きます。同じ仕組みのまま色を入れ替えるだけで、サイトのジャンルそのものが変わるのが、このテンプレートの面白さです。ピンク×パープル×ブルーにすればサイバーパンク風、アイボリー×ピーチ×モスグリーンにすればナチュラル風に。色の数も調整でき、2色に絞れば穏やかな波のような落ち着いた動きに、5色以上にすれば万華鏡のような華やかさになります。

あわせて、ノイズの強さも質感を左右します。弱くすればクリーンでモダンに、強くすれば古い35mmフィルムのような粗く温かい質感に寄ります。

ひとつ気をつけたいのは、文字の読みやすさです。背景が明るすぎたり色が暴れすぎたりすると、その上の文字が沈んで読みにくくなることがあります。鮮やかにするほど、文字まわりは少し気にかけてあげてください。AIに頼むなら「背景の配色をアイボリーとモスグリーン中心のナチュラルな組み合わせに変えて。文字は読みやすいまま保って」と伝えると、雰囲気を変えつつ可読性も守れます。

 

まとめ ― 液体のように、形を変え続ける

『LIQUID』は、固定された「完成形」を持たないテンプレートです。背景は常に流れ、色は常に変化する。ページを開くたびに、昨日とは少し違う表情を見せてくれる。その「変化すること自体の美しさ」を愛するクリエイターに、このテンプレートを贈ります。

→ デモサイトのプレビューはこちら

 

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トミナガハルキ

グラフィックデザイナー/AMIX 代表。独学でデザインを学び、パッケージメーカー→美容系ベンチャー→家庭用品メーカーでのデザイン・広報運営を経て独立。現在は小さな事務所を拠点にASOBOAD等のサービスを運営し、ロゴ・パッケージ・広告物を中心に制作しています。著書『#ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン』は各カテゴリでベストセラーを獲得。2020年Adobe Creative Residency選出。ブログでは、10年以上の実務から学んだことや働き方のヒントを等身大の視点で発信しています。