ブラック労働化しない為に、「納期」ではなく「時間」を守る。
仕事において「時間を守ること」はとても重要です。そして、僕たちデザイナーは「納期」という一つの時間の区切りに追われがちです。
「時間を守ること」と「納期を守ること」は、少し違うと考えています。おかしな言い方かも知れませんが、時間を守ることによって、納期を守れなくなる事があるからです。
僕の働き方は「納期」厳守ではありません。
極端な例ですが、タイトな納期要求の場合は、事前に間に合う為のスケジュール(条件)を提示します。
「○月○日に初回見本を提出します。その後、修正は△日までに2回程度なら、希望納期に間に合います。直前、大きな変更の場合は保証出来かねます。」
といった具合です。つまり上記の条件を上回る要求が発生した場合は、納期には間に合いません。
僕は”時間を”守ります。適切な修正に関する追加日数は、守られるべきものです。つまり、細かく修正や変更が発生すると、どんどん納期は後ろにずれていく形になります。その状況でも、休日は自分の予定を過ごしますし、徹夜での作業も行いません。
何度も言いますが、僕は時間を守って仕事をしています。
もちろんある程度の不測の事態に備えて、それなりに安全な納期感でスケジュールを組みます。その為、実際に遅延することはほぼありません。また、早めに出来た場合は前倒しで提出するようにしています。
デザイナー及びデザイン会社がブラック労働化しやすい原因の一つが、「どんな事があっても納期に間に合わせる」という考え方だと思っています。
ある広告代理店に言われて閉口したのが、「うちも徹夜で頑張るので、トミナガさんも頑張ってください!」と言われた事です。予定にない大きな変更があるなら、そこは一旦リスケでしょう。というか、御社の非常識な労働環境を押し付けないでいただきたい。(本当に困っていたようで、流石に匙を投げるわけには行かず、完了後に取引をやめました。)
正の時間も負の時間も守ってこそ、健全でフェアな取引になると考えています。無茶な要求をする方もする方ですが、通す方も通す方です。双方で作り上げる呪いのような慣習だと思っています。