
デジタルの画面で「紙の質感」を感じる
スマートフォンの画面をいくらスワイプしても、写真を手に取っているという感覚は得られません。額装されたプリント、アルバムに貼られた一枚、ポストカードとして届いた風景。紙に定着した写真には、デジタルには宿らない「物質としての重さ」があります。
無料HTMLテンプレート『PAPER(ペーパー)』は、そんなプリント写真の体験をWebブラウザの中に持ち込んだテンプレートです。白い紙を模したコンテナの中に、細い白枠で囲まれた写真がFig.1、Fig.2と番号付きのキャプションとともに並ぶ。壁面に飾られた写真展のような、あるいは大判の写真集を開いたような、静かで端正な空間がスクロールの向こうに広がっています。
デザインの特徴とこだわり
白い紙のコンテナ ― 画面の中に「紙面」を作る
『PAPER』の最も特徴的な構造は、画面全体は淡いクリーム色なのに対し、コンテンツが載っている中央のエリアだけが真っ白であること。この白いエリアの左右には細い線と影が入っており、まるで「紙の端」がめくれそうな感覚を与えます。
実際のA4用紙のような最大幅でコンテンツが収まるため、文章の1行あたりの文字数が読みやすく制御されています。本や雑誌で長年培われてきた「1行40〜50文字」という可読性の法則を、Webでありながら自然に踏襲しているのです。
モノクロ写真がカラーに変わる瞬間
ギャラリーに並ぶ写真は、初期状態ではすべてモノクロで表示されます。マウスを乗せるとゆっくりとカラーに変化する。この演出は、暗室で印画紙に像が浮き出てくるプロセスを想起させます。
モノクロの状態ではすべての写真が同じトーンに統一され、ギャラリー全体に静かな調和が生まれます。そしてカラーになった瞬間にその1枚だけが「特別」になる。訪問者は自然に「次の写真もカラーで見てみたい」と感じ、すべての作品にマウスを運ぶことになります。
Fig.番号とキャプション ― 学術書のような品位
各写真の下に小さく付けられた「Fig. 1」「Fig. 2」…というキャプション。これは学術論文やカタログ・レゾネ(作品目録)で使われる記法です。この小さなテキストがあるだけで、ポートフォリオ全体に「研究的な真剣さ」と「アーカイブとしての信頼感」が加わります。
こんな方・こんな用途におすすめ
ファインアート・フォトグラファー
展覧会の延長としてオンラインでも作品を公開したいアートフォトグラファーにとって、白い壁面に吊るされたプリントのような表示方法は理想的です。Fig.番号は、実際の展示でも使われるフォーマットと一致します。
エッセイスト・文筆家のパーソナルサイト
テキストセクションでは、紙面のような両端揃えの行組みで長文を掲載できます。行間もゆったりと取られており、読書体験に近い没入感を提供できます。フォントはPlayfair Displayという優雅なセリフ体。
研究者・学芸員のリサーチポートフォリオ
Fig.番号というアカデミックなフォーマットが自然にマッチします。フィールドワークの記録写真や調査報告書のビジュアル版として活用できる可能性もあります。
カスタマイズのヒント
背景色で「紙質」を変える
デフォルトの淡いクリーム色は和紙のような温かみですが、これを薄いグレーに変えると「マットコート紙」のようなクール寄りの印象に。逆にもう少し黄色みを強くすると、古い写真アルバムのようなヴィンテージ感が生まれます。
テキストセクションの活用
ギャラリーの下に長文テキストエリアが用意されています。ここに撮影日記や制作ノートを書き込めば、写真集の巻末に付けるような解説ページを再現できます。表示・非表示は設定エリアから簡単に切り替え可能です。
まとめ ― 紙の記憶を、画面の中に
『PAPER』は、「Webといえど、紙の手触りを忘れたくはない」という人のためのテンプレートです。白い余白、細い境界線、モノクロからカラーへの変化。それらすべてが「アナログの美意識」をデジタルに翻訳しています。
写真や文章を、ギャラリーの白壁に展示するように。あるいは、一冊の本に綴じるように。そんな気持ちでポートフォリオを作りたい方に、このテンプレートをお届けします。



