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1950年代のスイスから届いたグリッドシステム

デザインの歴史を学んだことがある方なら、「スイス・スタイル」あるいは「国際タイポグラフィ様式」という言葉を聞いたことがあるでしょう。1950年代のスイスで確立されたこのデザイン手法は、数学的なグリッドシステム、サンセリフ体の大胆な使用、非対称のレイアウト、そして赤・黒・白の強いコントラストを特徴としています。

無料HTMLテンプレート『SWISS(スイス)』は、その名の通りスイス・スタイルをWebに翻訳したポートフォリオテンプレートです。画面を真っ二つに分割する2カラム構成、極太のInter Black書体、鮮烈な赤のアクセントカラー。一目で「これはデザインが好きな人のサイトだな」と思わせる、強い意志を持ったレイアウトです。

EYANCA(無料テンプレート)の詳細

 

デザインの特徴とこだわり

左右2分割 ― 「情報」と「作品」を明確に分離

パソコンで表示すると、画面の左半分は固定されたサイドバーに、右半分はスクロール可能なギャラリーに割り当てられます。左には名前(名字だけアクセントカラーの赤)、肩書き、自己紹介、リンク一覧が収まり、右にはナンバリングされた作品が縦に並びます。

この構造はスイス・スタイルの原則そのものです。「情報は左、ビジュアルは右」という明確な役割分担。背景にはうっすらとグリッド線(中央の縦線)が引かれており、画面に見えない「定規」が常に存在していることを暗示しています。

ナンバリングとモノクロ ― 作品を「規律」の中に置く

右パネルの各作品には「01」「02」「03」…と赤い太数字が振られ、ホバーすると少し右にスライドするアニメーション付き。画像はすべてモノクロで表示され、マウスを乗せた瞬間にカラーに切り替わります。

このナンバリング+モノクロの組み合わせは、スイス・スタイルのポスターデザインでよく見られるアプローチです。作品を「芸術的な一点もの」としてではなく、「体系的に整理されたアーカイブ」として提示する。その姿勢が、見る人にプロフェッショナルとしての信頼感を与えます。

赤いモーダル ― 強い記憶を残す閉じ方

作品をクリックすると開くモーダルの背景は、アクセントカラーの赤がほぼ不透明で画面を覆います。白い紙のような詳細パネルが中央に浮かび、閉じるボタンは太いゴシック体で「CLOSE PROJECT」。この強い色使いと断定的なテキストが、訪問者の記憶に刻まれます。

多くのモーダルが黒い半透明や白い背景を使う中、鮮やかな赤を全面に使うこのアプローチは極めて個性的。テンプレートの名前の通り「スイス・スタイルらしさ」を体験の隅々にまで行き渡らせる設計思想です。

 

こんな方・こんな用途におすすめ

グラフィックデザイナー・タイポグラファー

スイス・スタイルの文脈でデザインを語れるクリエイターにとって、サイト自体がそのスタイルで構築されていることは最強の自己紹介です。同時に「このスタイルに詳しくない」クライアントにとっても、整然とした情報設計は好印象を与えます。

建築スタジオ・設計事務所

グリッドベースの規律あるレイアウトは、建築や空間設計との親和性がきわめて高いです。モノクロで表示される建築写真が、カーソルを乗せるとカラーに変わる体験は、設計図面から完成写真へのプロセスを暗示するかのようです。

アートディレクター・ブランド戦略家

デザインのセオリーを体現したサイトは、「デザインの力を信じている人」であることの証明になります。赤×黒×白というコントラストの強い配色は、ブランディングプレゼンテーションの場でも注目を集めます。

 

カスタマイズのヒント

アクセントカラーの変更

デフォルトの赤はスイス・スタイルの定番ですが、設定エリアで変更可能です。ブルーに変えると「バウハウス的な冷静さ」に、イエローに変えると「構成主義的なエネルギー」に。デザインの文脈を理解した上でカラーを選ぶと、より深い表現が生まれます。

グリッド線の表示切替

背景のグリッド線は、スイス・スタイルの「見えない構造を見える化する」という思想の表れですが、よりクリーンな印象にしたい場合は非表示にすることもできます。

 

まとめ ― 規律の中にこそ、美がある

『SWISS』は、「デザインとは何か」という問いに対する、ひとつの明確な回答です。グリッドに従い、数字を振り、赤と黒と白だけで語る。その規律こそが、逆説的に最も強い個性になる。

1950年代のスイスで生まれた思想を、2020年代のWebブラウザの中で体験できるこのテンプレートを、デザインの力を信じるすべての人に。

→ デモサイトのプレビューはこちら

 

【AI×HTMLでWeb制作を効率化】無料Webテンプレート「EYANCA」は、商用・個人を問わず自由にご利用いただけます。デザインのベース構築や、AIを用いたコーディング学習の素材として、ぜひお役立てください。また、本記事の内容に共感いただけましたら、SNS等でのシェアやWebサイトでのご紹介も大歓迎です。

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トミナガハルキ

グラフィックデザイナー/AMIX 代表。独学でデザインを学び、パッケージメーカー→美容系ベンチャー→家庭用品メーカーでのデザイン・広報運営を経て独立。現在は小さな事務所を拠点にASOBOAD等のサービスを運営し、ロゴ・パッケージ・広告物を中心に制作しています。著書『#ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン』は各カテゴリでベストセラーを獲得。2020年Adobe Creative Residency選出。ブログでは、10年以上の実務から学んだことや働き方のヒントを等身大の視点で発信しています。