SNSの投稿やゲーム配信のコメントで見かける「濁゙点゙ま゙み゙れ゙」のような文字。あの見た目を自分でも作りたくなったとき、濁点をひとつずつ手で入れていくのは現実的ではありません。デザイン事務所AMIXは、入力した文字に濁点(゛)・半濁点(゜)をまとめて付与できる無料Webツール「濁点ジェネレーター」を公開しました。付ける記号の種類、重ねる回数、付与する割合をその場で調整して、できあがった文字列をそのままコピーできます。アプリのインストールやアカウント登録は不要で、パソコンでもスマートフォンでも、ブラウザを開けばすぐに使い始められます。

どんなツールか

「濁点ジェネレーター」は、入力欄に打った文字の一字ごとに濁点・半濁点を差し込み、いわゆる“呪文”や“ザルゴテキスト”風の装飾文字を作るツールです。文字を打つと結果が即座に更新され、入力側と結果側の文字数がそれぞれ表示されます。結果は通常の文字列(Unicode)なので、コピーしてSNS、チャット、メモアプリなど好きな場所に貼り付けられます。

手作業でやろうとすると、環境によっては結合文字そのものを入力する手段を探すところから始まります。結合文字を一字ごとに挿入する作業を繰り返すのは、手間がかかります。本ツールはその処理を入力した全文字へ一括で適用します。

生成処理はすべてお使いのブラウザ内で行われ、入力した文字が当方のサーバーへ送信・保存されることはありません。データが端末内にとどまる仕組みのため、公開前の投稿文の下書きをそのまま貼って試す場面にも向いています。

結合文字で“付ける”しくみ

濁点・半濁点は、それ自体が独立した1文字として並ぶわけではありません。Unicodeでは「結合文字」という、直前の文字にくっついて表示される種類の文字が用意されています。本ツールが使っているのは次の2つです。

濁点はU+3099(COMBINING KATAKANA-HIRAGANA VOICED SOUND MARK)、半濁点はU+309A(同 SEMI-VOICED SOUND MARK)。どちらも直前の文字に付く性質を持つため、本来は濁点が付かない「あ」「A」「漢」といった文字にも重ねて表示できます。「か」+U+3099が「が」として表示されるのと同じ仕組みを、あらゆる文字に対して適用しているわけです。

既存の濁点付き文字を見分ける判定にはNFD正規化を使っています。「が」は「か」+濁点、「ぱ」は「は」+半濁点、「ヴ」は「ウ」+濁点に分解できるため、この分解結果を見ることで「もともと濁点・半濁点を持つ文字」を検出できます。入力側はNFC正規化してから処理するので、すでに分解された状態で貼り付けられた文字列も同じように扱われます。

主な機能・特徴

付け方を細かく決められるのが本ツールの中心です。

  • 「記号」で付与する記号を選択。「濁点 ゛」「半濁点 ゜」「ミックス」の3つから選べます。ミックスでは文字ごとに濁点か半濁点のどちらかがランダムに選ばれます。
  • 「盛り」のスライダーで重ねがけを×1〜×6まで調整。数値を上げるほど同じ記号が積み重なり、文字の崩れ方が強くなります。
  • 「濃度」のスライダーで付与する割合を0〜100%の範囲で5%刻みに調整。100%なら対象のすべてに、50%なら約半分に付きます。全部に付けると読めなくなる場合に、間隔を空けて散らす使い方ができます。
  • 「もともと濁点・半濁点がある文字は除外」トグル(初期状態はオン)。などをそのまま残せるので、既存の濁音が二重にならずに済みます。
  • 「空白・記号・約物には付けない(! )「」、。 など)」トグル(初期状態はオン)。発話に関係のない記号を対象から外します。オフにすればこれらにも付与できます。
  • 「コピー」で結果を一括コピー。押すとラベルが「コピーしました」に変わります。「クリア」で入力を空にして、入力欄にカーソルが戻ります。
  • 「再生成」でランダムの並びを引き直し。濃度が100%未満のときやミックス選択時に、どの文字に何が付くかのパターンを変えられます。
  • ランダムの判定は文字の位置に基づいて安定しているため、末尾に文字を追加する場合は、位置が変わらない既存部分の付与状態を保てます。途中への挿入や削除では位置がずれ、パターンも変わる場合があります。
  • 初期設定では記号・結合文字・制御文字などを付与対象から外します。ただし、絵文字の構成によっては表示が変わる場合があります。「空白・記号・約物には付けない」をオフにすると除外条件も変わるため、絵文字を含む結果は個別に確認してください。

使い方

手順は3つです。まず入力欄に文字を入力します。次に「記号」「盛り」「濃度」を調整し、必要に応じて2つのトグルを切り替えます。最後に「コピー」で結果を取得して、貼り付けたい場所にペーストします。

結果の見え方に納得できないときは、盛りと濃度を行き来しながら調整するのが早道です。濃度を落として散らすだけでも雰囲気が変わり、盛りを上げれば一気に崩れた印象になります。ランダムの並びが気に入らない場合は「再生成」を押せば別のパターンになります。作り直したいときは「クリア」で入力ごと消せます。

なお、画面上のプレビューでは、盛りの2個目以降の記号を表示専用の字形として少しずらして描画しています。多くのフォントは結合文字を同じ位置に重ね描きするため、そのままでは何個重なっているのかが分からないからです。コピーされる文字列は結合文字のままで、この見せ方の影響は受けません。

ザルゴテキストとの関係

「ザルゴ(Zalgo)テキスト」は、結合文字を大量に重ねて文字が崩れて見えるようにした装飾の呼び名です。海外ではラテン文字のアクセント記号を上下に積み重ねる形が一般的ですが、日本語では濁点・半濁点が同じ役割を担えます。本ツールで「盛り」を上げていくと、この表現に近づいていきます。

濁点(゛)は「か→が」のように音を濁らせる記号、半濁点(゜)は「は→ぱ」のように半濁音を表す記号で、本来は発音を示すための符号です。それを発音とは関係のない文字に付けることで、意味から切り離された純粋な装飾として機能します。「ミックス」を選ぶと2種類の記号が混ざり、規則性のない不安定な見た目になります。

環境によって見え方が変わる

結合文字の描画は、貼り付け先のフォントやアプリの実装に委ねられます。そのため、同じ文字列でも位置がずれたり、記号が1個に見えたり、□で表示されたりする場合があります。コピー後の見え方は貼り付け先の対応状況に左右されます。結果が貼り付けられたことと、その表示をあわせて確認してください。

盛りを大きくして結合文字を多く重ねると、行の高さを越えて上下の行に食い込んだり、レイアウトが崩れたりすることがあります。また、スクリーンリーダー(読み上げソフト)では意図しない読み方になったり、記号が読み上げられ続けたりする場合があります。サービスやアプリによっては、結合文字を含む文字列の表示が制限されたり、投稿時の取り扱いが変わることもあります。装飾として使うときは、実際に貼り付ける場所で表示を確かめてから使うのが確実です。

活用シーン

  • SNS(X / Instagram)の投稿やプロフィールに、インパクトのある見た目を持たせたいとき
  • ネタ投稿・大喜利・実況コメントで、文字のトーンにアクセントを付けたいとき
  • ゲーム配信やチャットで、“壊れた文字”の演出をしたいとき
  • ホラー・クトゥルフ系の創作で、“呪文”らしいテキストを用意したいとき
  • 同人誌やZINEのタイポグラフィ素材として、崩れた文字を試したいとき
  • 結合文字の挙動を、実際に重ねながら確認したいとき

装飾の強さを数値で調整できるので、同じ文言で何段階か作って並べ、いちばん効くものを選ぶ使い方もできます。

よくある質問

Q. 利用は無料ですか?

A. はい。全機能を無料でご利用いただけます。アプリのインストールや会員登録も不要です。

Q. コピーした文字が正しく表示されません。

A. 濁点の結合文字は、フォントやアプリによって位置がずれたり□で表示される場合があります。コピー後の見え方は貼り付け先の対応状況に左右されます。結果が貼り付けられたことと、その表示をあわせて確認してください。

Q. 「!」や「)」には濁点が付かないのはなぜですか?

A. 発話に関係のない約物・記号は、初期設定で付与対象から除外しているためです。「空白・記号・約物には付けない」トグルをオフにすると、これらにも付与できます。

Q. 入力した文字はサーバーに送信されますか?

A. 生成処理はお使いのブラウザ内で行われ、入力内容が当方のサーバーへ送信・保存されることはありません。データが端末内にとどまる仕組みです。

Q. スマートフォンでも使えますか?

A. iPhone / Androidのブラウザで動作します。アプリのインストールや会員登録は不要です。

Q. 商用利用や二次利用はできますか?

A. 生成されるのは通常の文字列(Unicode)です。SNS投稿や制作物への利用にも活用できます。入力する文章の権利や掲載先の利用条件は、別途ご確認ください。

ご利用にあたって

本ツールが出力するのは結合文字を含む通常の文字列です。結合文字の描画は貼り付け先のフォントやアプリの実装に依存するため、お使いのOS・ブラウザ・フォントによって表示が異なる、または正しく表示されない場合があります。記号を多く重ねた文字列は、行の高さを越えて表示が崩れたり、読み上げソフトで意図しない読み方になったり、サービス側で表示や投稿時の取り扱いが変わる場合があります。実際に使用する場所で表示を確認してからご利用ください。本ツールおよび本ページは現状有姿(as-is)で提供されるため、ご利用は利用者ご自身の責任においておこなってください。本ツールの利用、または利用できなかったことにより生じたいかなる損害についても、AMIXは責任を負いかねます。本ツールの仕様・内容は、予告なく変更または提供を終了する場合があります。

記号の種類、盛り、濃度の3つを動かすだけで、文字の崩れ具合は驚くほど変わります。濁点ジェネレーターで、ちょうどよい壊れ方を探してみてください。