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賃金とやりがいのバランス

楽しい仕事の適正評価 – 賃金とやりがいのバランスを考える

仕事とは辛くてきついもの…という意識は、誰もが当たり前に持っている感覚のようです。それとコインの表裏をなすのが、「楽しい仕事は従事できるだけでありがたく、稼げなくても当たり前」という風潮です。これに類する議論は、ネットでも定期的に炎上、議論紛糾している印象がありますが、今回はこれについて考えてみます。

 

「楽しい仕事だから賃金少なくていい」理論の蔓延

仕事の不満

現代社会において、「楽しい仕事なんだから賃金少なくていいよね」という考え方が驚くほど広がっています。この理論は、特にクリエイティブな職業や趣味を仕事にしている人々の間で見受けられます。楽しい仕事であれば、それだけで十分な報酬だと考える人々が少なくないのです。でも、この考え方は非常に問題があります。

そもそも意味不明な論理

この理論が意味不明である理由は簡単です。楽しい仕事であることと、適正な賃金を受け取ることは、全く別の問題だからです。仕事が楽しいからと言って、その労働に対する対価が低くて良いというのは、論理的に成り立ちません。

労働には時間と労力がかかり、その対価としての賃金は適切に支払われるべきです。楽しいか苦しいかという主観的な感覚はそこに付随しません。

楽しさと適正な賃金の関係

仕事の楽しさは、その仕事の価値を下げる理由にはなりません。むしろ、楽しさを感じながら行う仕事は、高い質を生む可能性が高く、その分だけ正当な報酬が求められるべきとさえ言えます。

楽しさを理由に賃金を削減するのは、労働者のモチベーションを低下させ、結果として業務の質の低下を招く可能性があります。適正な賃金を受け取ることで、労働者はさらに意欲的に仕事に取り組むことができるのです。これは、クリエイティブな仕事でなくても、同様です。

 

デザイン業界にも蔓延する理由

フリーランサー

この考え方が広まっている背景には、社会全体の労働観や価値観の問題があると言えます。特にクリエイティブな職業では、仕事そのものが楽しいとされやすく、その楽しさが賃金に反映されないという誤解が生じやすいのです。

また、多くの人々が「好きなことを仕事にできるだけで幸せ」と感じる一方で、その対価としての報酬が正当に評価されない現実があります。つまり、デザイナー側が「好きなことで稼いでいるのだから、安くても仕方ない」と考えている現実もあるのです。これが、楽しい仕事に対する賃金の低評価を助長しています。

言い換えれば、自分の仕事が適正に評価されない状況に甘んじてしまっている、と言えます。楽しい仕事であっても、その価値は正当に評価されるべきであり、それに見合った賃金を受け取ることは当然の権利です。そして、適正な評価を求める姿勢は、個人の成長やキャリアアップにも繋がり、長期的な成功を目指すための重要な要素となるはずです。

 

まとめ

フリーランサー

「楽しい仕事だから賃金少なくていい」という理論は、労働の本質を見誤った考え方です。仕事の楽しさと適正な賃金は別問題であり、楽しい仕事であればなおさら、その価値を正当に評価することが求められます。この考え方に反発し、自分の仕事を正当に評価してもらうために高い賃金を求めることは、自己評価を高めるために大切ではないでしょうか。

適正な賃金を得ることで、より良い生活を送り、長期的なキャリアアップを目指すことができるのです。楽しい仕事であることは、その仕事の価値を高める要素であり、その価値に見合った報酬を求めることは当然の権利です。もし「デザインの仕事って楽しいから安くても良いよね」と誰かに言われたら、この権利を思い出してみてください。

 

「楽しい仕事なんだから賃金少なくていいよね」理論は本当に意味不明。なのに、恐ろしいほど蔓延しています。 稼ぐ事に拘るのは、そういう考えに反発したい気持ちもあるのかなと…。

X (Twitter) – Jul 6, 2018



この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。

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グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。