デザインを外注する際には、組織の責任者・上司の承認が必要となることが多く、そのためには稟議書の作成が欠かせません。しかし、稟議書が適切にまとめられていないと、承認が得られなかったり、プロジェクトの進行が遅れるリスクがあります。
今回は、デザインを外注する際の稟議書の文面や表現について解説します。デザイン外注を行うためには、予算や期間、業務内容などを明確にして承認を得る必要があります。この記事では、そんな稟議書作成に役立つポイントや文例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
稟議書の基本構成
稟議書の基本構成は、プロジェクトの概要や目的、予算や期間などを明確に伝えるために重要な要素です。なるべく簡潔に書くことを心がけましょう。
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タイトル
プロジェクト名や内容を端的に伝えるタイトルを設定しましょう。
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提案者
提案を行っている部署、課、および担当者の氏名等を記載します。
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提案日
稟議書を提出する日付を記載してください。
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稟議事項
外注を行う具体的な業務内容を簡潔に述べます。
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背景・目的
プロジェクトの背景、目的、外注の必要性を具体的に説明します。
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外注先企業概要
外注先企業の会社名、住所、代表者、事業内容を記載します。
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予算・費用
デザイン制作費用やその他経費を明確にし、合計金額を記載します。
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期間・スケジュール
プロジェクトの期間や重要な日程(提案、修正、納品など)を明示します。
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成果物・納品物
デザイン制作物の具体的なアウトプット(ロゴ、Webサイト、パンフレットなど)を記載します。
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その他(リスクや課題点)
プロジェクトに関連するリスクや課題、それに対する対策を簡潔に説明します。
稟議書の文例について
【タイトル】
◯◯プロジェクトデザイン外注に関する稟議書
【提案者】
◯◯部署 ◯◯課 ◯◯
【提案日】
2023年3月17日
【稟議事項】
◯◯プロジェクトにおけるデザイン業務の外注
【背景・目的】
◯◯プロジェクトにおいて、デザイン業務を社内で行うことが困難なため、外部の専門家に依頼し、クオリティ向上と効率化を図る。
【外注先企業概要】
会社名:株式会社デザイン◯◯
所在地:〒◯◯◯-◯◯◯◯ 東京都◯◯区◯◯◯◯
代表者:◯◯ ◯◯
事業内容:デザイン制作、デザインコンサルティング
【予算・費用】
デザイン制作費用:¥◯◯◯,◯◯◯
その他経費(打ち合わせ費用、交通費等):¥◯◯,◯◯◯
合計:¥◯◯◯,◯◯◯
【期間・スケジュール】
プロジェクト開始:2023年4月1日
デザイン提案:2023年5月15日
デザイン修正・確定:2023年6月30日
納品:2023年7月15日
【成果物・納品物】
・Webサイトデザイン
・ロゴデザイン
・パンフレットデザイン
・バナーデザイン
【その他(リスクや課題)】
・外注先との意思疎通が不十分な場合、期待するデザインとのギャップが生じる可能性があるため、定期的に進捗状況を確認する。
・納期遅れのリスクがあるため、途中経過報告を求め、必要に応じてスケジュール調整を行う。
【背景・目的】の深堀が大切
稟議書において、特に【背景・目的】は非常に重要です。なぜこのプロジェクトでデザインの外注を行う必要があるのか?どんなメリットがあるのか?については、より具体的に書いた方が説得力のある稟議書になります。例えば前述の稟議書文であれば以下のように補足すると良いでしょう。
今回は、現状の課題、プロジェクトのゴール、外注によって得られるメリットに分けて必要性を展開しています。
【背景・目的】
現状の課題
当社のWebサイトは、デザインが古く、ユーザーフレンドリーではないため、訪問者の離脱率が高いと考えられます。また、デザインに一貫性がなく、ブランドイメージの構築にも課題があります。ロゴデザインを含めたリニューアルが必要です。
プロジェクトのゴール
Webサイトのデザインを一新し、ユーザー体験を向上させることで、離脱率の低下とコンバージョン率の向上を目指します。さらに、統一感のあるデザインでブランドイメージの強化を図ります。
外注によって得られるメリット
社内にはデザインの専門家が不在であり、デザイン制作に時間がかかるため、業務効率が低下しています。外注により、専門的な知識と技術を持ったデザイナーに依頼することで、クオリティの高いデザインを短期間で実現し、効率的にプロジェクトを進めることができます。
このように、背景・目的の部分を具体的に記載することで、稟議書の提案内容が明確になり、承認を得やすくなります。現状の課題、プロジェクトのゴール、外注によるメリットを具体的に書くことを意識して、稟議書を作成してみてください。
また【背景・目的】だけでなく、外注先企業の実績や専門分野・強みを明確にし、過去の協力関係なども記載することで、稟議書の説得力を高めることができます。外注先企業の信頼性や適性を示す情報を具体的に提供することで、承認を得やすくなります。
その他 : 稟議書の【背景・目的】仮定例文
稟議タイトル:チラシデザイン外注の必要性について
当事業部では、事業拡大と顧客満足度の向上を目指し、マーケティング戦略の見直しを進めております。その一環として、チラシデザインの外注が不可欠です。
チラシデザインの外注化により期待できる効果について
■ブランドイメージの向上
チラシデザインを専門家に外注することにより、サービスのブランドイメージを一貫して伝えることができます。プロフェッショナルなデザインは、顧客に当社サービスの信頼性と価値をアピールすることが可能になると考えます。
■情報伝達の効果性向上
適切なデザインとレイアウトによって、顧客が必要な情報を瞬時に把握できるようになります。これにより、製品やサービスの訴求力が向上し、顧客の関心を引き付けることができます。
■販売促進効果の最大化
効果的なチラシデザインは、顧客の購買意欲を刺激し、売上げ向上に直結すると考えています。キャッチコピー、デザイン、レイアウトが適切に組み合わされたチラシは、当社の商品・サービスへの注目度を高めることが期待できます。
■地域密着型のマーケティング強化
チラシは、地域に密着したマーケティング活動において有効です。地域のニーズに合わせたデザインとメッセージが盛り込まれたチラシを配布することで、顧客とのコミュニケーションが強化されます。
以上の理由から、チラシデザインの導入は、当社のマーケティング戦略をより効果的に進める上で不可欠であると考えます。是非、チラシデザインの外注化導入に関する予算と人的リソースの承認をお願い申し上げます。
稟議タイトル:自社ロゴリニューアルの必要性について
現在、当社は成長と事業拡大を目指していますが、その過程でブランドイメージの強化が重要な要素となっています。そのため、当社ロゴのリニューアルが必要であると提案させていただきます。
ロゴデザインのリニューアルによって期待できる効果について
■現代的なデザインへの適応
市場環境やデザインのトレンドは日々変化しております。現行のロゴを見直し、現代的でシンプルなデザインにリニューアルすることで、ターゲット層に適切なメッセージを伝えることができます。
■ブランドイメージの向上
ロゴは企業の顔ともいわれており、当社のブランドイメージを大きく左右します。リニューアルにより、ロゴのデザインを一新し、当社の信頼性や価値観をより効果的にアピールすることが可能となります。
■デジタル時代への対応
デジタルマーケティングが主流となっている現代において、ウェブサイトやSNS上で適切に表示されるロゴが求められます。リニューアルを行うことで、デジタル時代に適応したロゴデザインを実現し、オンライン上でも当社の認知度を高めることができます。
■社内の士気向上
ロゴのリニューアルは、社員の意識や士気を向上させる効果もあります。新たなロゴによって、組織の一体感が生まれ、社員のモチベーション向上につながると考えられます。
以上の理由から、当社ロゴのリニューアルは、ブランドイメージを向上させる上で必要不可欠であると考えます。是非、ロゴリニューアルに関する予算とデザイナーの選定についての承認をお願い申し上げます。
稟議タイトル:会社案内デザイン外注の必要性について
当社の成長と事業拡大に伴い、ブランドイメージの向上や顧客への情報提供が重要な課題となっております。その一環として、会社案内のデザインを外部の専門業者に依頼する必要性を提案させていただきます。
会社案内の外注化によって期待できる効果について
■プロが作成するデザインの活用
外部のデザイン事業者は、高度な技術と豊富な経験を持っています。彼らに会社案内の制作を依頼することで、当社のブランドイメージを効果的に訴求できるデザインの完成が期待できます。
■社内リソースの効率的な活用
会社案内デザインの外注により、社内のデザイン担当者が他の重要な業務に集中できるようになります。これによって、全体の業務効率が向上し、より多くのプロジェクトに対応できる体制が整います。
■タイムリーな完成と品質の確保
外部のデザイン事業者に依頼することで、期限を厳守しながら、高品質な会社案内の完成が期待できます。これは、当社の信頼性や顧客イメージの向上につながります。
■新たな視点・アイデアの導入
外部のデザイン事業者は、他社のデザインやトレンドにも精通しています。そのため、新たな視点やアイデアを取り入れた会社案内デザインが実現され、当社の競争力が向上することが期待できます。
以上の理由から、会社案内のデザインを外注することが、当社のブランドイメージ向上や業務効率の最適化に繋がると考えます。是非、デザイン業者選定と予算の承認をお願い申し上げます。
デザインを外注する際の稟議書は、プロジェクトの背景や目的、予算や期間、成果物などを明確に記載することが重要です。また、リスクや課題についても触れることで、対策を講じることができます。
この記事で紹介した文例を参考に、ぜひ自社のデザイン外注に関する稟議書を作成してみてください。適切な稟議書を提出することで、スムーズに外注先との協力体制を築くことができるはずです。
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