
パンフレットは、ページ構成によって伝わり方が大きく変わる媒体です。同じ予算と枚数でも、どのページに何をどれだけ載せるかで反響は変わってきます。
ASOBOADは、業界別に最適なパンフレット構成案をデータに基づいて確認できる無料ツール「パンフレット業界別構成分析」を公開しました。SaaS・不動産・医療・採用など各業種を選ぶだけで、推奨される構成比率や掲載要素をブラウザ上で確認できます。登録やインストールは不要で、ページを開けばすぐに利用できます。
どんなツールか
本ツールは、パンフレット制作における「構成の傾向」を業界ごとに可視化する分析ツールです。サイドメニューから業界を選ぶと、その業種に適したデザインコンセプト、セクションごとの構成比率、推奨される掲載要素、そして設計の考え方を解説したコラムがまとめて表示されます。
想定しているのは、実際の紙面づくりに入る前の企画・台割段階です。「どんな雰囲気で作るか」「どのページを厚くするか」を言語化できないまま制作に進むと、後工程で大きな手戻りが発生しがちです。本ツールは、その出発点となる「業界の定石」を一覧で把握できる参考資料として活用できます。
分析できる8つの業界
ツールでは、以下の8業界の構成案を確認できます。
- SaaS / ITサービス
- 不動産 / マンション
- 医療 / クリニック
- 採用 / リクルート
- 観光 / 旅館・ホテル
- 大学 / 教育機関
- ウェディング / 式場
- 製造業 / メーカー
各業界には、そのジャンルの目的に沿った構成の考え方が紐づけられています。たとえばSaaSは「具体的メリットと経済的合理性」、不動産は「憧れと安心感の物語」、採用は「企業文化の体感」といった軸で整理されており、業種ごとにパンフレットに求められる役割の違いが明確になります。
主な表示内容
業界を選択すると、次のような情報がまとめて表示されます。
- デザインコンセプト:その業界のパンフレットに求められる方向性を一文で提示
- CTA配置ランク:問い合わせや申し込みへの導線の強さの目安(A〜Dで表示)
- スペック事例:平均ページ数、サイズ・規格、用紙・加工の例
- セクション構成比率:課題提起、機能詳細、導入事例などの配分をグラフで表示
- 推奨掲載要素:載せるべき要素と、それを載せる理由
- 解説コラム:その業界のパンフレット設計の考え方を文章で詳述
セクション構成比率はバーグラフで表示されるため、たとえばSaaSでは機能詳細や導入事例の比率が高く、不動産ではコンセプトページに約4割が割かれるといった違いが、視覚的にひと目で把握できます。数字とグラフで示されることで、社内で構成案を共有する際にも説明がしやすくなります。
構成比率とスペック事例の見方
セクション構成比率は、パンフレット全体のページ量を100%としたとき、各パートにどれくらいの分量を配分するかの目安を示しています。たとえば医療・クリニックでは診療内容に約4割、採用ではインタビューに約45%といった配分が示され、「何を主役に据えるべきか」が明確になります。台割を組むときに、ページ数の配分から逆算する考え方ができます。
スペック事例では、平均ページ数・サイズ規格・用紙や加工の例が業界ごとに表示されます。SaaSはA4縦のPDF配布兼用、大学案内は60〜120ページの大ボリュームといったように、業界の標準的な仕様を把握できます。これは見積もり依頼の前に、おおよその規模感をつかむ手がかりにもなります。
業界ごとの考え方の違い
同じ「パンフレット」でも、業界によって紙面の役割はまったく異なります。SaaS業界のパンフレットは、営業担当者が不在の社内会議でも「一人歩き」して決裁を促すホワイトペーパーとしての性格が強く、情緒よりロジックが重視されます。一方、分譲マンションのパンフレットは一生に一度の買い物を肯定する「ブランドブック」であり、紙の質感や特殊加工まで含めた体験が信頼につながります。
採用案内は情報の網羅性よりも「人」と「熱量」に特化し、ページの半分近くを社員インタビューに割く構成が定石です。大学案内は高校生本人と保護者という基準の異なる二つのターゲットを同時に攻略する二重構造が基本になります。観光・宿泊施設のパンフレットは説明的な文章を削ぎ落とし、写真一枚の空気感で非日常への期待を高める設計が有効とされます。こうした違いを踏まえることで、自社のパンフレットがどの方向に振るべきかを判断しやすくなり、業界の常識から外れた構成で反響を逃すリスクを下げられます。
デザインに入る前の”台割”で、仕上がりの9割は決まる?
パンフレット制作を請けていて痛感するのは、見栄えの良し悪し以前に、台割(どのページに何をどれだけ載せるか)の段階で、もう成否のほとんどが決まっているということです。きれいにデザインしても、構成が目的とずれていれば反響にはつながりません。よくあるのが「全部載せたい」と詰め込んだ結果、いちばん見せたいページが他の情報に埋もれてしまうケース。だからこの手の業界別の傾向は、最初に方向を定めるうえでとても役立ちます。
たとえば採用案内なのに会社概要や沿革にページを割きすぎて、肝心の社員の顔が見えてこない、というのは現場でよく見る失敗です。企画段階でやるとオススメなのは、各ページに「このページの役割は何か」を一言で書き込むこと。役割を言語化できないページは、たいてい削るか統合したほうが良くなります。ここで挙げられている比率はあくまで定石なので、そのまま当てるのではなく「自社はどこを定石から外して尖らせるか」を考える土台として使うのが、いちばん賢い向き合い方だと思います。
活用シーン
パンフレットの企画を始めるとき、「どのページに何を載せるべきか」で迷う場面は少なくありません。本ツールは、次のような場面で役立ちます。
- 制作会社への発注前に、構成案のたたき台を作りたいとき
- 社内で台割(ページ構成)を検討し、関係者と方向性をすり合わせたいとき
- 競合と差別化できる紙面の方向性を考えたいとき
- 原稿や写真など、準備すべき素材を洗い出したいとき
特に推奨掲載要素の一覧は、原稿準備のチェックリストとしてそのまま使えます。
よくある質問
Q. 利用に料金はかかりますか?
A. いいえ。すべての業界の構成案を無料で確認できます。会員登録やインストールも不要です。
Q. 表示される構成比率は、そのまま採用すればよいですか?
A. あくまで業界の傾向を示す目安です。自社のブランド戦略や訴求内容に合わせて調整することを前提にご活用ください。
Q. スマートフォンでも使えますか?
A. はい。パソコン・スマートフォンのどちらのブラウザでもご利用いただけます。
Q. 8業界以外の業種でも参考になりますか?
A. 自社に近い業界の考え方を選び、訴求の方向性の参考にする使い方ができます。
ご利用にあたって
表示されるデータは、過去の制作実績や市場調査から得られた「構成の傾向」を可視化したものであり、唯一の正解を定義するものではありません。各企業のブランド戦略やターゲット、訴求内容によって最適な構成は変動します。表示される比率やランクは参考値であり、特定の成果を保証するものではありません。あくまで制作時における構成案の目安としてご活用ください。
業界の定石を押さえたうえで、自社らしさをどう加えるか。その出発点としてお役立てください。
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