現在ほとんどの企業がなんらかの形でインターネットを活用した展開をしていますが、ここで疑問に挙がりやすいのが自社ホームページの存在です。日本のインターネット黎明期には多くの企業が自社ホームページを立ち上げましたが、現在はあまり使っていないというところも少なくないのが実情でしょう。
ただこれは、大変もったいないことです。ここでは、企業が自社ホームページを持つこと、適切に運用することの必要性を解説します。
なぜ自社ホームページが必要なのか
まず、なぜ自社ホームページが必要かを説明します。インターネットを活用して事業活動することの重要性を疑う企業は、もうほとんどないでしょう。それでもSNS全盛期の現在、「わざわざ自社ホームページを開設し、運営する意義は感じない」という企業は少なくありません。
ただ結論からすれば、今こそ自社ホームページは必要です。その理由はいくつもありますが、最も重要なのは「社会的信頼性」を獲得しやすいという点にあります。
過去を辿ると、商品やサービスを販売するのに実店舗のない企業は社会的信頼を得にくい時代がありました。現在はこうした垣根が薄れ、インターネット上にサイトがあれば、きちんと信頼してもらえる時代になりつつあります。
つまり【Webサイト=店舗=企業】という図式が浸透し、一般消費者が安心感を持って商品やサービスを購入する意識が確立されてきたと言えるでしょう。買い物する時に店に行く感覚で、Webサイトを訪れる時代に変わったと言えます。もちろん、そうしたサイトを持たず、SNSのみで商品やサービスを販売している企業もありますが、双方を比べた時に社会的信頼を得やすいのは、断然サイトを持っている企業ではないでしょうか。
それと同様に、自社ホームページを有している企業はきちんとした企業として一般消費者に認識されやすく、社会的信頼を得やすくなります。自社ホームページを持つ企業は、インターネット上の土地に「自社ビル」を構えている企業だとイメージすると、一般消費者の心理を理解しやすいかもしれません。
自社ホームページを運営するメリット
それでは、自社ホームページを開設し、適切に運営するメリットをまとめてみましょう。社会的信頼については前述しましたので、それ以外に重要なポイントを3つ絞って解説します。
発信力を得る
一般消費者や取引先へ情報を伝達できるメディアが限られていた時代は、TVCMや新聞広告、チラシなどが有力なアプローチ方法でした。現在はそれらと同等か、場合によっては大きく上回る情報発信力を持つのがインターネットです。
SNSも当然有力なメディアですが、どうしてもパーソナルな場になるので、一度に伝えられる情報量が制限されることは否めません。自社ホームページには基本的にそうした制限はないため、伝えたいことを存分に伝えることができます。
しかも、24時間365日常に情報を発信し続けることができます。もちろん、検索エンジンで上位表示される工夫などは必要ですが、大きな力を得られるのは間違いありません。
募集力を得る
今、企業に本当に必要なのは人材です。より優秀な人材を集めるために自社ホームページを開設したという企業もあるほど、自社ホームページによる人材募集力は大きいと言えます。
学生はもちろん、第二新卒・転職希望者・復職希望者など、あらゆる年代の求職者が必ずといって良いほど見るのが企業のホームページです。実際に多くの企業が自社ホームページに人材採用専用ページを開設していることからもわかるように、今や人と企業を結びつけるのはホームページといっても過言ではありません。
もちろん、ほかのメディアでも募集をかける活動は並行することが大切ですが、それをきっかけにどんな企業か興味を持った人は、間違いなくホームページを探して訪問して来るでしょう。
その受け皿がちゃんとあるかないか、そこで良い印象を与えられるかどうか、そこには大きなポイントとメリットがあると言えます。
営業力を得る
自社ホームページは自社そのものであると同時に、大変強力な営業担当者でもあります。サイトの作り方にもよりますが、ブランディングとともにマーケティングを行い、セールスに結びつけるホームページはたくさんあります。
自社ホームページが売上を伸ばせるツールになれば、これ以上のメリットはありません。まずは集客率をアップし、そこからファンを獲得した後、実売上へとつなげるのがセオリーと言えるでしょう。アフターサービスも兼任することで顧客満足度を向上させ、リピーターとして消費者に定着してもらえるのが一番です。
自社ホームページがコスト削減になる理由
大手企業、もしくはITに詳しい人員がいる環境でなければ、自社でホームページを制作したり運営したりするのは難しいという声も聞かれます。情報システム部などがあれば理想的ですが、そこまで組織配置ができる企業は限られるでしょう。
結果的に自社ホームページを運用しようとするとアウトソーシングが必要になり、そのコストがかかるというのが二の足を踏む理由の一つでもあります。ただ実際には、自社ホームページの運営がスタートすれば、かえってさまざまなコスト削減につながります。
せっかく自社の商品やサービスに興味を持ってくれた一般消費者や他企業があったとしても、うまく電話応対しきれず、チャンスを逃してしまうことは少なくありません。興味を持ってくれた相手が知りたいことを知りたいだけ、いつでもどこからでも都合の良いタイミングで知ることができれば、より多くの魅力を知ってもらうことが可能です。
そんなパーフェクトな対応ができる人員を集めるコストを考えれば、それらをすべてやってくれる自社ホームページの運用コストは非常に安いと言えます。
まとめ
自社ホームページは、適切に制作し、適切に運営すれば、大変強力な企業の武器になります。もちろん定期的な更新やメンテナンスなどランニングコストは一定量かかりますが、それを大きく上回る利益を企業にもたらしてくれるでしょう。
大切なのは、「自社ホームページは資産」だと理解することです。前述した通り、インターネット上に自社ビルや自店舗を構える意識で、魅力的で人が集まる自社ホームページをぜひ作っていきましょう。