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フリーランス市場

【2025年フリーランス市場予測】収入増への渇望と市場成長の実態(国内・海外動向)


フリーランス市場

2025年、フリーランスという働き方は、国内外でますます存在感を増しています。しかし、その実態は希望に満ちたものばかりではなく、変化への対応も求められています。本記事では、最新の統計データを基に、2025年のフリーランス市場のリアルな姿と、そこで活躍するためのヒントを探ります。

 

国内フリーランス:「自由」よりも「収入」を求める傾向へ

かつてフリーランスの魅力として筆頭に挙げられた「自由な働き方」。しかし、2025年の日本のフリーランスは、それ以上に「収入の増加」を強く意識しているようです。GMOインターネットグループの調査(2025年1月発表)によると、フリーランスが2025年の働き方の目標として最も多く挙げたのは「収入を増やす」(63.8%)であり、「より自由に働く」や「新しい仕事に挑戦する」を上回りました。この背景には、近年の物価高や生活コストの増加が影響していると考えられます。

収入の実態を見ると、フリーランスエンジニアの月額平均単価は上昇傾向にあり、エン・ジャパンの調査(2025年3月時点)では75.5万円に達しています。特に在宅案件と常駐案件の報酬額の差はわずか1万円と、リモートワークでも高い報酬を得られる可能性が示唆されています。一方で、年収分布を見ると、ジンジブの調査(2025年最新版)では年収400万円未満の層が約35%~44.7%を占めるなど、依然として収入格差は大きいようです。高収入を得るためには、需要の高い専門スキルが鍵となるでしょう。

また、フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2025」によると、フリーランスの月間稼働時間は「140~200時間未満」が33.7%で最多となっており、一定の労働時間を確保しながら収入増を目指す姿がうかがえます。

 

海外フリーランス市場:成長は続くも課題は山積

目を海外に転じると、フリーランス市場の成長は続いています。The Business Research Companyのレポートによると、グローバルフリーランスプラットフォーム市場の規模は2025年に83億9000万ドルに達すると予測されています。アメリカでは特にその傾向が顕著で、Market.us Scoopの統計では、米国のフリーランサー数は2025年には7960万人に増加すると見込まれています。

しかし、Demand Sageの調査(2025年1月発表)からは、依然として多くのフリーランサーが課題を抱えていることも明らかになっています。「十分な仕事を見つけること」(66%)、「不規則な収入の管理」(62%)、「不規則な仕事の管理」(60%)などが上位に挙げられており、市場の成長と個々のフリーランサーが直面する不安定さとの間で、バランスを取ることの難しさが浮き彫りになっています。

Mellowのレポート(2025年1月発表)では、グローバルな労働力に占めるフリーランサーの割合が増加しており、フルタイムで活動するフリーランサーも増えていると指摘されています。このような状況下で生き残るためには、クライアントが求める専門スキルを常にアップデートしていく姿勢が不可欠です。

 

2025年、フリーランスが取るべき戦略とは

国内外の動向を踏まえると、2025年のフリーランス市場で成功を収めるためには、以下の点が重要になると言えるでしょう。

  • 専門性の追求とスキルアップの継続:国内外問わず、専門性の高いスキルを持つフリーランスが高収入を得やすい傾向にあります。市場の需要を見極め、常に学び続ける姿勢が求められます。
  • 収入安定化への意識:「収入増」への関心が高まる中、単発の仕事だけでなく、継続的な案件獲得や単価交渉、さらには複数の収入源を持つといったリスク管理の視点も重要になります。
  • 市場の変化への適応:リモートワークの普及や新しい法律(日本ではフリーランス保護新法など)の施行といった変化に柔軟に対応し、それを自身の働き方に有利に活かすことが求められます。
  • 課題解決能力の向上:案件獲得や収入管理といったフリーランス特有の課題に対し、能動的に情報を収集し、解決策を見つけ出す能力がこれまで以上に重要になります。

フリーランス市場は成長を続ける一方で、個々のフリーランサーにとっては厳しい競争や不安定さが伴うことも事実です。2025年、そしてその先を見据え、自身の市場価値を高め、変化にしなやかに対応していくことが、持続的な成功への鍵となるでしょう。

 

— 参考資料(出典)