ユーモアで人の目を引く広告は、それを見た人を笑顔にするので、いい印象を残します。笑わせるには、人の頭と心に刺激を与えなければいけなので難しいです。しかしそれだけに、笑顔にすることに成功すれば、強いインパクトを生みます。

 

ナンセンスなコピーでページをめくる手を止めさせるユーモラスな広告例

ヌテラのユーモラスな広告

雑誌や新聞を読んでいたら、突然「ページをなめないでください」と大きく書いたページが出てきたら、だれでも、えっ、と思うでしょう。ページのほとんどを占めるキャッチの下には「nutella(ヌテラ)」の商品写真が小さく添えられています。ヌテラは、欧米で人気のあるチョコレート風味のスプレッドペーストで、パンなどに塗って食べられます。キャッチの最後にバターナイフがあるので、このキャッチがヌテラで書かれていることに読者は気づくわけです。まさか紙面をなめはしないでしょうが、すでに読者の口にはヌテラの甘い味と香りがよみがえっているでしょう。名前を聞いたら誰もが味を思い出せる人気商品ならではのアプローチです。

 

人間の手でペットの気持ちをユーモラスに表現した広告例

ペットの気持ちをユーモラスに表現した広告

このキャンペーン広告では、悩めるペットのバストショットがシリーズ化されています。ほおづえをついたり、頭をかいたり、首に手をあてたり、それほど深刻ではなさそうだけれども、可愛いペットたちが何かを憂えています。いずれも犬や猫ではなく、人の手が代わりに頭をかいたりしています。「biocanina」というフランスのペット用衛生用品を製造販売している企業の広告デザインで、キャッチフレーズは「あなた自身を愛するようにペットを愛してください」です。ほったらかしにされたペットたちは、寄生虫や皮膚病などで悩んでいるかもしれません。ペットの気持ちを人の手で表現して、飼い主の心にダイレクトに訴えかける広告制作例です。

 

困ったシチュエーションを文字だけで表現した広告ビジュアル例

文字だけで表現したDVRサービスの広告

「Tivibu」というトルコのDVRサービスのキャンペーン広告です。DVRサービスとは、好きな番組をHDDに録画して好きな時に視聴できるという、オンデマンドに似たサービスで、最大のメリットがタイムシフト視聴です。日本のハードディスクレコーダーに似ています。この広告のキャッチは、あえて訳せば、「キング、キーン、コーン、コング」です。映画『キングコング』を楽しんでいる最中に、ドアベルが「キーン、コーン」と鳴って楽しみが邪魔されたことを文字だけで表しています。ドアベルで映画の邪魔をされても、録画なのでポーズして来客に対応したあと見たいところからリスタートできる、ということを訴求しているのです。K→D、I→O、D→Kと1文字ずつ差し代わっているところもおもしろいです。発音してみると韻を踏んでいて小気味良いですね。

 

ユーモアには、ひとの心をとらえる力があります。また、時間が経っても、プラスのイメージが残るのもいい点でしょう。今回紹介した例は、いずれもポイントをストレートに訴求しています。演出はユーモラスですが、笑ってもらうために本質に関わる点を犠牲にはしていません。

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、日々のインスピレーションに繋がる広告デザインやアートワークを紹介しています。