どの業界も同じですが、ファストフードチェーンは競争が激しい業界の一つ。積極的に広告を打ち出しているようで、特別な日やイベントごとに新しい広告を発表しています。どれも趣向が凝らされていて、注目に値するユニークな広告が少なくありません。今回はそんなファーストフードチェーンの広告デザインのなかから、世界最大のチェーンであり、日本でもおなじみの「マクドナルド」の広告を取り上げてご紹介します。

 

映画とタイアップ?した広告例

映画を模した広告デザイン

大衆映画ファンやアメコミファンならこのビジュアルを見てピンとくるはず。これは、アメリカ「マーベル・コミック」の人気コミック「X men」に登場するメインキャラクターの一人、ミュータントである「ウルヴァリン」の手から生える鋭い爪をフレンチフライ(フライドポテト)で模したものです。

「マクドナルド」のフレンチフライが「ウルヴァリン」の爪に似ている…だなんて、これまで想像もしませんでしたが、確かにこのように見せられると、先が尖った爪の形状と斜めにカットされたフレンチフライの形は微妙に似ていなくもない。少なくとも、このビジュアルをみると、すぐにそれとわかります。まっすぐなフレンチフライもあっただろうに、あえてフニャッと曲がっているものを選んでいるあたりが秀逸。映画を観たついでに「マクドナルド」へ行こうかと、無意識に思ってしまうはずです。

 

バンズを頭部に見立てた広告例

父の日の広告デザイン

一見してハンバーガーのバンズらしいことはわかるのですが、ビジュアルを見ただけではこれがなんのことだかさっぱりわかりません。上の方に目をやり「Happy Father’s Day(父の日)」とあるのがわかると、たちまちハッとされられます。バンズで表現していたのは、ちょっと髪が薄くなったお父さんの頭部。これを見てお父さんにハンバーガーをプレゼントしようと思う人もいれば、お父さんと一緒にマクドナルドに出かけようと思う人もいるのでしょう。少なくとも、メッセージが間接的であることが、かえってお父さんのことを強烈に意識させるのは間違いありません。広告が縦長で、広告の意味するところを知るのにちょっと時間がかかることも重要なポイントです。

 

光でフレンチフライ(フライドポテト)を表現した広告例

フライドポテトを光で表現した広告デザイン
コンセントに差し込んだ照明器具から発される光の形状で、フレンチフライを表現しています。「マクドナルド」の主力商品の一つであるフレンチフライを、消費者に思い起こさせる方法はおそらく無限にあるはずですが、光で表現しようと思い至ったクリエイターには頭が下がる思いですね。24時間営業を行っている事を直感的に理解できる広告です。光は無機質なものなのに、不思議とあの匂いや味を思い出させます。

 

美味しそうな広告が消費者をお店に呼ぶ時代は終わったのかもしれません。どうやって注意を喚起するか、クリエイターの腕の見せ所ですね。

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、日々のインスピレーションに繋がる広告デザインやアートワークを紹介しています。