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ニューヨークを拠点に活動するグラフィックデザイナー

ニューヨークを拠点にマルチに活躍するStefanie Brücklerのハイクラスなグラフィックデザイン

ニューヨークを拠点に活動するグラフィックデザイナー

欧州オーストリア出身で現在ニューヨークを拠点にフリーランサーとして活動しているStefanie Brückler(ステファニー・ブルックラー)氏の作品を紹介します。Brückler氏は、印刷とデジタルのいずれでも、彼女らしいエレガントでクリーンなデザインを自在に表現できる高度なスキルを持ったクリエイターです。

Brückler氏はグラフィックデザイン、ブランディング、エディトリアルデザインをサービスの中心領域としながらも、タイポグラフィからイラストレーション、パッケージデザイン、ウェブデザイン、アートディレクションまで広い範囲にわたって上質のデザインをマルチに提供しています。

おもに、ニューヨークとコペンハーゲンにスタジオを構えるクリエイティブエージェンシー「NR2154」が手がけるプロジェクトでデザインを担当しています。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Stefanie Brückler!)

 

ウォータースポーツを愛する女性のためのブランドデザイン

ウォータースポーツを愛する女性のためのブランドデザイン3

「水を愛する女性のためのライフスタイルブランド」というコンセプトのスイムウェアブランド「Ansea」をまず紹介します。サーフィンなどのウォータースポーツを愛好する人たち向けのブランドが、男性ユーザーをターゲットとしたプロダクトラインを中心としがちであることから、女性の求めるデザインと機能を持つ製品を提供しようというのがAnseaです。ウェットスーツから海辺にふさわしいおしゃれなウェアまで提供しています。

Brückler氏は、ブランディング、パッケージデザイン、Webデザイン、その他の広告販促ツールをデザイン責任者として手がけました。Anseaの公式サイトには、Brückler氏のデザインの特徴がよく表れています。いかにもエディトリアルデザインの素養を感じさせるデザインは、ミニマルであるとともに、あたたかく、エレガントです。ブランドAnseaの製品が、シックでフェミンであると同時に機能的である、というコンセプトですので、とてもよくマッチしています。

ウォータースポーツを愛する女性のためのブランドデザイン5

見出し「Love the Water」には、ファッション系の雑誌や、ハイブランドのワードロゴなどでの定番書体のひとつ「Optima(オプティマ)」が使われています。サンセリフ系のクリアなテイストに、ストロークの太さの変化や曲線にセリフ系の優美さを兼ね備えた書体です。

「e」のバーの曲線が特徴的なワードロゴデザイン

ウォータースポーツを愛する女性のためのブランドデザイン4

小文字で組まれたワードロゴは、「e」のバーの曲線が特徴的です。セリフ系書体のような印象ですが、よく見るとセリフが加工されていることがわかります。リボンを思わせるようなラインが気持ちのよいカーブを描きながらそれぞれの文字のフォルムとなっています。Optimaよりもセリフ系に近い印象ですが、Optimaと同じく両方のテイストを合わせ持つデザインです。

ミニマルで有機的なシンボルデザイン

ウォータースポーツを愛する女性のためのブランドデザイン2

シンボルマークも、細いラインの円と曲線にブルーの太い直線を組み合わせたミニマルなデザインです。ビジネスカードなどでは「Best enjoyed close to water(水の近くがおすすめ)」というタグラインが添えられます。水、海辺、水面、浜辺、ひと、太陽、動きなど、さまざまなものが想像できて、広がりを感じさせる作品になっています。

CREDITS

Agency: NR2154, 2019/20
Client: Ansea via NR2154
Creative Director: Jacob Wildschiødtz
Design Director: Elina Asanti
Senior Designer: Stefanie Brückler
Executive Strategy Director: Matthew Andrews
Creative Strategist: Kate McTigue
Web Development: Roundhouse
E-commerce and editorial photography courtesy of Ansea.
Portfolio photography by Stefanie Brückler.

 

世界的ジュエリーブランドの特別なカタログデザイン

ジュエリーブランドのカタログデザイン1

シルバージュエリーなどで有名なティファニー(Tiffany & Co.)の雑誌形式のカタログ『This is Tiffany』の第9号のエディトリアルデザインもBrückler氏は手がけました。

どのようなジャンルのプロダクトであっても主役はプロダクト自身であることに違いはありません。しかし、ファッション関連のプロダクトでは、見え方そのものが価値の重要な部分を占めています。そして、それをダイレクトに伝える要素が写真です。

ブランドにふさわしいトーンを演出するデザイン

ジュエリーブランドのカタログデザイン3

製品写真の美しさ・魅力・意図を壊すことなく、さらに輝かせるレイアウト・色・タイポグラフィの選び方と組み合わせ方にエディトリアルデザインの真髄があると言えるでしょう。さらに難しいのは、そのうえで凡庸でない、ブランドにふさわしいトーンを演出しなければならない点でしょう。

ジュエリーブランドのカタログデザイン2

なかでも、このティファニーのカタログには、タイポグラフィに対するBrückler氏のセンスを感じます。

CREDITS
Agency: NR2154, 2019
Client: Tiffany&Co. via NR2154
Creative Director: Jacob Wildschiødtz
Design Director: Elina Asanti
Senior Designer: Stefanie Brückler
Editorial photography courtesy of Tiffany & Co.
Portfolio photography by Stefanie Brückler.

 

アーティストのためのブランディングとウェブサイトデザイン

アーティストのためのブランディングとデザイン2

カナダ出身のアーティストでデザイナーのMartha Sturdy(マーサ・スターディ)氏は、70年代に作りはじめた「ウェアラブル彫刻(wearable sculpture)」が『Vogue』誌や『Elle』誌でとりあげられ、ファッション業界を中心に世界的な注目を集めました。90年代には、樹脂や金属などを使ったテーブルウェアや家具デザインを手がけ、2000年代には彫刻の制作を再開します。

作風を反映したブランディング

アーティストのためのブランディングとデザイン3

家具デザインなどのビジネスとは別に、アーティストとしてのブランディングをBrückler氏がおこないました。Sturdy氏のアート作品のテーマは、「ソフィスティケーション」「ミニマル」「ボールド」です。その作風を反映した、力強いサンセリフ系のロゴなどをはじめ、作品の撮影ディレクション、ウェブサイトデザインを手がけています。

アーティストのためのブランディングとデザイン1

Marth Sturdy氏のウェブサイトはホワイトスペースをたっぷりと設けたデザインです。特に作品紹介ページは、画廊や美術館の白い壁に、作品とキャプションボードが掲示されているような仕立てになっています。

CREDITS
Agency: NR2154, 2018
Client: Martha Sturdy via NR2154
Creative Director: Jacob Wildschiødtz
Design Director: Elina Asanti
Designer: Stefanie Brückler
Executive Strategy Director: Matthew Andrews
Creative Strategists: Betina Bethlem, Kate McTigue
Artwork photography courtesy of Martha Sturdy.
Portfolio photography by Stefanie Brückler.

 

デンマーク国立美術館のカフェのブランディング

カフェのブランディング3

デンマークの首都コペンハーゲンの若手有名シェフFrederik Bille Brahe(フレデリック・ビル・ブラーエ)氏が、2018年にデンマーク国立美術館にカフェ「Kafeteria(カフェテリア)」をオープンしました。インテリアデザインは、現代アーティストのDahn Vo(ヨン・ヴォー)氏による、日本的ミニマリズムとデンマークのモダニズムがミックスされています。

カフェのブランディング1

小文字で構成されたワードロゴは、ニューヨークと東京を拠点に活動しているグラフィックデザイナーの伊藤 B.綾香氏の手によるものです。また、ロゴを基にしたカスタム書体「Kafeteria Sans(カフェテリア・サンセリフ)」も制作し、メニューやプロモーションツールに使われています。

カラフルな直線や円・シンボルマークが彩るデザイン

カフェのブランディング2

カフェのブランディング4

Brückler氏は、伊藤氏とともにブランディングやグラフィックデザインの制作をおこないました。シンボルマークは、カフェテリアのトレイ、皿、ボウル、仕切りなどを組みわせたミニマルデザインです。カラフルな直線や円、シンボルマークの要素が、メニュー、コーヒーカップ、プロモーション用印刷物にモチーフとして展開されました。

CREDITS
Agency: NR2154, 2018
Client: Kafeteria/Frederik Bille Brahe via NR2154
Creative Director: Jacob Wildschiødtz
Design Director: Elina Asanti
Art Director: Ayaka Ito
Designer: Stefanie Brückler
Restaurant photography courtesy of Kafeteria.
Portfolio photography by Stefanie Brückler.

 

手作りの切り抜きレタリング

切り抜きレタリング

Brückler氏は、個人的なプロジェクトとして、手を動かしてものを作るのが好きだといいます。レタリングやイラストを描いたり、何か作ったりするそうです。優雅な手書きのレタリングは、ていねいに切り抜かれ、色紙の上に重ねられます。

切り抜きレタリング2

切り絵のような作品は、レタリングの緻密さと手作業の不規則さが、特別な風合いを出しています。

 

インスピレーションは旅と人と雑誌から

Brückler氏は、グラフィックデザインの専門サイト『Print』のインタビューで、興味深いコメントをしています。

“旅行が好きで、いろいろな街で異なる文化に触れてインスピレーションを得たりしますが、やはり初めて会う人から受ける刺激が大きい” とのことです。

また、“インターネット上では同じものが何度も出てくるので、それよりも書物、それも古い本をパラパラめくるのが好きだ” と言います。タイポグラフィやレイアウトでおもしろいデザインといつでも出会うことができるからだそうです。さらに、雑誌のどのページからも、レイアウトや文字組、写真の扱い方が学べると言っています。

design : Stefanie Brückler (USA)

 

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